このページの要点

高校留学は「交換・私費・短期」の3タイプに大別でき、費用は年間およそ220〜1,000万円が目安です。

  • タイプはまず3択:費用を抑えたいなら「交換留学」、学校・進路にこだわるなら「私費留学」、まず試すなら「短期・ターム留学」。
  • 費用は総額で比較:国×公立/私立で年220〜1,000万円。学費だけでなく渡航・保険・生活費まで含めて考える。
  • 単位と準備を早めに:1年留学は最大36単位まで認定可(在籍校の判断)。準備は出発1年〜1年半前から。

「子どもが高校留学に興味を持ったけれど、何から調べればいい?」という保護者に向けた出発点のガイドです。まず「どのタイプが目的に合うか」を決めるところからスタートし、費用・単位・準備の順で全体像を整理します。ここを起点に、必要なテーマの記事へ進んでください。

本記事の制度・費用・単位認定に関する情報は、文部科学省・各国教育機関・当サイトの費用ガイド等の公開情報にもとづく一般的な目安です(2026年7月時点)。金額や条件は国・学校・時期・為替により変わるため、最新かつ正確な情報は各公式機関・在籍校・留学の窓口で必ずご確認ください。窓口の選び方は高校生の留学エージェントの選び方に整理しています。

高校留学とは?まず3つのタイプを押さえる

POINT

高校留学は大きく「交換留学」「私費留学(正規・卒業留学)」「短期・ターム留学」の3つ。費用を抑えたいか、学校を自分で選びたいかで方向性が変わります。

「高校留学」とひとくちに言っても、目的・期間・費用はタイプによって大きく異なります。最初にやるべきは、細かい国選びよりも「どのタイプが子どもの目的に合うか」を決めることです。ここを飛ばすと、費用感も準備スケジュールも定まりません。判断の前に、高校留学のメリット・デメリットを正直に把握しておくと後悔を防げます。まずは代表的な3タイプの違いを見ていきましょう。

① 交換留学 ― 費用を抑えて異文化を体験する

交換留学は、国や高校・民間団体が運営するプログラムを通じて現地校に通う形です。たとえばアメリカの交換留学(J-1ビザ)は国務省が認可した団体が運営し、公立高校の授業料やホームステイの滞在費が軽減されるため、費用を抑えやすいのが最大の魅力です。一方で、学校や地域は基本的に選べず、団体が設ける選考(英語力診断・面接・成績)を通過する必要があります。「異文化理解と国際交流」を主目的とした留学、と位置づけると分かりやすいでしょう。詳しくは高校の交換留学とはで解説しています。

② 私費留学(正規留学・卒業留学)― 学校を自由に選ぶ

私費留学は、留学先の国・地域・学校・期間を自分で選べる正規留学です。費用は学費・滞在費まで原則すべて自己負担になるため交換留学より高くなりますが、行きたい学校を選べる自由度が魅力です。語学力に不安がある場合でも、ESL(留学生向けの英語補習クラス)を用意している学校が多く、比較的入りやすいのも特徴です。現地校の卒業を目指す「卒業留学」もこのタイプに含まれます。ご家庭の目的に合うタイプが分からない場合は、留学タイプ診断で3分ほどの質問に答えると方向性を整理できます。

③ 短期・ターム留学 ― まずは試してみる

夏休みなどを使った2週間〜数週間の短期留学や、1学期(ターム)だけ現地校に通うターム留学もあります。長期留学のお試しや、英語・異文化体験を目的とする場合に向いています。詳しくは高校生の短期留学ガイドターム留学とはも参考にしてください。

高校留学タイプ早見表(費用は1年間の総額目安)

タイプ期間の目安費用の目安学校選び向いている人
交換留学1学期〜1年約190〜400万円選べないことが多い費用を抑えたい/異文化体験が目的
私費・卒業留学1年〜卒業まで約350〜1,000万円自由に選べる学校や進路にこだわりたい
短期・ターム留学2週間〜1学期約30〜150万円選べるまず試したい/英語体験が目的

費用は国・公立/私立・為替・団体により変動する目安です。正確な金額は各プログラムの募集要項で確認し、見積書の見方は留学エージェントはなぜ無料なのかを参考にしてください。

費用はいくら?国別・タイプ別の目安

POINT

1年間の総額は、費用を抑えやすいフィジーの約150万円やニュージーランドの約220万円から、ボーディング中心のイギリスの1,000万円まで幅があります。国と公立/私立の組み合わせで大きく変わります。

高校留学の費用は「学費+滞在費(ホームステイ・寮)+渡航費+保険+その他(ビザ・小遣いなど)」の合計で考えます。国によって水準が異なり、同じ国でも公立か私立(ボーディング)かで数百万円の差が出ます。主要5カ国の1年間の総額目安は次のとおりです。

主要国の1年間の費用目安

公立の目安私立・ボーディングの目安特徴
ニュージーランド220〜320万円350〜600万円主要国で比較的抑えやすい
カナダ250〜350万円400〜700万円公立の受入れ制度が充実
オーストラリア250〜350万円400〜600万円州ごとに制度が異なる
アメリカ300〜400万円(交換)500〜900万円交換と私費で費用差が大きい
イギリス500〜1,000万円ボーディング中心で高め

見落としがちなのが、学費以外の費目です。渡航費(往復航空券)、留学生向けの海外保険、ビザ申請費、現地での生活費や小遣い、通信費などを含めると、想定より総額が膨らみます。「学費の安さ」だけで国を決めないのが失敗を避けるコツです。費用の内訳や国別の目安は高校留学の費用ガイドでさらに詳しく整理しています。返済不要の給付型を含めた資金の組み立ては高校生の留学奨学金ガイドをご覧ください。

1年間の留学費用をその場で試算

国と留学タイプを選ぶだけで、学費・滞在費・渡航費を含む概算費用を試算できます。

単位・進級はどうなる?留年を避ける考え方

POINT

1年間の正規留学なら、在籍する日本の高校の判断で最大36単位まで認定できます(文部科学省の制度)。ただし実際に認定され進級できるかは在籍校の判断のため、出発前の確認が必須です。

「1年留学すると留年するのでは?」という不安は、保護者が最初に抱く典型的な心配です。制度上は、文部科学省が学校教育法施行規則を改正し、2010年4月から高校生の1学年間の留学に対して在籍校の最大36単位まで認めてよいと定めています。つまり、留学中の学びを日本の高校の単位として認め、休学せずに進級・卒業できる道が用意されています。

出典:文部科学省「高等学校等における外国留学」に関する学校教育法施行規則の規定(外国の高等学校への留学に係る単位認定は36単位を上限)。

重要なのは、単位を認定し進級を認めるかどうかの最終判断は在籍する日本の高校にあるという点です。同じ制度でも、学校ごとに認定の運用や必要な手続き・書類は異なります。留学を決めたら、できるだけ早く担任・進路指導の先生に相談し、「認定の条件」「必要な書類」「帰国後の学年」を具体的に確認しておきましょう。詳しくは高校留学の単位はどうなる?で解説しています。なお、そもそも学年による課程の修了認定を行わない通信制課程に籍を置くという選択肢もあります。この場合の実務は通信制高校で留学する方法にまとめました。

避けたい

留学を決めてから学校に事後報告し、単位認定の条件を確認しないまま出発する。

こうすればOK

検討段階で担任・進路の先生に相談し、認定に必要な書類と帰国後の学年を書面で確認しておく。

準備はいつから?1年前からの逆算スケジュール

POINT

準備は出発の1年〜1年半前に始めるのが標準。交換留学は応募締切がプログラム開始の約1年前に設定されることが多く、英語試験対策の時間も見込むと早いほど安心です。

多くのプログラムは、出発の8〜12か月前に出願を締め切ります。英語試験のスコア準備や志望動機の作成にも時間がかかるため、遅くとも渡航の1年前、できれば1年3〜6か月前には動き出すのが安心です。中学3年生のうちから情報収集を始める家庭も少なくありません。標準的な流れは次のとおりです。

  1. 1約12〜18か月前:留学のタイプ・国・プログラムを絞る。家庭で費用と目的をすり合わせ、在籍校に単位認定を相談する。
  2. 2約9〜12か月前:英検・TOEFL・IELTSなど、選考で求められる英語試験の対策を本格化。出願書類(志望動機)を準備する。
  3. 3約6〜9か月前:出願・選考。合否発表後、参加費用の一部(中間金)を納入する。
  4. 4約3〜6か月前:ビザ申請、海外保険の加入、航空券の手配。オリエンテーションに参加する。
  5. 5出発直前:残額の納入、荷造り、現地の連絡先・緊急時対応の確認。

「何年生で行くのがベストか」はご家庭でよく迷うポイントです。高校1年で行けば帰国後に受験準備の時間を確保しやすく、2年で行けば基礎学力を固めてから挑戦できるなど、学年ごとにメリットと注意点が異なります。詳しくは高校留学は何年生がベスト?学年別のメリットと大学受験への影響で整理しています。

英語力はどのくらい必要?

POINT

必要な英語力はタイプ次第。選考のある交換留学では英語力診断が課される一方、ESLのある私費留学なら語学に不安があっても挑戦しやすくなります。

交換留学は「現地で生活しながら学ぶ」ことが前提のため、団体ごとに英語力の基準(独自の英語力診断テストや英検・TOEFLのスコア)が設けられていることが一般的です。一方、私費留学ではESL(英語を母語としない生徒向けの補習クラス)を用意する学校が多く、出発時点の英語力が高くなくても受け入れてもらえる場合があります。「英語が話せないから留学できない」とは限らないのがポイントです。

求められる具体的なスコアはプログラム・学校・年度により異なります。出発前は英単語・英文法など自習できる範囲を固め、会話は現地で伸ばす、という順番が効率的です。目安として、選考のある交換留学では英検準2級〜2級程度を求められることが多いですが、団体により基準は異なります。詳しくは高校留学に必要な英語力で解説しています。

自分に合う留学タイプを3分で診断

卒業・交換・認定・短期など、簡単な質問に答えるだけで目的に合う留学タイプがわかります。

どの国を選ぶ?主要6カ国の特徴

POINT

はじめての留学なら、公立の受入れ制度が整い治安の良い国が候補。費用・サポート・英語環境のバランスで選びます。

国選びは費用だけでなく、留学生の受入れ制度・治安・サポート体制・日本との時差など、複数の観点で比較します。各国の詳しい制度・費用・エリアは国別ガイドにまとめています。

重視することで選ぶ|目的別の早見表

POINT

「費用」「学校選びの自由度」「サポートの手厚さ」「進学への接続」のどれを優先するかで、向いているタイプと国は変わります。迷ったら下の早見表を出発点にしてください。

重視するもの別・向いている選び方

重視すること向いているタイプ国の傾向ひとこと
とにかく費用を抑えたい交換留学(公立)ニュージーランド・カナダ学校は選びにくいが負担は最小
学校・環境を自分で選びたい私費留学アメリカ・カナダ自由度が高いぶん費用は上がる
はじめてで不安・手厚さ重視交換/私費(公立)ニュージーランド・カナダ国の受入れ基準やサポートが手厚い
将来の海外大学進学まで見据える私費・卒業留学イギリス・アメリカ英国式/米国式カリキュラムで接続しやすい
まず短期で試したい短期・ターム留学国はこだわらず選べる長期留学前の力試しに

早見表はあくまで出発点です。同じ「費用重視」でも、公立/私立・都市/地方・為替で総額は変わります。気になる組み合わせが見えたら、留学タイプ診断で方向性を確かめ、各国の国別ガイドで制度と費用の詳細を確認しましょう。

帰国後の進路・大学受験への活かし方

POINT

留学経験は帰国生入試や総合型選抜で強みになります。受験と両立できるよう、帰国後の進路も出発前から見通しておきましょう。

「留学すると大学受験に不利になるのでは」と心配されがちですが、近年は総合型選抜(旧AO入試)や帰国生入試など、留学経験や英語力を評価する受験ルートが広がっています。ただし帰国生入試は「海外2年以上」などの要件があり、1年留学では対象外になりやすい点に注意が必要です。さらに、高校留学で培った英語力を土台に、日本の大学ではなく海外大学へ進学する道もあります。留学を単なる語学体験で終わらせず進路につなげるために、高校留学と大学受験の進路設計海外大学進学ガイドもあわせて確認しておくと安心です。

よくある失敗と回避のポイント

避けたい

学費の安さだけで国・学校を決め、渡航費や保険・生活費を見落として予算が足りなくなる。

こうすればOK

学費・滞在・渡航・保険・生活費を含めた総額で比較し、費用シミュレーターで早めに試算する。

避けたい

出発の直前に準備を始め、出願締切や英語試験の対策が間に合わない。

こうすればOK

遅くとも1年前から動き出し、英語試験の対策を最優先で進める。

避けたい

在籍校への相談を後回しにし、帰国後に単位が認定されず留年してしまう。

こうすればOK

検討段階で在籍校に単位認定の条件を確認し、必要書類をそろえておく。

まとめ:まずは「タイプ」から決める

高校留学は、①タイプを決める → ②費用の総額をつかむ → ③在籍校に単位認定を相談する → ④1年前から準備する、という順で進めれば、全体像が見えてきます。費用を抑えたいなら交換留学、学校や進路にこだわるなら私費留学、まず試すなら短期留学が基本の選び方です。なお「海外に出すのは不安だが、英語環境で寮生活を経験させたい」というご家庭には、国内の全寮制という選択肢もあります(日本のボーディングスクール一覧)。費用帯は高校留学と重なるため、同じ土俵で比べておくと判断しやすくなります。さらに費用を抑えて環境だけを変えたいなら、公立高校で1年間を別の地域で過ごす地域留学という道もあります(国内留学とは)。次の一歩として、目的に合うタイプを留学タイプ診断で確認し、気になる国の国別ガイド費用・お金のテーマ一覧へ進んでみてください。

Q.高校1年と2年、どちらで行くのがベストですか?

ご家庭の優先順位によって変わります。高1で行くと帰国後に受験準備の時間を確保しやすく、高2で行くと日本での基礎学力を固めてから挑戦できます。一方で高3は大学受験と重なるため長期留学は選びにくく、行くなら短期・ターム留学が現実的です。学年ごとのメリットと注意点は高校留学の全体像でも整理しています。

Q.交換留学と私費留学、結局どちらを選べばいいですか?

「費用を最優先」なら公立に通える交換留学、「学校や地域・進路を自分で選びたい」なら私費留学が基本です。交換留学は費用を抑えられる代わりに学校や地域が選べず選考もあります。私費留学は自由度が高いぶん費用が上がります。迷ったら本文の早見表を出発点に、留学タイプ診断で方向性を確かめてください。

Q.英語が苦手な子でも本当に大丈夫でしょうか?

「話せないから無理」とは限りません。ESL(留学生向けの英語補習クラス)のある私費留学なら、出発時点の英語力が高くなくても受け入れてもらえる学校が多くあります。選考のある交換留学では英検準2〜2級程度を求められることが多いですが、団体により基準は異なります。出発前は英単語・英文法など自習できる範囲を固め、会話は現地で伸ばすのが効率的です。

Q.現地でトラブルがあったとき、誰がサポートしてくれますか?

サポートの担い手はタイプで異なります。交換留学は運営団体や現地コーディネーター、ホストファミリーが窓口になり、国によっては未成年保護の受入れ基準が整っています(ニュージーランドなど)。私費留学は学校の留学生担当や、手配した留学エージェントが緊急時の連絡先になります。出発前に「困ったときの連絡経路」を家庭で確認しておくと安心です。

Q.帰国後の大学受験で、留学経験は評価されますか?

近年は総合型選抜(旧AO入試)や帰国生入試など、留学経験や英語力を評価する受験ルートが広がっています。ただし帰国生入試は海外2年以上などの要件があり、1年留学では対象外になりやすい点に注意が必要です。海外大学へそのまま進学する道もあります。詳しくは高校留学と大学受験の進路設計を確認してください。

Q.結局、どこに相談すればいいですか?このサイトで相談できますか?

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