このページの要点

高校の交換留学は、団体が運営し授業料・滞在費が原則無償のため費用を抑えやすい留学です。ただし学校や地域は選べません。

  • 費用は抑えめ:授業料・ホームステイ滞在費が原則無償。渡航費・保険・ビザなどは自己負担。
  • 学校は選べない:受入れ団体が学校・滞在先を決定(国は選べる場合あり)。都市より郊外が多い。
  • 期間は原則1年・選考あり:延長や現地校卒業は基本不可。英語力・成績・欠席日数などの選考を通過する必要がある。

交換留学は「費用を抑えて異文化を体験したい」家庭に向く一方、学校を選びたい場合は私費留学が合います。この記事では交換留学の仕組み・費用・選考を整理し、私費留学との違いまで解説します。留学タイプ全体の見取り図は高校留学の完全ガイドもご覧ください。

本記事は留学団体・留学情報メディア・文部科学省の公開情報にもとづく一般的な傾向です(2026年7月時点)。費用・選考・単位認定の条件は団体・学校・年度で異なるため、各派遣団体の募集要項と在籍校で必ずご確認ください。

交換留学とは?まず仕組みを押さえる

POINT

交換留学は、国や民間団体が運営するプログラムで現地校に通う形。個人では手配できず、団体経由で参加します。異文化理解・国際交流が主な目的です。

交換留学は、国や民間の受入れ団体が運営するプログラムを通じて、現地の高校に通う留学です。個人では手配できないため、プログラムを提供する団体に依頼して参加します。たとえばアメリカの交換留学は国務省が実施団体を認可し、J-1ビザ(交流訪問者ビザ)で渡航します。期間は原則1年で、延長や現地校の卒業は基本的にできません。「異文化理解と国際交流」を主目的とした留学、と位置づけると分かりやすいでしょう。

交換留学・私費留学・認定留学の違い

POINT

費用を抑えたいなら交換留学、学校を選びたいなら私費留学が基本。「認定留学」は主に大学生の制度で、高校では交換と私費の2つで考えると分かりやすいです。

留学タイプの違い(高校の場合)

項目交換留学私費留学
学校・滞在先団体が決定(選べない)選考基準を満たせば選べる
費用授業料・滞在費が原則無償で抑えめ自己負担で高くなりやすい
期間原則1年(延長・卒業不可)1年〜卒業まで自由
選考英語力・成績などの選考あり学校の入学基準による
単位認定対象(在籍校の最大36単位)対象(在籍校の最大36単位)

「認定留学」という言葉は主に大学生の制度で使われ、在籍大学の協定校以外で取得した単位を認めてもらう仕組みを指します。高校では、交換留学・私費留学のどちらも在籍校の判断で単位認定される「正規留学」です。詳しい違いは交換留学・認定留学・私費留学の違いで整理しています。

費用はいくら?(授業料・滞在費は原則無償)

POINT

交換留学の参加費は概ね190〜250万円が目安。授業料・ホームステイ滞在費は原則無償ですが、渡航費・保険・ビザ・お小遣いなどは別途自己負担です。

交換留学は、ホストスクールの授業料とホームステイ滞在費・食事代(平日の昼食を除く場合あり)が原則無償のため、私費留学より費用を抑えられます。アメリカ交換留学(J-1)の参加費は、団体により概ね190〜250万円前後が中心です。ただし、渡航費(航空券)・海外保険・ビザ/SEVIS申請費・予防接種・お小遣いなどは含まれず、別途かかります。費用の内訳は高校交換留学の費用で詳しく解説します。総額の目安は費用シミュレーターでも試算できます。なお交換留学のホストファミリーは無償のボランティアであることが基本で、家庭の選ばれ方や滞在中の見守りの仕組みは高校留学のホームステイの仕組みで解説しています。

1年間の留学費用をその場で試算

国と留学タイプを選ぶだけで、学費・滞在費・渡航費を含む概算費用を試算できます。

選考と応募資格

POINT

交換留学は選考を通過する必要があります。英語力に加え、成績・欠席日数・健康・保護者の同意なども見られます。早めの英語対策が鍵です。

交換留学は「現地で生活しながら学ぶ」ことが前提のため、団体ごとに選考があります。英語力(独自の英語力診断や英検・TOEFLのスコア)に加え、学業成績・欠席日数・心身の健康・保護者の理解・国際交流への関心などが応募資格として挙げられます。オリエンテーションへの参加や書類の期限内提出も重要です。必要な英語力の目安は高校留学に必要な英語力を参考にしてください。

単位認定と帰国後の進級

POINT

1年間の交換留学は、在籍校の最大36単位まで認定でき、休学せず進級できる場合があります(文部科学省の制度)。ただし認定の可否は在籍校の判断です。

交換留学も正規留学のため、単位認定の対象です。文部科学省の制度により、1年間の留学は在籍校の最大36単位まで認められ、休学せず進級・卒業できる道があります。ただし、実際に認定され進級できるかは在籍校の判断です。留学を決めたら早めに担任・進路の先生に、認定の条件と必要書類を確認しておきましょう。帰国後の大学受験への活かし方は高校留学と大学受験で、交換留学で得た英語力を土台に海外の大学へ進む道は海外大学進学ガイドで解説しています。

交換留学が向いている人・向かない人

POINT

費用を抑えたい・異文化交流が目的なら交換留学向き。学校や地域にこだわりたい・卒業を目指すなら私費留学が向いています。

避けたい

都市部の特定の学校に通いたいのに、費用の安さだけで交換留学を選ぶ。

こうすればOK

学校や地域を選びたいなら私費留学を検討し、費用重視・異文化交流が目的なら交換留学を選ぶ。

交換留学は、留学先が本人の希望と合えば、単位も認定されやすく費用も抑えられる良い選択肢です。一方、学校や地域を選びたい、現地校の卒業を目指したい場合は私費留学が向きます。自分に合うタイプが分からない場合は、留学タイプ診断で整理してみてください。

自分に合う留学タイプを3分で診断

卒業・交換・認定・短期など、簡単な質問に答えるだけで目的に合う留学タイプがわかります。

ホストファミリーはどう選ばれているのか(米国J-1の場合)

POINT

保護者が最も不安に感じるのが「どんな家庭に預けるのか」です。米国の交換留学(J-1)では、受入家庭の審査手順が連邦規則で定められています(22 CFR 62.25)。

同規則では、受入家庭の選定にあたり、同居する家族全員との対面面接、家庭訪問、非親族2名以上からの地域推薦、18歳以上の同居者全員に対する犯罪歴の照会(性犯罪者情報の検索を含む)などが求められています。また、出国前に受入先を確定すること、1つの家庭が受け入れる交換留学生は原則2名までといった条件も定められています。

J-1交換留学で制度化されている受入れの仕組み(22 CFR 62.25)

項目定められている内容
家庭の審査同居家族全員との対面面接、家庭訪問、非親族2名以上の地域推薦、18歳以上の同居者の犯罪歴照会
受入れ人数1家庭が受け入れる交換留学生は原則2名まで
渡航前の確定出国前に受入家庭を確定する
留学中の確認団体は生徒と毎月連絡を取り、家庭とも毎月連絡。学期ごとに対面での確認
担当者の研修コーディネーターには紛争解決・児童の安全・不適切行為の通報手順の研修が求められる

つまり「困ったときに相談する」ことは制度の想定内です。エージェントの「厳正な審査をしています」という説明とは別に、制度としてこうした枠組みがあることを知っておくと、家庭の判断が落ち着きます。滞在先で問題が起きたときの動き方はホームステイが合わないときの対処にまとめました。

派遣団体をどう比べるか

POINT

交換留学は団体を選ぶことがほぼ全てです。学校や地域は選べないため、比較すべきは「配置の考え方」と「サポート体制」になります。

派遣団体の比較軸

比較軸確認する質問なぜ重要か
配置の考え方希望(地域・学校規模・気候)はどこまで考慮されるか選べないのが原則だが、考慮の範囲は団体で違う
現地サポート現地担当者は誰か。連絡頻度と、トラブル時の窓口問題が起きたときの初動が変わる
家庭変更の扱い変更は可能か。手続き・費用・所要期間契約前に確認しないと渡航後に選択肢が狭まる
費用の内訳参加費に何が含まれ、何が自己負担か「参加費=総額」ではない
奨学金団体経由で応募できる給付型があるか選考と一体で審査される制度がある
帰国後のサポート報告会・OBネットワーク・進路相談の有無留学経験を進路につなげやすい

費用の内訳と総額の考え方は交換留学の費用、団体経由で使える奨学金は高校生の留学奨学金ガイドで扱っています。

選考では何が見られるのか

POINT

交換留学の選考は、学力試験ではありません。「1年間、他人の家庭と地域で暮らせるか」を見る選考です。英語力より生活力と態度が重く見られます。

多くの団体では、書類選考・面接・語学の簡易テスト・保護者面談などを組み合わせて選考します。ここで見られるのは、異なる価値観に対する柔軟さ、生活習慣の自立度、困ったときに自分から相談できるか、そして家庭が制度を理解して協力できるかです。派遣は「日本を代表して家庭に迎えられる」性質を持つため、規律ある行動が取れるかも評価されます。

  • 自立度:身の回りのこと(洗濯・片付け・時間管理)を自分でできるか
  • 相談できるか:問題を抱え込まず、窓口に事実を伝えられるか
  • 柔軟さ:食事・生活ルール・家族との距離感の違いを受け入れられるか
  • 目的の言語化:なぜ行きたいのかを自分の言葉で言えるか
  • 家庭の理解:費用・連絡ルール・トラブル時の対応を保護者が把握しているか

逆に落ちやすいのは、英語力が足りないケースよりも「保護者が全部答えてしまう」「不都合な条件(学校を選べない等)を受け入れられない」といったケースです。応募前に家庭で条件を確認しておくことが、結果的に選考の通過にもつながります。

まとめ:費用と自由度のどちらを取るか

交換留学は、授業料・滞在費が原則無償で費用を抑えられる一方、学校や地域は選べず、期間は原則1年です。選考を通過する必要があり、単位認定は在籍校の判断になります。費用重視・異文化交流が目的なら交換留学、学校選びや卒業にこだわるなら私費留学、と目的で選びましょう。次は交換留学・認定留学・私費留学の違い交換留学の費用を確認してください。

Q.交換留学と私費留学の一番の違いは何ですか?

学校や滞在先を選べるかどうかです。交換留学は受入れ団体が学校を決めるため選べませんが、授業料・滞在費が原則無償で費用を抑えられます。私費留学は学校や地域を選べる一方、費用は自己負担で高くなりやすいです。

Q.交換留学の費用はいくらくらいですか?

アメリカ交換留学(J-1)の参加費は、団体により概ね190〜250万円前後が目安です。授業料・ホームステイ滞在費は原則無償ですが、渡航費・保険・ビザ・予防接種・お小遣いなどは別途自己負担になります。

Q.交換留学は学校や国を選べますか?

国は選べる場合もありますが、学校や滞在先は受入れ団体が決めるため選べないのが一般的です。都市部より郊外になることも多く、「どこに行くか」を選びたい場合は私費留学が向いています。

Q.交換留学に選考はありますか?

あります。英語力(英語力診断や英検・TOEFL)に加え、成績・欠席日数・健康・保護者の同意・国際交流への関心などが見られます。英語対策には時間がかかるため、早めの準備が大切です。

Q.交換留学でも単位は認定されますか?

対象です。1年間の交換留学は、在籍校の最大36単位まで認定でき、休学せず進級できる場合があります(文部科学省の制度)。ただし認定・進級の可否は在籍校の判断のため、出発前に必ず確認してください。

Q.交換留学で現地の高校を卒業できますか?

基本的にはできません。交換留学は期間が原則1年に限定され、延長や現地校の卒業はできないことが多いです。現地校の卒業を目指す場合は、私費の卒業留学を検討しましょう。

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