このページの要点
1年間の高校留学は、在籍校の最大36単位まで単位認定でき、休学せず進級できる場合があります(文部科学省の制度)。
- 制度上の上限は36単位:学校教育法施行規則の改正で、2010年4月に30→36単位へ拡大された。
- 認定するかは校長の判断:36は「上限」で自動ではない。何単位・どの科目を認めるかは在籍校次第。
- 早めの相談が必須:認定を確実にするには、留学前に在籍校へ確認し、必要書類(厳封の成績証明等)を準備する。
「留学すると単位や進級はどうなるのか」は、保護者が最初に抱く心配の一つです。制度の枠組みと、認定を確実にするための流れを知っておけば、留年などのリスクを避けられます。この記事で仕組みを整理します。留学全体の見取り図は高校留学の完全ガイドもご覧ください。
出典:文部科学省「学校教育法施行規則第93条第2項」(外国の高等学校における履修を高等学校の履修とみなし、36単位を超えない範囲で単位修得を認定できる)。2010年(平成22年)4月の改正で上限が30単位から36単位に拡大。認定の運用・必要書類は在籍校ごとに異なるため、必ず在籍校でご確認ください(2026年7月時点)。
単位認定の仕組み(最大36単位)
POINT
文部科学省の制度により、留学中の学修を在籍校の履修とみなし、最大36単位まで認定できます。これは高校1学年分の単位数にほぼ相当します。
文部科学省は学校教育法施行規則を改正し、2010年4月から、外国の高等学校での履修を在籍校の履修とみなし、最大36単位まで単位修得を認定できると定めています(第93条第2項)。この36単位は高校1学年で修得する単位数にほぼ相当するため、制度が整っていれば、1年間の留学でも学年を遅らせずに進級・卒業できる道があります。交換留学も私費留学も高校生の正規留学であるため、どちらも認定の対象です。
「上限」であって、自動的に認定されるわけではない
POINT
36単位はあくまで上限。実際に認定するか、何単位・どの科目を認めるかは在籍校(校長)の判断です。ここを誤解すると帰国後に想定と違うことになります。
注意したいのは、36単位が「上限」であり、全員が自動的に満額認定されるわけではない点です。実際に認定され、休学せず進級できるかどうかは在籍校の判断になります。認定される科目が細かく決まっている場合もあります。だからこそ、留学前に在籍校へ「何単位・どの科目が認定されるか」を確認しておくことが欠かせません。認定を確実にする具体的な手続きは単位認定を確実に受ける方法で解説します。
単位が認定されやすい/されにくい傾向(在籍校の判断による)
| 認定されやすい傾向 | 認定されにくい傾向 |
|---|---|
| 現地の高校でアカデミック科目を履修 | 語学(ESL)中心で履修単位が少ない |
| 自分の学年レベルの科目を履修 | 学年レベルに合わない科目が中心 |
| 厳封・所定様式の証明書を提出 | 証明書が様式不備・未厳封で受理されない |
| 出発前に在籍校へ相談・条件確認 | 扱いや条件を確認しないまま出発 |
単位認定までの流れ
POINT
「留学先の制度を調べる → 在籍校に相談する → 現地で適切に履修する → 帰国後に証明書を提出する」が基本の流れ。最重要は出発前の在籍校への相談です。
- 1留学先の教育制度を調べる:国によって高校課程は日本と異なるため、早めに情報を集める。
- 2在籍校に事前相談する(最重要):1年留学を含めて3年で卒業したいなら、出発前に在籍校へ確認する。
- 3大学受験も見据えて計画する:現地のカリキュラムは日本の受験対策に沿わないことが多いので、帰国後の受験計画も踏まえる。
- 4帰国後に証明書を提出する:現地校の成績証明書・単位修得証明書を在籍校へ提出する。
必要書類の注意点(厳封・様式)
POINT
単位認定には現地校の成績・単位修得証明書が必要です。書類は「厳封」や様式の要件があり、不備だと受理されないことも。事前に在籍校へ確認しましょう。
帰国後の単位認定では、現地校が発行する成績証明書・単位修得証明書を在籍校に提出するのが一般的です。これらの書類には形式面の注意があり、発行元で厳封されていないものは受理されない、独自様式で必要項目がないと受理できない、といったケースがあります。どんな書類が必要か、どの様式で用意するかは在籍校ごとに異なるため、出発前に教務・進路の担当へ確認しておくと安心です。
留年(学年の遅れ)を避けるには
POINT
留年を避けるには、留学を「留学扱い(単位認定して進級)」にしてもらう必要があります。これは校長の判断で決まるため、早めの相談が鍵です。
1年留学しても、単位が認定され「留学扱い」になれば、帰国後はもとの学年に進級できます。一方、単位認定されず「休学扱い」になると、帰国後は1学年下に戻ります。どちらになるかは校長の判断で、自分では選べません。留年を避けたい場合の具体策は高校留学で留年しないためにで詳しく解説しています。
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「単位が認定される」ことと「卒業できる」ことは別
POINT
36単位まで認定できる制度があっても、それだけで卒業が保証されるわけではありません。卒業には必要な単位数・必修科目の履修・出席の要件がそれぞれ定められているため、どこが埋まってどこが空くのかを学校と確認します。
留学中の学修が認定されると、その分は自校の単位として計上されます。ただし、日本の高校には卒業までに修得すべき単位数や、履修が求められる科目の区分があり、留学で得た単位がどの区分に充当されるかは学校の判断です。たとえば現地で選択した科目が日本の必修科目に対応しないと、帰国後に補習や追加履修が必要になることがあります。
「認定」で埋まるもの/別に確認が必要なもの
| 項目 | 留学の認定で埋まるか | 確認先・確認の仕方 |
|---|---|---|
| 単位数(合計) | 36単位を上限に認定されうる | 何単位を認定する見込みか、出発前に確認 |
| 必修科目の履修 | 科目の対応次第。埋まらない場合がある | どの科目に充当されるかを具体的に確認 |
| 出席日数・在籍期間 | 在籍の扱い(留学扱いか休学扱いか)で変わる | 学則・留学規程を確認 |
| 評定・成績 | 現地の成績をどう換算するかは学校の判断 | 調査書への記載方法まで確認しておく |
とくに大学入試で調査書や評定平均を使う場合、留学期間の成績がどう扱われるかは進路に直結します。あわせて高校留学と大学受験も確認してください。
認定が受けられない/間に合わない場合の選択肢
POINT
認定が難しいと分かったときも、進路が閉じるわけではありません。卒業時期を1年遅らせる、別の資格ルートを使う、留学の期間を調整するという3つの方向があります。
- 卒業を1年遅らせる:休学扱いになった場合の一般的な帰結。大学入試では年齢による不利は原則ないが、同級生と時期がずれる
- 高等学校卒業程度認定試験(高認)を使う:文部科学省が年2回実施している試験。合格すれば大学受験資格が得られる。出願時期や受験科目は年度によって変わるため、文部科学省の公式情報で確認する
- 留学の期間を短くする:1年ではなく1学期(ターム留学)にすれば、在籍校を離れる期間が短くなり認定・進級の調整がしやすい
3つ目の「期間を調整する」は、出発前なら最も現実的な手当てです。期間の刻み方によって制度の扱いが変わる点はターム留学とはで整理しました。留年の扱いそのものは高校留学で留年しないためにをご覧ください。なお、出席日数が足りていない状態から留学を考える場合は、籍をどうするかで単位認定の可否が変わります。4つのルートの違いは不登校の高校生が留学するときの学籍と単位で整理しています。
36単位という上限は、どこから来たのか
POINT
上限が36単位であることには経緯があります。2010年(平成22年)4月に30単位から36単位へ拡大され、1年間の留学でも認定でカバーしやすくなりました。
学校教育法施行規則第93条第2項は、校長が外国の高等学校における学修を自校の単位として認定できると定めており、その上限が36単位です。改正前は30単位で、1年間の留学分を認定しきれないケースがありました。拡大されたことで、1年留学でも卒業に必要な単位を積み上げやすくなっています。
ただし上限が増えたことと、実際に認定されることは別です。認定するかどうか、何単位認定するかは校長の判断で、判断材料になるのは現地校が発行する在籍・履修・成績の証明です。だからこそ、制度の数字を知るだけでなく、書類の段取りが要になります(留学の単位認定を確実に受ける手続き)。
出発前に確認する10項目(そのまま使えます)
POINT
単位認定は「聞き方」で結果が変わります。以下をそのまま在籍校に確認し、回答を書面かメールで残すのが確実です。
- 1留学に関する規程はありますか(あれば要件を教えてください)
- 2在籍の扱いは「留学扱い」「休学扱い」のどちらになりますか
- 3認定の見込み単位数は何単位ですか(上限は36単位)
- 4どの科目に充当される見込みですか(必修科目は埋まりますか)
- 5現地校からどの書類を、どの様式で取得すればよいですか(厳封は必要ですか)
- 6和訳は必要ですか。誰が作成しますか
- 7留学期間中の成績は調査書にどう記載されますか
- 8不在中の定期試験・課題・提出物はどう扱われますか
- 9帰国後の提出期限と、認定が決まる時期はいつですか
- 10認定されなかった場合、進級・卒業のためにどんな補い方がありますか
10項目のうち最後の2つは、聞きにくいけれど最重要です。認定されなかった場合の道筋が分かっていれば、留学そのものの判断ができます。手続きの実務は留学の単位認定を確実に受ける手続きにまとめました。
まとめ:制度を知り、出発前に在籍校へ相談する
高校留学の単位は、制度上は最大36単位まで認定でき、1年留学でも進級できる道があります。ただし認定するかは在籍校(校長)の判断で、科目条件や必要書類も学校ごとに異なります。留年を避けるためにも、出発前に在籍校へ「何単位・どの科目が認定されるか」「必要書類は何か」を確認しておきましょう。なお、卒業留学を選んで現地校を卒業し、そのまま海外大学へ進学する場合は、日本の単位認定にこだわらない進路設計もあります。次は単位認定を確実に受ける方法や留年しないための考え方を確認してください。また、この36単位の枠組みは通信制の課程でもそのまま使えます(学校教育法施行規則第101条第2項が第93条を適用除外にしていないため)。通信制を選ぶ場合に固有の論点は通信制高校で留学する方法にまとめています。
Q.高校留学で単位は何単位まで認定されますか?
文部科学省の制度により、在籍校の最大36単位まで認定できます(学校教育法施行規則第93条第2項)。これは高校1学年分にほぼ相当します。ただし36単位は上限で、実際に何単位認定されるかは在籍校の判断です。
Q.留学すれば必ず単位が認定されますか?
必ずではありません。36単位は上限であり、認定するか・何単位・どの科目を認めるかは在籍校(校長)の判断です。認定される科目が細かく決まっている場合もあるため、留学前に在籍校へ必ず確認してください。
Q.交換留学でも私費留学でも単位認定の対象ですか?
どちらも対象です。交換留学も私費留学も高校生の正規留学であるため、在籍校の判断で最大36単位まで認定できます。ただし認定の運用は学校ごとに異なります。
Q.単位認定にはどんな書類が必要ですか?
現地校が発行する成績証明書・単位修得証明書などが一般的です。書類は厳封や様式の要件があり、不備だと受理されないことがあります。必要書類と様式は在籍校ごとに異なるため、出発前に確認しておきましょう。
Q.単位認定されないと留年しますか?
単位認定されず「休学扱い」になると、帰国後は1学年下に戻ります(実質的な留年)。留年を避けるには「留学扱い」にしてもらう必要があり、これは校長の判断です。早めに在籍校へ相談することが大切です。
Q.いつ在籍校に相談すればいいですか?
留学を検討し始めた早い段階です。1年留学を含めて3年で卒業したい場合は、出発前に在籍校へ「留学扱いにできるか」「単位認定の条件」を確認しておく必要があります。
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