このページの要点
IBの高校はDP実施が全国で約80校。日本語DPでも6科目中2科目は英語等で履修が必要です。
- 選べる学校が限られます。 文部科学省IB教育推進コンソーシアムの一覧では、DPを実施しているのは一条校50校・それ以外29校・国外1校。通える範囲にあるかどうかが最初の制約になります。
- 「日本語DP」は全科目を日本語で学べる制度ではありません。 文部科学省は「日本語DPでも、6科目中2科目(通常、グループ2(外国語)に加えて更に1科目)は、英語等で履修する必要」と明記しています。
- 日程が独特です。 日本の一条校の場合、最終試験は原則として3年次の11月、最終スコアの通知は翌年の1月5日。国内の一般入試とどう組み合わせるかを、高2の段階で決めておく必要があります。
国際バカロレア(IB)は、海外に出さずに国際的な大学入学資格を取れる選択肢として関心が高まっています。ただし情報の多くはIB塾やインターナショナルスクールの発信で、「英語力が伸びる」「海外大学に強い」といった効用が中心です。保護者が本当に知りたいのは、通える学校があるのか、日本語でどこまでやれるのか、日本の大学受験とどう両立するのかでしょう。この記事では、文部科学省IB教育推進コンソーシアムの公表値と、学校教育法施行規則・告示の原文をもとに、IBの高校を選ぶ前に押さえるべき事実を整理します。
結論:IBは「近くに学校があるか」でほぼ決まる
POINT
IBを検討するとき、最初の関門はカリキュラムの相性ではなく学校の数です。DPを実施している高校は全国で約80校しかありません。
文部科学省IB教育推進コンソーシアムによると、IBの認定を受けている学校は令和8年3月時点で世界162の国と地域に約6,000校、日本国内の認定校等数は265校(令和8年3月31日時点)です。ただしこの265校はPYP(初等)・MYP(中等)・DP(ディプロマ)・CP(キャリア関連)をプログラム単位で数えた数で、同コンソーシアムは「IB機構が公表している校数とは異なります」と注記しています。
国内のIB認定校等数(文部科学省IB教育推進コンソーシアム・令和8年3月31日時点)
| プログラム | 対象 | 認定校 | 候補校 |
|---|---|---|---|
| PYP(初等教育プログラム) | 3〜12歳 | 90校 | 32校 |
| MYP(中等教育プログラム) | 11〜16歳 | 47校 | 11校 |
| DP(ディプロマ・プログラム) | 16〜19歳=高校段階 | 79校 | 4校 |
| CP(キャリア関連プログラム) | 16〜19歳 | 1校 | 1校 |
高校段階に当たるのがDPです。同コンソーシアムの学校一覧を見ると、DP欄に印がある学校は一条校50校・一条校以外29校・国外1校で、合計80校になります。冒頭の「DP認定79校+候補校4校=83校」とは一致しませんが、これは一覧が候補校を含むかどうかや、掲載に学校の同意を要する旨の注記があるためと考えられます(当サイトによる集計)。正確な校数より、「全国で80校前後」という桁を押さえるほうが実務的です。
認定校・候補校の状況は随時変わります。最新の一覧は文部科学省IB教育推進コンソーシアムの「IB認定校・候補校」ページでご確認ください。また同コンソーシアムは、IB認定校が一条校・各種学校・専修学校・認定こども園・認可保育園・認可外保育施設・在外教育施設・無認可施設に大別されるとし、「どの種別に該当するかは、当該認定校にお問合せください」としています。
最初の分岐は「一条校か、それ以外か」
POINT
同じDPでも、一条校(学校教育法第1条の学校)とインターナショナルスクール等では、日本語で学べる範囲も卒業資格も変わります。ここが最大の分岐点です。
コンソーシアムの一覧の合計行を読むと、この違いが数字で見えます。一条校は94校のうち日本語DP実施校が39校、一条校以外の国内校は72校のうち日本語DP実施校が2校。つまり日本語DPは、ほぼ一条校でだけ行われているということです。
一条校と一条校以外の違い(校数は文部科学省IB教育推進コンソーシアム一覧の合計行・令和8年3月31日時点)
| 項目 | 一条校 | 一条校以外(インターナショナルスクール等) |
|---|---|---|
| 掲載校数(全プログラム) | 94校 | 72校 |
| うち日本語DP実施校 | 39校 | 2校 |
| DP欄に印がある学校 | 50校 | 29校 |
| 日本の高校卒業資格 | 取得できる(学校教育法第1条の学校) | 原則として取得できない(種別は各校に要確認) |
| 学習指導要領 | IBと学習指導要領の双方を満たす必要がある | 適用されない |
| 授業言語 | 日本語DP実施校なら一部科目を日本語で履修できる | 原則として英語等 |
一条校がIB認定校になる難しさについて、コンソーシアムは「学校教育法第1条で規定する学校が国際バカロレアの認定校になるためには、学校教育法等関係法令と国際バカロレア機構の定める教育課程の双方を満たす必要があります」と書いています。この負担を軽くするために、平成27年8月に学校教育法施行規則が改正され、DP認定校については「国際バカロレアと学習指導要領の双方を無理なく履修できるよう」教育課程の基準の特例が認められました(文部科学省告示第百二十七号)。制度として手当てされてはいますが、二つの体系を同時に満たす構造そのものは変わりません。
避けたい
「IB校」という括りで学校を比べる
こうすればOK
一条校かどうかを最初に確認する。日本の高校卒業資格が要るか、日本語で学べる科目が要るかで、そもそも見るべき学校群が変わる
避けたい
パンフレットの「IB認定校」という表記だけで判断する
こうすればOK
どのプログラムの認定か(PYP/MYP/DP/CP)と、認定校か候補校かを確認する。DPを実施していない認定校もある
DPの中身 — 6グループ+コア3、45点満点で24点以上
POINT
DPは2年間のプログラムです。6つの教科群から1科目ずつ選び、加えて3つの必修要件(コア)を並行して履修します。合否ではなく点数で評価されます。
DPは16〜19歳を対象とし、所定のカリキュラムを2年間履修して最終試験を経ると、国際的に認められる大学入学資格(国際バカロレア資格)が取得できます。カリキュラムは6つのグループ(教科)と、コアと呼ばれる3つの必修要件で構成されます。
DPのカリキュラム構成(文部科学省IB教育推進コンソーシアム「IBのプログラム(DP/CP)」より)
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| グループ1 | 言語と文学(母語)=言語A:文学/言語A:言語と文学 ほか |
| グループ2 | 言語習得(外国語)=言語B/古典言語/初級言語 |
| グループ3 | 個人と社会=地理、歴史、経済、ビジネスと経営、哲学、デジタル社会、心理学、グローバル政治 ほか |
| グループ4 | 理科=生物、化学、物理、コンピュータ科学、デザインテクノロジー ほか |
| グループ5 | 数学=数学:解析とアプローチ/数学:応用と解釈 |
| グループ6 | 芸術=音楽、美術、ダンス、フィルム、演劇 ほか(他グループの科目に代替可) |
| コア(必修) | TOK(知の理論)/EE(課題論文)/CAS(創造性・活動・奉仕) |
6科目のうち3〜4科目を上級レベル(HL・各240時間)、残りを標準レベル(SL・各150時間)として学習します。仮にHL3科目・SL3科目で組むと、2年間で1,170時間。ここにコアが加わります。EE(課題論文)は「4,000語(日本語の場合は8,000字)の論文」にまとめる個人研究です。一条校の場合は、これを学習指導要領の履修と並行して行うことになります。
評価は45点満点です。6科目につき各7点(計42点)、さらにTOKとEEの評価結果の組み合わせに応じて最大3点が加わります(CASは評価対象外)。国際バカロレア資格の取得には、カリキュラムを全て履修したうえで原則として24点以上を取ることが必要です。合否ではなく点数で出るため、目標大学が求めるスコアから逆算するという受験設計になります。
最大の実務論点 — 試験は3年次11月、スコア通知は翌年1月5日
POINT
この章が学校選びと受験計画を左右します。IBの試験日程は日本の入試カレンダーと独立して動くため、両立の設計を先にしておく必要があります。
コンソーシアムは「国際バカロレア試験は、南半球と北半球の学校年度に対応できるよう、年2回、世界で一斉に実施されます。日本の一条校の場合は、原則として3年次の11月に実施され、翌年の1月5日に最終スコアが通知されます」と明記しています。
この2つの日付が意味するところを、保護者の視点で分解します。3年次11月に最終試験があるということは、高3の秋がIBの山場になるということです。日本の一般入試に向けた追い込みの時期と完全に重なります。そして最終スコアが出るのは翌年1月5日。国内大学の総合型選抜や学校推薦型選抜の多くは、これより前に出願・選考が進みます。
IBの日程と、日本の大学入試のおおまかな関係
| 時期 | IB側 | 国内入試側で起きていること |
|---|---|---|
| 高3の9〜11月 | 最終試験(原則11月) | 総合型選抜・学校推薦型選抜の出願と選考が進む |
| 高3の12月 | 試験終了後の期間 | 共通テストの直前期 |
| 翌年1月5日 | 最終スコアの通知 | 共通テスト(1月中旬)の直前 |
| 1〜3月 | スコアを用いた出願・手続き | 国公立の個別試験・私立の一般選抜 |
したがって現実的な選択は、①最終スコアが出る前でも出願できる方式(予測スコアを使う入試や、海外大学の出願)を軸にするか、②スコア確定後に間に合う方式を選ぶかのどちらかになります。海外大学の出願は予測スコア(Predicted Grades)を用いる運用が一般的なので、この日程と相性がよい面があります。国内一般入試との併願を考えるなら、高2の段階で「どの方式で受けるか」を学校と決めておくことが不可欠です。
避けたい
「IBをやりながら国内の一般入試も普通に受ければいい」と考える
こうすればOK
3年次11月に最終試験があるという前提で年間計画を引く。一般入試との併願は不可能ではないが、追い込み時期が重なることを織り込んで科目数と志望校を決める
避けたい
国内大学の総合型選抜に、確定スコアで出願するつもりでいる
こうすればOK
スコア通知は翌年1月5日。それより前に締め切る方式では確定スコアを使えない。予測スコアで出願できるか、志望校の募集要項で確認する
進路の方向性を整理する
IBを選ぶか、海外の高校に出るか、国内で国際系の進路を取るか。いくつかの質問に答えるだけで、ご家庭の状況に近い進路のタイプを整理できます。
「日本語DP」で、どこまで日本語で学べるのか
POINT
日本語DPは日本独自の仕組みですが、全科目を日本語で学べる制度ではありません。文部科学省が範囲を明示しています。
DPの授業と試験は、原則として英語・フランス語・スペイン語で行われます。そこで文部科学省は平成25年度から国際バカロレア機構と協力し、DPの一部科目を日本語でも実施可能とする「日本語DP(DLDP)」の開発・導入を推進してきました。日本語で実施可能な科目等として挙げられているのは次のとおりです。
- グループ1(言語と文学):言語A:文学/言語A:言語と文学
- グループ3(個人と社会):経済、地理、歴史
- グループ4(理科):生物、化学、物理
- グループ5(数学):数学:解析とアプローチ、数学:応用と解釈
- グループ6(芸術):音楽、美術
- コア:知の理論(TOK)、課題論文(EE)、創造性・活動・奉仕(CAS)
ここで見落とされがちなのが、文部科学省が付けている但し書きです。「※ただし、日本語DPでも、6科目中2科目(通常、グループ2(外国語)に加えて更に1科目)は、英語等で履修する必要」。つまり日本語DPでも、最低2科目は英語等で学び、その言語で評価を受けます。「日本語でIBが取れる」は正しいのですが、「全部日本語でできる」は誤りです。
リストを見ると、日本語で実施できないグループが分かります。グループ2(言語習得=外国語)は当然として、グループ3・4・6にも日本語対象外の科目があります。どの科目を英語等で履修することになるかは学校の開講科目によって決まるため、学校見学では「日本語DP実施校ですか」ではなく「6科目のうち、どの2科目を英語で履修することになりますか」と聞くのが正確です。
取得したIB資格は、日本と海外でどう使えるか
POINT
国際バカロレア資格は、日本では法令上の大学入学資格として認められています。そのうえで、スコアを入試で活用する大学が全国に広がっています。
根拠は法令にあります。学校教育法施行規則第150条は、大学入学に関し高等学校卒業者と同等以上の学力があると認められる者を定めており、その第4号が「文部科学大臣の指定した者」。これを具体化した昭和23年文部省告示第47号の第二十号が、「スイス民法典に基づく財団法人である国際バカロレア事務局が授与する国際バカロレア資格を有する者」と規定しています。IB資格を持てば、日本の高校を卒業していなくても大学入学資格が認められるということです。
そのうえで、スコアを実際に入試で使えるかは大学ごとに異なります。コンソーシアムが公表している「日本における国際バカロレアを活用した大学入試が可能な大学」(令和7年1月時点)の一覧を当サイトで集計したところ、82大学(国立27・公立9・私立46)が掲載されていました。東京大学・京都大学・大阪大学・名古屋大学・九州大学・東北大学・北海道大学などの国立大学から、慶應義塾大学・早稲田大学・上智大学・国際基督教大学などの私立大学まで含まれます。
IB資格・スコアの使われ方(文部科学省IB教育推進コンソーシアム「IBを活用した入試」より)
| 場面 | 扱い |
|---|---|
| 日本の大学入学資格 | 国際バカロレア資格を有する者に入学資格が認められる(学校教育法施行規則第150条第4号/昭和23年文部省告示第47号第二十号) |
| 日本の大学入試 | 多くの大学で総合型選抜や帰国生特別選抜等の出願資格の一つとして募集要項に明記。スコアとともに小論文・面接などを総合して選抜する例が見られる。令和7年1月時点の一覧で82大学(当サイト集計) |
| 英国の大学 | 中央機関(UCAS)がIBやAレベル等のスコアの統一的な換算表を作成し、各大学が入学オファーを行う際の目安として活用 |
| 米国の大学 | 共通試験や高校の成績等を総合的に評価するなかで、選抜制の高い大学等でIBの履修を推奨または積極的に考慮するケースが多い |
| 入学後の特典 | HL(上級レベル)で一定の得点を取得した生徒に、相当する科目の履修免除(単位認定)等の特典を付与するケースが多く見られる |
最後の行は費用面で効いてきます。HLの得点次第で入学後の単位が認定されれば、在学期間や履修科目数が減る=学費が下がる可能性があるということです。海外大学の学費水準は国によって大きく違うため、この効果の大きさも国によります。国別の費用感は海外大学の費用が安い国で整理しています。
学校見学で確認する8つのこと
POINT
IB校の説明会では理念の話が中心になりがちです。判断に必要なのは、運用と日程と費用の具体です。
- 1一条校ですか。 日本の高校卒業資格が同時に取れるかどうかが変わります。
- 2DPの認定校ですか、候補校ですか。 候補校の場合、お子さんの学年で認定が間に合うかを確認します。
- 3日本語DP実施校ですか。実施校の場合、6科目のうちどの2科目を英語等で履修することになりますか。
- 4DPは何年次から始まりますか。 DPは2年間のプログラムなので、高2からの開始が基本です。高1で何をするかも聞いておきます。
- 5開講科目は何ですか。 6グループから1科目ずつ選ぶため、志望分野に必要な科目(例:理系ならグループ4のどの科目)が開講されているかを確認します。
- 6HLは何科目まで選べますか。 HLは各240時間。志望校が求めるHL科目と一致するかを見ます。
- 7最終試験と国内入試をどう両立させていますか。 過去の卒業生がどの方式で受験したか、予測スコアでの出願実績があるかを聞きます。
- 8費用はいくらかかりますか。 学費に加えて、IBの登録料・試験料・教材費などが別途必要になる場合があります。何が学費に含まれ、何が別なのかを一覧でもらいます。
費用については、本記事では金額を示していません。学費もIBの登録料・試験料も学校と年度によって異なり、一次情報として確認できる統一的な公表値がないためです。必ず各校の募集要項と、国際バカロレア機構の公式情報でご確認ください。
向いている家庭・慎重に考えたい家庭
POINT
IBは優れたプログラムですが、すべての家庭に合うわけではありません。学習量と日程の制約を受け入れられるかが分かれ目です。
IBを選ぶかどうかの判断軸
| 観点 | 向いている | 慎重に考えたい |
|---|---|---|
| 進路の方向 | 海外大学進学を軸に置いている/国内でもIB活用入試を狙う | 国内一般入試が本命で、共通テスト対策に集中したい |
| 学習スタイル | 論文・探究・プレゼンなど、書いて考える課題が苦にならない | 問題演習の反復で伸びるタイプで、EE(8,000字)やCASの負担が読めない |
| 通学 | DP実施校が通学圏にある/寮のある学校を検討できる | 近隣にDP実施校がなく、転居や寮生活が現実的でない |
| 語学 | 英語等で2科目以上を履修する前提を受け入れられる | 全科目を日本語で学べると考えている |
| 日程 | 3年次11月の最終試験を軸に受験計画を立てられる | 国内の一般入試と同じスケジュール感で走りたい |
通学圏にDP実施校がない場合、寮のある学校という選択肢もあります。国内の全寮制の学校にはIBを提供しているところが含まれるため、日本のボーディングスクール一覧もあわせてご覧ください。また、IBを取らずに国内で国際的な学びを選ぶ道として大学の国際系学部があり、その見分け方は国際系学部の選び方に整理しています。
その先の進路 — 海外大学進学との関係
POINT
IBは海外大学進学と相性がよい制度ですが、IBを取れば出願準備が終わるわけではありません。
英国の大学はUCASがIBとAレベル等の統一的な換算表を作成しており、各大学がIBのスコアを入学オファーの目安として使っています。英国型の出願では、IBのスコアが要求水準に届くかがそのまま合否に直結する構造です。一方、米国の大学は共通試験や高校の成績等を総合的に評価するなかでIBの履修を積極的に考慮する、という位置づけになります。同じIBでも、英国型と米国型では効き方が違うということです。
つまりIBは出願の材料の一つであって、エッセイ・推薦状・課外活動・英語スコアといった他の要素が不要になるわけではありません。国ごとの選考思想の違いと出願の実務は海外大学の出願ガイドに、準備の全体像は海外大学進学ガイドにまとめています。海外の高校に出る選択肢と比べたい場合は高校留学ガイドもご覧ください。
まとめ:理念より先に、学校数と日程を確認する
IBを検討するとき、最初に確かめるべきは教育理念ではなく通える範囲にDP実施校があるかです。文部科学省IB教育推進コンソーシアムの一覧では、DP欄に印がある学校は一条校50校・それ以外29校・国外1校で、全国で約80校。しかも一条校とインターナショナルスクール等では、日本の高校卒業資格の有無も授業言語も変わります。
次に確認すべきが日本語DPの範囲です。日本語DP実施校は一条校94校中39校、一条校以外は72校中2校。そして文部科学省は「日本語DPでも、6科目中2科目(通常、グループ2(外国語)に加えて更に1科目)は、英語等で履修する必要」と明記しています。学校には「日本語DPですか」ではなく「どの2科目を英語で履修しますか」と聞いてください。
そして日程です。日本の一条校では最終試験が原則3年次の11月、最終スコアの通知が翌年1月5日。国内の総合型選抜の多くはこれより前に締め切り、共通テストは通知の直後に来ます。だから「IBをやりながら一般入試も」ではなく、予測スコアで出願する方式を軸にするのか、確定スコアで間に合う方式にするのかを高2までに決める必要があります。
取得したIB資格は、学校教育法施行規則第150条第4号と昭和23年文部省告示第47号第二十号により日本の大学入学資格として認められ、令和7年1月時点で82大学がスコアを活用した入試を実施しています(当サイト集計)。制度としての受け皿は整っています。あとは、通える学校があるか、英語で2科目を学ぶ前提を受け入れられるか、11月の試験を軸に計画を引けるか。この3点が揃うなら、IBは有力な選択肢になります。
Q.日本語DPなら、すべての科目を日本語で学べますか?
いいえ。文部科学省は「日本語DPでも、6科目中2科目(通常、グループ2(外国語)に加えて更に1科目)は、英語等で履修する必要」と明記しています。日本語で実施可能なのは、言語A(文学/言語と文学)、経済、地理、歴史、生物、化学、物理、数学(解析とアプローチ/応用と解釈)、音楽、美術、TOK、EE、CASです。どの2科目を英語等で履修することになるかは学校の開講科目によって決まるため、学校見学で個別に確認してください。
Q.IBの高校は全国にどれくらいありますか?
文部科学省IB教育推進コンソーシアムの公表値では、国内のIB認定校等数は265校(令和8年3月31日時点)で、うち高校段階に当たるDPは認定校79校・候補校4校です。同コンソーシアムの学校一覧でDP欄に印がある学校を数えると、一条校50校・一条校以外29校・国外1校の計80校でした(当サイト集計)。公表値と一覧で数が一致しないのは、一覧が候補校を含むかどうかや掲載に学校の同意を要することによると考えられます。「全国で80校前後」という桁で押さえてください。
Q.IBを取ると、日本の大学は受験できなくなりますか?
そんなことはありません。国際バカロレア資格は学校教育法施行規則第150条第4号と昭和23年文部省告示第47号第二十号により、日本の大学入学資格として認められています。さらに令和7年1月時点で82大学(国立27・公立9・私立46)がIBのスコアを活用した入試を実施しています(同コンソーシアムの一覧を当サイトで集計)。ただし最終スコアの通知が翌年1月5日である点は要注意です。それより前に締め切る方式では確定スコアを使えないため、予測スコアで出願できるかを志望校の募集要項で確認してください。
Q.IB資格を取るには何点必要ですか?
45点満点中、原則として24点以上です。配点は6科目につき各7点(計42点)で、これに必修要件のTOKとEEの評価結果の組み合わせに応じて最大3点が加わります(CASは評価対象外)。ただし24点は資格取得の下限であり、志望する大学が求める水準は別です。とくに英国の大学はUCASの換算表をもとに入学オファーの条件としてスコアを指定するため、志望校の要求スコアから逆算して科目とレベル(HL/SL)を決めるのが実務になります。
Q.一条校のIB校とインターナショナルスクールのIB校は、何が違いますか?
大きく3点です。①日本の高校卒業資格:一条校なら取得できますが、それ以外は原則として取得できません(種別は各校に要確認)。②学習指導要領:一条校はIBと学習指導要領の双方を満たす必要があり、そのために平成27年8月から教育課程の基準の特例が設けられています(文部科学省告示第百二十七号)。③授業言語:日本語DP実施校は一条校94校中39校に対し、一条校以外は72校中2校。日本語DPはほぼ一条校でだけ行われています。
Q.DPは高校何年生から始まりますか? 途中から入れますか?
DPは16〜19歳を対象とした2年間のプログラムなので、日本の高校では高2からの開始が基本です。したがって高1の段階で入学しておく設計になります。ただし学校ごとに高1で何を学ぶか(MYPを実施しているか、独自の準備課程か)は異なります。候補校の場合は、お子さんが該当学年になるまでに認定が間に合うかも確認が必要です。DPの開始学年と高1のカリキュラムは、学校見学で必ず聞いてください。
確認した内容を、家族で共有できる形にしておく
開講科目・日本語DPの範囲・試験日程・費用は学校ごとに答えが変わります。LINEで進路と海外進学の情報を受け取りながら、ご家庭で確認した内容を整理する材料にお使いください。







