このページの要点

イギリスの高校留学は、16歳未満だとビザの規定で私立校しか選べず、費用が高くなります。

  • ビザで学校が決まる:Child Student visa(4〜17歳)は「independent school(私立)で学ぶ」ためのビザで、公立校(maintained school)にもFEカレッジにも通えません(GOV.UK)。公立系を選べるのは16歳以上がStudent visaを使う場合です。
  • 2025年1月から20%のVAT:英国政府は「2025年1月1日以降、私立学校が有償で提供する教育サービスは標準税率20%のVATの対象。これには私立学校が提供する寄宿サービスも含まれる」としています。学費も寮費も2割増しになりました。
  • 入り口は2つしかない:GCSEもA-levelも2年課程のため、途中の1年だけ切り取るのが難しく、実際の編入時期はYear 10(日本の中3相当)かYear 12(高2相当)に集約されます。

イギリスの高校留学を調べると、「年間500万円以上」「名門ボーディングスクール」といった情報がまず出てきます。ただ、費用が高い理由は学校のブランドではありません。制度の側にあります。16歳未満のお子さんが留学する場合、英国のビザ規定では私立校しか選べず、通学圏に身元を引き受ける家族がいなければ必然的に寄宿になります。そこに2025年1月から20%のVATが乗りました。この記事では、GOV.UKと入管規則(Immigration Rules)の条文から、学校の選択肢・費用・ガーディアン要件がどう決まるのかを整理します。

本記事のビザ要件・費用・学年の情報は、英国政府のGOV.UK(Child Student visa/Student visa/医療付加金/National Curriculum/私立学校のVATに関するガイダンス)と、入管規則 Immigration Rules Appendix Child Student の条文を、当サイトが2026年8月7日に取得して整理したものです。学費は各校が公表しているfeesページの実額を同日に取得しました。ビザの要件・金額・学費は改定されます。また学費・入学要件は学校ごとに大きく異なります。 出願前に必ずGOV.UKと志望校の公式サイトで最新の情報をご確認ください。為替は変動するため円換算はしていません。

結論:費用を決めているのは学校のランクではなく「年齢とビザ」

POINT

イギリスの高校留学には制度上2つの入り口があります。どちらに入るかで、選べる学校の種類が変わり、その結果として費用が倍以上動きます。

最初に押さえるべきは、イギリスには高校生が使えるビザが2種類あるという点です。そしてこの2つは、通える学校の種類がまったく違います。

高校年代が使う2つのビザ(GOV.UK「Child Student visa」「Student visa」より・2026年8月7日時点)

**Child Student visa****Student visa**
年齢4〜17歳16歳以上
通える学校independent school(私立校)のみ認可されたスポンサー校。FEカレッジなど公立系も対象
通えない学校公立校(maintained school)・アカデミー・継続教育/高等教育機関
親の同意必須(申請時に証明)16〜17歳なら必須
申請料£558(英国外からの申請)別途定められた額
滞在できる期間16歳未満=最長6年+4か月/16〜17歳=最長3年+4か月学位未満は通常最長2年
費用の傾向寄宿が中心で高額通学が中心で抑えられる

つまり、公立系という選択肢が現れるのは16歳になってからです。16歳未満のお子さんは制度上、私立校(independent school)しか選べません。しかも私立校の多くは寄宿制で、通学圏に身元を引き受けてくれる家族がいなければ寮に入ることになります。「イギリスは高い」と言われるのは、学校のブランドの話ではなく、選択肢がそこしかないからです。

他の英語圏と比べると、この違いははっきりします。アメリカカナダオーストラリアには、留学生が公立高校に通う交換留学や私費留学のルートが確立しています。イギリスにはそれが、16歳未満については制度上存在しません。「1年間、現地の公立高校へ」というイメージのまま検討を始めると、費用の見積もりが最初から2倍ずれます。

避けたい

他の国と同じ感覚で「イギリスの公立高校に1年間留学」を前提に費用を見積もる

こうすればOK

まず年齢を確認する。 16歳未満ならビザの規定で私立校のみ。公立系のFEカレッジを検討できるのは16歳以上でStudent visaを使う場合です

避けたい

「安い学校を探せば費用は下がる」と考えて学校名だけを比較する

こうすればOK

寄宿の形態で比べる。 同じ学校でもFull Boarding/Weekly boarding/Flexi-boarding/Day(通学)で費用が大きく変わります(後述の実例参照)

Child Student visaで「できないこと」を先に確認する

POINT

このビザは制約が多く、しかもその制約が学校選びを直接縛ります。GOV.UKが列挙している禁止事項を、そのまま読んでおく価値があります。

GOV.UKは、Child Student visaでできないことを明確に列挙しています。原文で「You cannot: study at an academy or a local authority-funded school (also known as a maintained school) or further or higher education institution」——つまり公立校でも、継続教育機関(FEカレッジ)でも、高等教育機関でも学べません

  • 公立校・アカデミー・FEカレッジ・大学等では学べない(私立校のみ)
  • public funds(公的給付)を受けられない
  • フルタイムの常用雇用に就くこと、自営業を営むことはできない
  • プロのスポーツ選手(コーチを含む)や芸能人として働くことはできない
  • settlement(永住)の申請はできない
  • 家族を帯同できない。保護者が同行する場合は「Parent of a Child Student visa」という別のビザが必要

一方でできることもあります。16歳以上であれば、学期中は週10時間まで、休暇中はフルタイムで就労できます。またコースの一部としての就業体験も、コース全体の50%を超えない範囲で認められています。

学べるコースにも枠があります。GOV.UKによれば、対象は私立校で行われる、ナショナルカリキュラム/RQF(規制資格枠組み)のレベル3以下/私立学校教育査察基準のいずれかに沿ったコースです。本コースの前の短期の「pre-sessional(準備)」コースは認められますが、「大学へ直接入学するための準備をするfoundationコースは受講できません」と明記されています。イギリスの大学進学を目指す場合、この点は進路設計に影響します。大学側の出願の仕組みは海外大学の出願ガイドで扱っています。

手続きの時間軸も押さえておきましょう。申請できるのは開講の6か月前からで、英国外からの申請なら通常3週間で結果が出ます。学校からCAS(Confirmation of Acceptance for Studies)という参照番号を受け取ってから6か月以内に申請する必要があり、渡英できるのは開講の1か月前からです。滞在できる期間は申請時の年齢で変わり、16歳未満ならコース期間(最長6年)+4か月、16〜17歳ならコース期間(最長3年)+4か月です。

確認ポイント:16歳・17歳のお子さんは、Child Student visaとStudent visaのどちらの条件も満たしうる年齢です。GOV.UKのStudent visaのページには「16歳か17歳で、英国のindependent schoolで学びたい場合は、代わりにChild Student visaの対象になる可能性があります」と案内されています。どちらで申請するかは、通う学校の種類と、その学校がどちらのスポンサー資格を持っているかで決まります。 学校に直接確認してください。

学年のズレ:GCSEもA-levelも2年課程だから、入り口は2つしかない

POINT

イギリスの中等教育は、2年でひとまとまりの資格を取る設計になっています。ここを理解しないと、渡航時期の判断を誤ります。

まず学年の対応を確認します。GOV.UKのナショナルカリキュラムの区分は次のとおりです。

イギリスの学年と年齢、日本の学年との対応(GOV.UK「The national curriculum」より。日本との対応は学年の年齢から当サイトが整理)

イギリスの学年年齢日本の学年(相当)この学年で起きること
Year 913〜14歳中学2年KS3の最終学年。GCSEで取る科目を選ぶ時期
Year 1014〜15歳中学3年GCSE課程の1年目(一部の生徒はここで受験)
Year 1115〜16歳高校1年GCSE課程の2年目。大半がここでGCSEを受験
Year 1216〜17歳高校2年Sixth Form(A-level課程)1年目
Year 1317〜18歳高校3年A-level課程2年目。大学出願

ここに構造上の問題があります。GCSEはYear 10〜11の2年課程、A-levelはYear 12〜13の2年課程です。日本の高校1年生(15〜16歳)はYear 11に相当しますが、Year 11はGCSEの最終学年です。1年目のYear 10を経ていない生徒が最終学年だけ編入しても、試験範囲に追いつくのは容易ではありません。

だから実際の編入時期は、次の2つに集約されます。

現実的な2つの入り口

入り口渡航時期(日本の学年)課程特徴
Year 10から中学3年の夏〜秋GCSE 2年 → A-level 2年で計4年も可能中学卒業前に出るため、日本の高校とは接続しない。長期・高額
Year 12から(Sixth Form)高校1年の終わり〜高校2年A-level 2年日本の高校からの主要ルート。Child Student visaの16〜17歳枠(最長3年)で収まる

多くのご家庭にとって現実的なのはSixth Form(Year 12)からの2年間です。日本の高校を1年で辞めて渡英し、A-levelを2年学んでイギリスの大学へ進む、という形になります。16〜17歳で申請する場合の在留可能期間が「コース期間(最長3年)+4か月」なので、A-levelの2年はこの枠にちょうど収まります

裏を返すと、「高校2年生のときに1年間だけ留学して、日本の高校に戻る」という形は、イギリスでは組みにくいということです。A-levelは2年で1つの資格なので、1年で切り上げると資格が取れません。1年間の交換留学を前提に考えているなら、公立高校の受け入れが確立している他の英語圏のほうが向いています。日本の高校の単位として認めてもらう仕組みについては高校留学と単位認定、渡航学年の選び方は高校留学は何年生がベスト?をご覧ください。

確認ポイント:A-levelで履修する科目数(よく「3科目に絞る」と説明されます)について、当サイトはGOV.UKで一律の定めを確認できませんでした。実際の履修科目数と組み合わせの条件は学校とコースによって異なります。志望校の要項でご確認ください。なお、幅広い科目を続けたい場合は国際バカロレア(IB)を採用している学校という選択肢もあり、イギリス国内にもIB校があります。

費用:2025年1月から学費にも寮費にも20%のVATが乗った

POINT

これはイギリス特有の、しかも最近の変更です。学費だけでなく寄宿費も課税対象になった点が費用インパクトの本体です。

英国政府のガイダンスは明確です。「2025年1月1日以降、英国の私立学校が有償で提供するすべての教育サービスおよび職業訓練は、標準税率20%のVAT(付加価値税)の対象となっている。これには私立学校が提供する寄宿サービスも含まれる」。授業料だけでなく、寮費も20%課税されます。

実額を見てみましょう。イギリスの学校は通常3学期制で、費用は学期ごとに表示されます。各校が公表している金額です。

各校が公表している学費(1学期あたり。各校公式サイトを2026年8月7日に取得)

学校Full Boarding(全寮)通学(Day)VATの表示
Sevenoaks School(Sixth Form)£20,639(Sixth Formから入学は£22,383)£12,734(同£14,461)「Including VAT」と明記
Rugby School£20,620£13,070「inclusive of VAT」と明記
Bedford School(Upper School & Sixth Form・2026–27年度)£17,744(Weekly boarding £16,852)£10,306ページ上で確認できず(要確認)

この表から読み取れることが3つあります。第一に、知名度の高い寄宿校は1学期£20,000超で、3学期分ならその3倍です。第二に、通学(Day)にすると寄宿の6割前後まで下がります。第三に、同じ学校でも寄宿の形態で刻めるという点です。Bedford Schoolの例では、Full Boarding £17,744に対し、Weekly boarding(週末は帰る)が£16,852、週2泊のFlexi-boardingなら£13,511と、選択肢が段階的に用意されています。

つまり「イギリスの高校留学=全寮制で年1,000万円」と決め打ちする必要はありません。ただし、通学やWeekly boardingを選ぶには、週末や休暇中にお子さんが生活する場所を英国内に確保できることが前提になります。これが次に説明するガーディアンの話につながります。

学費以外にかかる、金額が確定している費目も押さえておきましょう。

ビザ関連で確定している費用(GOV.UK・2026年8月7日時点)

費目金額備考
Child Student visa 申請料£558英国外からの申請。国内での延長・切替も同額
医療付加金(IHS)年£776申請時に18歳未満の場合の額。 ビザの期間分をまとめて支払う

IHS(Immigration Health Surcharge)は、英国のNHS(国民保健サービス)を利用するための付加金で、ビザ申請時にまとめて支払います。GOV.UKは「申請時に18歳未満の申請者は年£776」と定めています。ビザが1年を超える場合は、18か月以下なら年額+その半額、18か月超2年未満なら2年分、という計算になります。A-levelの2年課程なら、£558+£776×複数年分を初期費用として見込んでおくことになります。他の国も含めた費用の全体像は高校留学の費用で比較しています。

ガーディアン:入管規則が求めているのは「適切なケア体制」

POINT

「ガーディアンは法的に義務」と説明されることがありますが、条文はもう少し違う書き方をしています。正確に理解すると、選択肢と制約の両方が見えてきます。

根拠は入管規則(Immigration Rules)のAppendix Child Studentにあります。CS 5A.1の原文はこうです。「審査官は、申請者が英国に滞在する間の安全のために、適切なケア・居住、および該当する場合は後見(guardianship)の取り決めが整っていることに納得しなければならない」。

つまり規則が求めているのは「適切なケア体制があること」であって、「必ずガーディアン会社と契約すること」ではありません。条文は受け皿としてnominated guardian(指名された後見人)/close relative(近親者)/private foster carer(私的里親)の3つを想定しています。英国内に近親者がいるなら、その方が担うこともありえます。

ただし、ここに日本のご家庭にとって決定的な制約があります。CS 9.3の原文です。「その指名された後見人、近親者、または里親は、(a) 英国市民(British citizen)であるか、(b) 英国に定住している(settled in the UK)必要がある」。

避けたい

「ロンドンに駐在している知人の日本人にガーディアンを頼もう」と考える

こうすればOK

その方が英国市民または英国定住者かを先に確認する。 駐在員のように就労ビザで滞在している方は「settled」に該当しないのが通常です。該当しなければ、ガーディアン会社などの手配が必要になります

避けたい

ガーディアン費用を「保険のようなもの」と考えて、いちばん安いところを選ぶ

こうすればOK

ハーフターム(学期中の休み)や寮の閉鎖期間に、実際にどこで過ごすのかを確認する。 ケア体制はビザの審査対象であり、週末や休暇の受け皿がないと計画が成り立ちません

ガーディアンには書類上の義務もあります。CS 9.4は、ケアを担う人が提出する「letter of undertaking(引受書)」に記載すべき事項を列挙しています。氏名・現住所・連絡先、お子さんと同居する住所、保護者との関係、ケアの取り決めに同意すること、そしてその人が他に支援している人のリスト。さらに「お子さんに提供される宿泊先が私的な住所であり、ホテルやユースホステルのような商業施設として運営されていないことの確認」という項目まで含まれています。

また、ガーディアン側の事情でビザが却下されることがあります。CS 5A.2は、指名ガーディアン・近親者・里親、またはその人と日常的に同居している成人が、12か月以上の実刑もしくは執行猶予付きの有罪判決を受けている場合、常習的な犯罪者である場合、重大な危害を与えた犯罪を犯している場合には、申請を却下しなければならないと定めています。CS 5A.3は、12か月未満の刑や非拘禁刑の記録がある場合に却下されうるとしています。

この条文の存在は、実務上の含意を持ちます。ガーディアンは「誰でもよい形式的な手続き」ではなく、ビザの可否を左右する審査対象だということです。学校が提携するガーディアン会社や、AEGISのような業界団体の認定を受けた事業者が使われるのは、この審査に耐える体制を整えるためでもあります。費用を抑えたいという理由だけで選ぶ性質のものではありません。

寄宿の形態で費用は大きく変わります

Full Boarding・Weekly boarding・通学のどれを選ぶかで、年間の費用は数百万円単位で動きます。費用シミュレーターで、渡航前後にかかるお金の全体像を確認してみてください。

資金証明:日本は「提出を求められない国」のリストに入っている

POINT

多くの解説記事が「残高証明が必要」と書いていますが、GOV.UKの原文を読むと日本は例外国に指定されています。ただし油断はできません。

Child Student visaには資金要件があり、必要額は「どこに住み、誰が世話をするか」で変わります。

必要な資金額(GOV.UK「Child Student visa: Money」より)

滞在の形必要な資金
学校に寄宿する(全寮・一部寄宿)コース費用+1学年分(最長9か月)の寄宿費を支払える資金
里親・近親者と同居するコース費用+その里親・近親者が月£570以上を有することの確認
親または法定後見人と同居するコース費用+月£1,560(同行する兄弟1人につき追加で月£625)
16〜17歳で独立して生活するコース費用+ロンドンは月£1,334/ロンドン以外は月£1,023

資金の証明方法にもルールがあります。GOV.UKは「本人(または親)が少なくとも28日間連続してその資金を保有していたことを証明しなければならない。28日間の終了日は、ビザ申請日から31日以内でなければならない」としています。申請直前に口座へ入金しても要件を満たしません。

そのうえで、重要な例外があります。GOV.UKは「differential evidence requirement(証拠要件の差異化)」の対象となる国・地域のリストを掲げ、そこに Japan(日本)が含まれています。この対象国の申請者は、資金を有することの証明書類を提出する必要がありません

確認ポイント:ただしGOV.UKは同じページで「However, you might be asked to provide this evidence before you get a decision on your application.(申請の結果が出る前に、この証拠の提出を求められることがあります)」と続けています。求められた場合はUKVIから連絡が来ます。「不要」ではなく「原則は提出しなくてよいが、求められたら出せるようにしておく」が正しい理解です。28日間の保有という条件は変わらないため、準備そのものは早めに始めてください。

出願から渡航までの流れ

POINT

イギリスは9月始まりで、出願は前年のうちに動きます。ビザは6か月前から申請できるので、締切から逆算すると準備の開始時期が決まります。

ここまでの条件を、時系列の手順に並べ直します。日付は学校によって変わるため、確定しているのはビザ側の期限だけです。学校側の締切は必ず志望校の要項で確認してください。

  1. 1入り口を決める:お子さんの年齢から、Year 10からかSixth Form(Year 12)からかを決めます。16歳未満なら私立校のみ、という制約もここで確認します。
  2. 2学校を探し、出願する:Child Student visaを出すには、認可されたChild Studentスポンサー校からの無条件のオファー(unconditional offer)が必要です。学校が認可スポンサーかどうかは出願前に確認します。入学試験や面接を課す学校が一般的です。
  3. 3英語力を証明する:多くの学校が英語スコアの提出を求めます。イギリスではIELTSが広く使われますが、2026年に日本での受け方が変わっているため(ペーパー版が終了しコンピューター版に一本化)、IELTSとはもあわせてご確認ください。学校ごとに基準は異なります。
  4. 4ケア体制を決める:寄宿するのか、通学して週末はどこで過ごすのか。ガーディアンを立てる場合は、英国市民または英国定住者であることを確認します。letter of undertakingの準備も必要です。
  5. 5CASを受け取る:オファー後、学校からCAS(参照番号)が発行されます。CAS受領から6か月以内にビザを申請する必要があります。CASには宿泊費と学費(既払い分を含む)が記載されます。
  6. 6ビザを申請する開講の6か月前から申請可能。英国外からなら通常3週間で結果が出ます。申請料£558と医療付加金(18歳未満は年£776)を支払います。資金の証明書類は日本国籍なら原則不要ですが、求められる場合に備えます。
  7. 7渡英する渡英できるのは開講の1か月前からで、ビザに記載された開始日より前には入国できません。

この流れで最も時間がかかるのは、実は2番目の学校選びと出願です。イギリスの学校は前年のうちに出願を締め切り、入学試験を課すところが多いためです。ビザは3週間で出ますが、学校の選考は年単位で動きます。 逆算の起点はビザではなく、志望校の出願締切です。

では、その学校選びを何を基準に進めるのか。英国には、保護者が自分で確かめられる公開データが4種類あります——国が定めたケアの最低基準(NMS)、独立機関の査察報告書(ISI)、在籍者の全国統計(ISC Census)、ガーディアン事業者の認定制度(AEGIS)です。留学生を受け入れられる学校がそもそも限られていることや、現在のISI査察報告書には総合評価が存在しないことも含めて、イギリスのボーディングスクールの選び方で整理しています。制度で候補を絞ったあとは、そちらを検証の手順としてお使いください。

イギリスが向いている家庭・向いていない家庭

POINT

制度の特徴がはっきりしている分、向き不向きもはっきりしています。費用の話に入る前に、ここで方向性を判断できます。

他の英語圏との比較(制度面の違い)

観点**イギリス**アメリカ・カナダ・豪州・NZ
公立高校への留学16歳未満は制度上できない公立の交換留学・私費留学のルートがある
1年間だけの留学課程が2年単位のため組みにくい1年間の交換留学が確立している
費用寄宿中心+VAT20%で高額公立なら大きく抑えられる
進路の接続A-levelから英国大学へ直結国により多様
科目の絞り込みSixth Formで専門を絞る幅広く履修する設計が多い

向いているのは、イギリスやヨーロッパの大学進学を視野に入れていて、A-levelという資格を取りにいく家庭です。Sixth Formの2年間はそのまま大学出願の準備期間になり、進路が一本につながります。また、早い段階で学ぶ分野を絞ることに本人が納得している場合も相性がよいでしょう。

向いていないのは、「1年間の異文化体験をして日本の高校に戻る」ことが目的の場合です。イギリスの課程は2年単位で設計されているため、1年で切り上げると資格が残りません。この目的なら公立高校の受け入れが整った国のほうが、費用も含めて合理的です。高校留学の全体像で、まずタイプから整理することをおすすめします。

なお、「イギリス式の全寮制教育」に魅力を感じているものの費用や距離が課題という場合は、日本国内にもボーディングスクールがあります。制度も費用も違いますが、比較対象として日本のボーディングスクールを見ておくと、判断の軸がはっきりします。

まとめ:年齢を確認してから、費用を計算する

イギリスの高校留学で最初に確認すべきは、学校のランキングでも費用の相場でもなく、お子さんの年齢です。16歳未満ならChild Student visaで私立校しか選べません。GOV.UKは「公立校(maintained school)でも継続教育機関でも学べない」と明記しています。公立系という選択肢が現れるのは、16歳以上でStudent visaを使う場合だけです。

次に、課程が2年単位であることを踏まえて渡航時期を決めます。GCSEはYear 10〜11、A-levelはYear 12〜13。日本の高校1年生はYear 11=GCSEの最終学年にあたるため、現実的な入り口はYear 10(中3相当)Sixth Form(Year 12=高2相当)の2つです。16〜17歳での申請なら在留可能期間は最長3年+4か月なので、A-levelの2年はこの枠に収まります。

費用は、2025年1月から学費にも寄宿費にも20%のVATが乗りました。知名度の高い寄宿校は1学期£20,000超(VAT込み)で、これが3学期分。ただし通学なら6割前後、Weekly boardingやFlexi-boardingなら段階的に下げられます。これに申請料£558と医療付加金(18歳未満は年£776)が加わります。

そして、ケア体制はビザの審査対象です。入管規則CS 5A.1は「適切なケア・居住、該当する場合は後見の取り決め」を求め、CS 9.3はその担い手を英国市民または英国定住者に限定しています。ガーディアン側の犯罪歴で申請が却下される規定(CS 5A.2)まであります。費用の項目ではなく、審査の項目として扱ってください。

順序としてはこうなります。①年齢からビザと学校の種類を確定する → ②Year 10かYear 12かを決める → ③志望校の出願締切から逆算する(ビザより学校の選考のほうが長い) → ④寄宿の形態を決めて費用を計算する → ⑤ケア体制を英国市民・定住者の条件で確認する。 費用の比較から入ると、選べない学校まで候補に入れてしまい、見積もりがずれます。制度で絞ってから、お金の話をしてください。

Q.イギリスの公立高校に留学することはできますか?

16歳未満は制度上できません。 GOV.UKはChild Student visa(4〜17歳)でできないこととして「academy or a local authority-funded school(maintained school=公立校)or further or higher education institution で学ぶこと」を明記しています。このビザは「independent school(私立校)で学ぶ」ためのビザだからです。一方、16歳以上であればStudent visaという別のビザを使えるため、認可されたスポンサーであるFEカレッジ(継続教育カレッジ)などの公立系に通う道があります。「イギリスにも公立の選択肢がある」という解説はこのルートを指していますが、年齢の条件が前提になっている点は必ず確認してください。

Q.高校2年生のときに1年間だけイギリスに留学して、日本の高校に戻ることはできますか?

制度的に組みにくい形です。 イギリスの中等教育はGCSE(Year 10〜11)もA-level(Year 12〜13)も2年でひとまとまりの課程として設計されているため、1年で切り上げると資格が残りません。日本の高校2年生はYear 12(A-level 1年目)に相当しますが、ここだけを履修しても中途半端になります。1年間の留学が目的なら、公立高校での受け入れが確立しているアメリカカナダオーストラリアのほうが、費用も含めて合理的です。日本の高校の単位として認めてもらう手続きは高校留学と単位認定をご覧ください。

Q.2025年からのVATで、費用はどのくらい上がったのですか?

英国政府のガイダンスは「2025年1月1日以降、英国の私立学校が有償で提供するすべての教育サービスおよび職業訓練は標準税率20%のVATの対象」とし、さらに「これには私立学校が提供する寄宿サービスも含まれる」と明記しています。つまり授業料だけでなく寮費も課税対象です。各校の公表額はVAT込みで表示されるようになっており、たとえばRugby Schoolは「Both sets of fees are inclusive of VAT」としてBoarding £20,620/Day £13,070(いずれも1学期)と公表しています。古い記事に載っている税抜きの相場と比較すると、実際の請求額を過小に見積もることになります。 必ず各校の最新のfee sheetでご確認ください。

Q.ガーディアンは必ず立てなければいけませんか。日本人の知人に頼めますか?

入管規則CS 5A.1が求めているのは「適切なケア・居住、および該当する場合は後見の取り決めが整っていること」で、条文が想定する受け皿は指名ガーディアン/近親者/私的里親の3つです。ですから「必ずガーディアン会社と契約せよ」という規定ではありません。ただしCS 9.3が決定的な制約を課しています。その担い手は「(a) 英国市民、または (b) 英国に定住している人」でなければなりません。就労ビザで英国に駐在している日本人の知人は、通常この条件に該当しません。さらにCS 5A.2は、ガーディアンやその人と日常的に同居する成人に一定の犯罪歴がある場合、申請を却下しなければならないと定めています。ケア体制はビザの審査対象なので、条件を満たす形で整える必要があります。

Q.資金証明(残高証明)は必要ですか?

日本国籍の場合、書類の提出は原則不要です。 GOV.UKは「differential evidence requirement」の対象国・地域を列挙しており、そのリストにJapanが含まれています。対象国の申請者は資金を有することの証明書類を提出する必要がありません。ただし同じページに「However, you might be asked to provide this evidence before you get a decision on your application.(結果が出る前に提出を求められることがあります)」という但し書きがあります。求められた場合はUKVIから連絡が来ます。また資金要件そのものは免除されません。寄宿する場合は「コース費用+1学年分(最長9か月)の寄宿費」を支払える資金が必要で、証明する際は「28日間連続して保有し、その終了日が申請日から31日以内」という条件を満たす必要があります。準備は早めに始めてください。

Q.ビザの申請はいつからできますか。費用はいくらですか?

開講の6か月前から申請でき、英国外からの申請なら通常3週間で結果が出ます。ただし学校からCAS(Confirmation of Acceptance for Studies)という参照番号を受け取っている必要があり、CAS受領から6か月以内に申請しなければなりません。費用は申請料£558(英国外から)と医療付加金(IHS)で、IHSは申請時に18歳未満なら年£776です。ビザが1年を超える場合、18か月以下なら年額+半額、18か月超2年未満なら2年分を支払います。渡英できるのは開講の1か月前からです。なお、実務上のボトルネックはビザではなく学校の選考で、前年のうちに出願を締め切り入学試験を課す学校が多いため、逆算の起点は志望校の出願締切に置いてください。