このページの要点

アメリカの高校留学は、交換留学(J-1)と私費留学(F-1)で費用も自由度も大きく変わります。まずどちらの形かを決めるのが出発点です。

  • 交換留学(J-1):公立に通い、授業料・滞在費は原則無償。年150〜200万円と安いが学校は選べない。
  • 私費留学(F-1):私立中心で学校を自由に選べるが費用は高い(ボーディングで500〜900万円)。
  • 共通:ビザ申請時にSEVIS費用(I-901)が必要(F-1 350ドル/J-1 220ドル)。

アメリカはプログラムの選択肢が最も豊富な国。だからこそ、交換か私費かでコストも準備も変わります。この記事では両者の違い・費用・必要な英語力・手続きを中立の視点で徹底比較します。高校留学全体は高校留学の基礎ガイドもどうぞ。

本記事の金額・要件は留学団体・留学情報メディア等の公開情報にもとづく一般的な目安です(2026年7月時点)。費用・ビザ制度・SEVIS費用は改定されることがあります。正確な情報は各留学団体・学校の募集要項と、米国国務省・移民局(SEVIS)の公式情報でご確認ください。

結論:交換留学(J-1)と私費留学(F-1)の比較表

POINT

まず結論から。費用を抑えて異文化交流をしたいなら交換留学、学校を選んで卒業・進学を目指すなら私費留学です。両者は目的も費用もまるで違います。

交換留学と私費留学の違い

項目交換留学(J-1)私費留学(F-1)
ビザJ-1(交流訪問者ビザ)F-1(学生ビザ)
通う学校主に公立(選べない)主に私立(自由に選べる)
費用年約150〜200万円高め(ボーディング500〜900万円)
授業料・滞在費原則無償(ホストファミリー)自己負担
目的異文化交流学業・卒業・進学
手配団体経由が必須学校・エージェント経由
継続同じ学校での継続は不可在籍を継続しやすい

交換留学(J-1):費用を抑えて公立で異文化交流

POINT

交換留学は、地元の生徒が通う公立高校に通い、ボランティアのホストファミリーと暮らす形。授業料・滞在費が原則無償のため、年150〜200万円と費用を大きく抑えられます。

  • 費用が安い:授業料・平日以外の食事つき滞在が原則無償。渡航費・保険等を含めても年150〜200万円が目安。
  • 団体経由が必須:高校生の交換留学は個人手配できず、プログラム提供団体に依頼する。
  • 学校・地域は選べない:受入れ先はプログラムが決めるため、都市や学校の指定は基本できない。
  • 継続は不可:J-1では同じ学校での留学継続ができない(別プログラムで継続は可能)。

応募資格として、過去にJ-1/F-1でアメリカ留学をしていないこと、学業成績が平均以上、欠席が少ないことなどが求められる場合があります。「費用を抑えて1年、アメリカの高校生活と異文化を体験したい」人に向いた形です。交換留学の仕組み全般は高校交換留学でも解説しています。

私費留学(F-1):学校を選んで卒業・進学へ

POINT

私費留学は、主に私立高校に通い、学校を自由に選べる形。費用は高いですが、卒業や大学進学を見据えた学びができます。出願要件も交換より厳しめです。

私費留学では、入学願書・高校成績証明書・SAT/ACTなどのスコア・エッセイ・推薦状・TOEFL/IELTSといった英語力証明が必要になることがあります(学校による)。名門私立やボーディングスクールを選べば、少人数で手厚い指導や充実した課外活動が得られる一方、費用はボーディングで年500〜900万円と高額です。お子さんに「学校を選びたい」「現地で卒業してそのままアメリカの大学へ進みたい」という希望があるご家庭に向きます。卒業後の進路として海外大学進学という進路、とくにアメリカの大学進学ガイドまで見据えると学校選びの軸も定まります。費用の詳細はアメリカ高校留学の費用で解説します。

1年間の留学費用をその場で試算

国と留学タイプを選ぶだけで、学費・滞在費・渡航費を含む概算費用を試算できます。

必要な英語力の目安

POINT

求められる英語力は形によって違います。交換留学は英検2級ほど、私立(私費)は学校のレベルにより英検3級〜1級と幅があります。

形別・英語力の目安

英検の目安ELTiS の目安
交換留学(J-1)英検2級ほど215点ほど
私立(私費・F-1)英検3級〜1級(学校による)180〜240点

交換留学でも、現地の生徒とコミュニケーションを取るには一定の英語力が必要です。出発前に基礎を固めておくと、渡航後の授業・生活がスムーズになります。必要な英語力の考え方は高校留学に必要な英語力で詳しく解説しています。

ビザと手続きの流れ

POINT

交換はJ-1、私費はF-1のビザが必要で、いずれも申請料に加えてSEVIS費用(I-901)がかかります(F-1 350ドル/J-1 220ドル)。準備は渡航の1年前から始めるのが目安です。

  1. 1形とプログラムを決める:交換(団体)か私費(学校選び)かを最初に決める。
  2. 2出願・選考:交換は団体の選考、私費は成績・エッセイ・英語スコア等を提出。
  3. 3入学許可・SEVIS登録:受入れが決まったらSEVIS費用(I-901)を支払う(F-1 350ドル/J-1 220ドル)。
  4. 4ビザ面接(在日米国大使館・領事館):J-1またはF-1ビザを申請。
  5. 5渡航準備:海外保険・航空券・滞在先を確認して出発。

避けたい

「アメリカ留学」とだけ決めて、交換か私費かを曖昧にしたまま進める。

こうすればOK

最初に交換(J-1)か私費(F-1)かを決める。費用も学校選びの自由度も要件も、ここで大きく分かれる。

避けたい

交換留学で学校や地域を選べる前提で計画する。

こうすればOK

交換は受入れ先を選べない。学校・地域にこだわるなら私費(F-1)を選ぶ。

学年暦とビザ——アメリカを選ぶときの制度の確認

POINT

国選びで最後に効くのは学年暦とビザの条件です。アメリカは8月下旬〜9月に学年が始まり、2セメスター制(1学期は約4〜5か月)。

出発の時期は現地の学年暦に合わせて決めます。日本の学年とのズレがあるため、「日本の何年生のいつ空けるか」と「現地の学年のどこに入るか」を並べて確認してください。学年の選び方は高校留学は何年生がいい?で整理しています。

アメリカ留学の制度面の確認事項(2026年時点の目安・必ず政府公式で確認)

項目内容
学年暦8月下旬〜9月に学年が始まり、2セメスター制(1学期は約4〜5か月)
就学とビザ現地校に正規生として通う場合は期間の長短にかかわらず学生ビザ(交換留学はJ-1、私費はF-1)が必要。ESTAで認められるのは単位にならないレクリエーション目的の受講まで
未成年の受け入れJ-1は派遣団体(スポンサー)がDS-2019を発行。F-1で公立校に通う場合は通算12か月までなどの制限がある。ビザ申請料(MRV)185ドル+SEVIS費はJ-1が220ドル・F-1が350ドル
単位認定日本の高校は外国の高校での学修を36単位を上限に認定できる(学校教育法施行規則第93条第2項)。認定するかは在籍校の判断

ビザ・渡航認証の制度と料金は改定が多いため、渡航前に必ず各国政府の公式情報で確認してください。期間によって必要な手続きが変わる点はターム留学とはでも整理しています。単位認定の確認事項は高校留学の単位認定にチェックリストがあります。

アメリカが向いている家庭・慎重に考えたい家庭

POINT

国選びは「良い国かどうか」ではなく目的と条件が噛み合うかで決まります。以下に当てはまるかで判断してください。

相性の見極め

観点向いている慎重に考えたい
目的交換留学(J-1)なら費用を抑えやすい/多様な環境で鍛えられたい学校や地域を自分で選びたい(交換留学では選べない)/単位認定を確実にしたい
費用総額の目安を出して、無理のない範囲に収まる総額を「学費だけ」で見積もっている
期間現地の学年暦に合わせて出発時期を決められる日本の都合だけで時期を決めたい
学校との関係在籍校が単位認定・在籍の扱いに前向き認定が得られず進級に影響しそう
本人の状態生活の自立ができ、困ったら相談できる初めての海外で長期は不安(まず短期を試す選択も)

不安が大きい場合は、いきなり1年ではなく短期や1学期から段階を踏む方法もあります(高校生の短期留学ガイドターム留学とは)。保護者の不安の整理は子どもの留学、親が考える5つのことにまとめました。費用の全体像は高校留学の費用ガイドをご覧ください。

国を決める前に、在籍校の扱い(留学扱いか休学扱いか)と単位認定の見込みを確認してください。ここが決まらないと期間も時期も決められず、結果として国の選択もやり直しになります。確認事項は高校留学の単位認定にチェックリストの形でまとめています。

出発までの段取り(アメリカの場合)

POINT

手続きは在籍校の確認 → 派遣先の決定 → ビザ → 渡航準備の順に進みます。ビザや学校の出願には期限があるため、逆算が必要です。

逆算スケジュールの目安

時期やること
渡航の1年〜1年半前在籍校に相談(留学扱いか休学扱いか/単位認定の見込み)。派遣団体・エージェントの情報収集
渡航の8〜12か月前派遣先・期間を決定。奨学金の募集時期を確認(学校を通した応募が必要な制度もある)
渡航の6〜8か月前出願・選考。合格後に費用の納入スケジュールを確認
渡航の3〜6か月前ビザ・渡航認証の準備。予防接種・健康診断。現地校が求める書類の取得
渡航の1〜3か月前航空券・保険の手配。現地校に依頼する証明書の段取りを確認
渡航直前帰国後の提出書類と期限を在籍校と確認。緊急連絡先を家族で共有

この順番のポイントは、在籍校の確認を最初に置くことです。単位認定や在籍の扱いが決まらないまま派遣先を決めると、期間や時期をやり直すことになります。奨学金の締切は渡航の前年から始まるため、並行して確認してください(高校生の留学奨学金ガイド)。

まとめ:まず「交換か私費か」を決める

アメリカ高校留学は選択肢が最も豊富な分、まず「交換留学(J-1)か私費留学(F-1)か」を決めることが出発点です。費用を抑えて異文化交流なら交換、学校を選んで卒業・進学なら私費。次はアメリカ高校留学の費用で総額を具体化し、留学タイプ診断で自分に合う形を確認しましょう。

Q.アメリカの交換留学と私費留学はどう違いますか?

交換留学(J-1)は公立高校に通い、授業料・滞在費が原則無償で年150〜200万円と安い一方、学校や地域は選べず継続もできません。私費留学(F-1)は主に私立で学校を自由に選べますが費用は高く、ボーディングで年500〜900万円が目安です。目的が異文化交流なら交換、卒業・進学なら私費が向きます。

Q.アメリカの高校留学はいくらかかりますか?

交換留学(J-1)なら渡航費・保険を含めても年約150〜200万円が目安です。私費留学(F-1)は学校により幅があり、私立・ボーディングでは年500〜900万円ほど。学校のランクや地域で大きく変わります。詳しくはアメリカ高校留学の費用の記事で解説しています。

Q.交換留学では学校や地域を選べますか?

基本的に選べません。交換留学(J-1)は受入れ先をプログラムが決めるため、都市や学校の指定はできないのが一般的です。学校や地域にこだわりたい場合は、私立に通う私費留学(F-1)を選びましょう。

Q.どのくらいの英語力が必要ですか?

交換留学は英検2級(ELTiS 215点)ほどが目安です。私立(私費)は学校のレベルにより英検3級〜1級(ELTiS 180〜240点)と幅があります。交換でも現地の生徒と交流するには一定の英語力が必要なので、出発前に基礎を固めておくと安心です。

Q.ビザやSEVIS費用とは何ですか?

交換はJ-1、私費はF-1の学生ビザが必要です。いずれも申請料(MRV 185ドル)のほかにSEVIS費用(I-901/留学生情報システムの登録料)がかかり、F-1が350ドル、J-1が220ドルです(2019年6月24日の改定以降の額)。なお、F-1で公立の中等学校に通える期間は通算12か月までという制限があります(移民国籍法214条(m))。制度や金額は改定されることがあるため、米国国務省・移民局の最新情報を確認してください。窓口選びは高校生の留学エージェントの選び方も参考にしてください。

LINEで留学準備の最新情報をお届け

記事の更新情報や、留学準備に役立つ情報をLINEでお届けします。