このページの要点

IELTSは4技能を1〜9のバンドで測る英語試験で、日本では2026年にコンピューター版へ一本化されます。

  • 形式:Listening(40問・約30分)、Reading(40問・60分)、Writing(2問・60分)、Speaking(11〜14分)の4技能。合計所要時間は約2時間45分で、筆記3技能は同日・休憩なしで続けて実施されます(英検協会)。
  • ペーパー版は終わります:IELTSパートナーの共同決定により、日本のペーパー版は東京都・大阪府で2026年8月実施分、それ以外の道府県では2026年6月実施分が最後です。以降はコンピューター版のみになります。
  • 受験料は9月1日から上がります:英検協会のIELTS公式テストセンターでは、2026年9月1日以降の申込分から27,500円→29,700円に改定されます。基準は試験日ではなく申込日です。

IELTS(アイエルツ)は、イギリスのブリティッシュ・カウンシル、オーストラリアのIDP、ケンブリッジ大学出版評価機構の3者が共同で所有する英語試験です。海外大学への出願で、TOEFLと並んで提出を求められます。ただしいま「IELTSとは」を調べると、多くの記事が「ペーパー版とコンピューター版から選べる」「受験料は27,500円」と説明しています。2026年8月時点では、どちらも正確ではありません。日本のペーパー版はすでに大半の地域で終了しており、受験料も9月1日の申込分から改定されます。この記事では、試験の中身に加えて「いま、いつまでに、どの方式で、いくらで受けるのか」を公式情報から整理します。

本記事の数値は、IELTS公式(ielts.org)、公益財団法人日本英語検定協会のIELTS公式サイト、JSAF-IELTS公式テストセンター、IDP IELTS日本の各ページ、および文部科学省「各資格・検定試験とCEFRとの対照表」を、当サイトが2026年8月7日に取得して整理したものです。受験料・日程・締切・手数料は改定されます。またIELTSは日本国内に複数の実施団体があり、団体によって金額や締切が異なります。 申し込む前に、必ず受験する団体の公式サイトで最新の情報をご確認ください。

結論:IELTSは「4技能・1〜9バンド」の試験。2026年に受け方が2つ変わった

POINT

試験の中身そのものは変わっていません。変わったのは「どう受けるか」と「いくらかかるか」です。まず全体像を数字で押さえます。

IELTS(International English Language Testing System)は、リスニング・リーディング・ライティング・スピーキングの4技能を測る英語試験です。合否はなく、1〜9のバンドスコアで英語力のレベルが示されます。目的別に、大学・大学院への進学向けのアカデミック・モジュールと、就労・移住向けのジェネラル・トレーニング・モジュールの2種類があり、海外大学へ進学する場合はアカデミックを受けます。

IELTSの基本情報(英検協会IELTS公式サイト・ielts.org・2026年8月7日時点)

項目内容
測る力リスニング・リーディング・ライティング・スピーキングの4技能
モジュールアカデミック(進学向け)/ジェネラル・トレーニング(就労・移住向け)
スコア1〜9の0.5刻み。合否はない。4技能それぞれと総合(オーバーオール)が出る
所要時間約2時間45分(筆記3技能は同日・休憩なし。スピーキングは筆記の前後6日以内)
受験方式コンピューター版に一本化(ペーパー版は東京都・大阪府で2026年8月、それ以外は6月で終了)
受験料27,500円 →2026年9月1日以降の申込分は29,700円(英検協会。団体により異なる)
結果コンピューター版は1〜5日でウェブ公開(ペーパー版は13日後)
有効期限筆記テスト実施日から2年間
必要なもの有効期限内のパスポート(申込・受験の両方で必須)

この表のうち、2026年に変わったのが受験方式受験料の2行です。しかも変更の時期がどちらも「いま」に重なっています。順に見ていきます。

変更① ペーパー版は日本から消える — 東京・大阪は2026年8月実施分が最後

POINT

これは日本だけの話ではなく、IELTSの共同所有者3者による世界的な決定です。日本での終了時期はすでに確定していて、多くの地域では終わっています。

IELTS公式(ielts.org)は2026年3月5日に方針を公表しました。原文は「from mid-2026, we will no longer offer IELTS as a paper-based test. All IELTS tests will be delivered on computer. Exact timelines will vary by market.(2026年中頃以降、紙ベースの試験の提供を終了し、すべてコンピューターで実施する。正確な時期は市場ごとに異なる)」です。理由としては、コンピューター版のほうが利便性・結果の速さ・One Skill Retakeの利用可否の点で受験者の満足度が高かったことが挙げられています。

日本での具体的な日程は、英検協会が公開した「IELTSペーパー版終了に関するIELTSパートナーの共同アナウンスメント」(2026年3月27日)に明記されています。

日本におけるIELTSペーパー版の最終実施時期(IELTSパートナー共同アナウンスメント・2026年3月27日)

地域ペーパー版の最終実施2026年8月7日時点の状況
東京都・大阪府の試験会場2026年8月実施分まで今月が最後
上記以外の道府県の試験会場2026年6月実施分まですでに終了

この共同アナウンスメントには「本方針はIELTSパートナーの決定に基づくものであり、ブリティッシュ・カウンシルとIDP Education及びそれぞれの公式テストセンターが日本で実施するすべてのIELTSペーパー版に適用されます」と書かれています。つまり団体を変えればペーパー版を受けられる、ということはありません。 手書きで受けたいという理由で実施団体を探し回っても、見つかりません。

ここで注意したいのが、公式サイトの記述がまだ追いついていないことです。当サイトが2026年8月7日に確認した時点で、JSAF-IELTS公式テストセンターのサイトには「『IELTSペーパー版』は全国(東京・埼玉・名古屋・大阪・京都・広島)で開催」という記述が残っており、英検協会のトップページにも「全国16都道府県で開催」という表示が残っています。告知ページと案内ページで内容が食い違っている状態です。申し込みページの実際の日程が正であり、案内ページの記述ではありません。

避けたい

「うちの子は手書きのほうが得意だから、ペーパー版を探そう」と会場を探し続ける

こうすればOK

コンピューター版を前提に準備する。 日本ではもう選べません。タイピングでのライティングに慣れる時間を、対策スケジュールに組み込みます

避けたい

公式サイトに「全国16都道府県で開催」と書いてあるから、まだ地方でも受けられると考える

こうすればOK

申し込みページの実際の日程で判断する。 案内ページの記述は更新が遅れていることがあります。会場は東京・横浜・名古屋・大阪・福岡などに集約されています

避けたい

「試験が変わるなら、いま持っているスコアも無効になるのでは」と不安になる

こうすればOK

すでに取得したペーパー版のスコアはそのまま有効です。 IELTS公式は「All current paper-based test results are not affected and will remain valid until the end of the recommended two-year period(現行の紙の試験結果は影響を受けず、推奨される2年間の期限まで有効)」と明記しています

なお、コンピューター版といっても、スピーキングは変わらず試験官との1対1の対面形式です。コンピューターで行うのはリスニング・リーディング・ライティングの3技能だけで、英検協会は「試験の内容、採点基準、試験時間及び成績証明書はすべて従来のIELTSペーパー版と同一」と説明しています。試験そのものが別物になるわけではありません。

確認ポイント:IELTS公式は、ペーパー版の代わりに「'Writing on Paper'(ライティングの解答だけを手書きにできる方式)」を導入すると発表しています。ただし原文は「In selected markets, we will introduce 'Writing on Paper'(一部の市場で導入する)」であり、日本が対象に含まれるかどうかは、本記事の取得時点では公表を確認できませんでした。 手書きでの受験を検討している場合は、各実施団体の最新の告知をご確認ください。なお、この方式でOne Skill Retakeを受ける場合は元の試験と同じ方式で受ける必要があるとされています。

変更② 2026年9月1日の申込分から受験料改定 — 基準は「試験日」ではなく「申込日」

POINT

英検協会のIELTS公式テストセンターが2026年7月31日に告知しました。金額よりも、適用の基準日を間違えないことが重要です。

改定される金額は次のとおりです。海外大学への進学で受けるのは、通常いちばん上の「IELTS on Computer」です。

IELTS受験料の改定(英検協会「IELTS受験料改定のお知らせ」2026年7月31日/いずれも税込)

テストの種類8月31日までの申込**9月1日以降の申込**差額
IELTS on Computer(通常の受験)27,500円29,700円+2,200円
IELTS for UKVI(英国ビザ申請用)31,900円34,430円+2,530円
IELTS Life Skills20,900円25,300円+4,400円
One Skill Retake(on Computer)18,000円19,250円+1,250円
One Skill Retake(for UKVI)18,500円21,670円+3,170円

実務上いちばん大事なのは、告知に添えられた次の一文です。「試験日ではなく、申込日に応じて価格が変更となります」。つまり8月31日までに申し込みを完了しておけば、試験日が10月でも11月でも27,500円ということです。逆に、9月に入ってから9月の試験に申し込めば29,700円になります。

同じ日に「申込変更・キャンセル手数料の運用改定」も告知されています。こちらは「IELTSグローバル規定の変更に伴い」2026年9月1日以降に完了した申込分から適用され、8月31日までに完了した申込については、実際の変更・キャンセルを9月以降に行っても改定前の運用が適用されるとされています。あわせて、9月以降は受験者ポータルサイト「Test Taker Portal」で日程・会場の変更を自分でできるようになる予定とも案内されています。

避けたい

「9月の試験を受けるから、9月に入ってから申し込もう」と待つ

こうすればOK

受験時期が決まっているなら8月中に申し込む。 価格は申込日で決まります。1回2,200円の差は、3回受ければ6,600円です

避けたい

「値上がりする前に」と、まだ実力が届いていない時期の日程をとりあえず押さえる

こうすればOK

有効期限2年から逆算して、出願にも入学手続きにも使える時期の日程を押さえる。 早すぎるスコアは期限切れになります(後述)。安くなっても使えなければ意味がありません

確認ポイント:この改定は英検協会のIELTS公式テストセンターが自らのサイトで告知したものです。当サイトが2026年8月7日に確認した時点で、JSAF-IELTS公式テストセンターのサイトは受験料を27,500円と掲載しており、同様の改定告知は確認できませんでした。受験する団体の公式サイトで、その団体の金額を確認してください。 日本のIELTSは実施団体が複数あり、金額や手数料が団体ごとに設定されています(この点は後述します)。

試験の中身:4技能の時間・問題数・課題

POINT

IELTSの特徴は、Writingの語数指定とSpeakingの対面面接です。時間配分は公式が明示しているので、そのとおりに練習するのが最短です。

英検協会が公開している公式サンプル問題冊子から、各技能の仕様を整理します。

IELTSアカデミック・モジュールの構成(英検協会「IELTS公式サンプル問題」冊子より)

技能時間問題数・構成内容
Listening約30分40問・4セクション選択、組み合わせ、地図や図表の分類、穴埋め、記述式など
Reading60分40問・3セクション文章の長さは全体で2,150〜2,750語。選択、正誤、見出し選択、穴埋め、記述式など
Writing60分2問Task1は約150語(図表の説明)、Task2は約250語(エッセイ)。Task2のほうが配点が高い
Speaking11〜14分3パート試験官との1対1の面接。P1自己紹介4〜5分/P2スピーチ3〜4分/P3ディスカッション4〜5分。録音される

見落とされがちな点が3つあります。第一に、Readingには解答時間の外に転記時間がありません。冊子には「60分(時間内に解答用紙への記入を完了する必要があります)」と明記されています。第二に、Writingの語数は下限です。公式は「Task1には約20分、Task2には約40分の時間をかけましょう」と時間配分まで示しており、「不完全な文章、メモ形式や箇条書きの解答は減点の対象」「つづり(スペル)や文法の間違いも減点対象」と注意しています。第三に、筆記3技能は同日に、各セクションの間に休憩なしで続けて実施されます(英検協会)。約2時間半、集中を切らさずに走り切る体力が要る試験です。

採点基準も公式が公開しています。Writingは「課題への対応」「一貫性とつながり」「語彙力」「文法の幅と正確さ」の4基準で、各タスクを独立に採点し、基準は等しく重み付けされます。ただしTask2のほうが配点が高いため、時間配分もTask2に厚く置くのが合理的です。Speakingは「流暢さと一貫性」「語彙力」「文法の幅と正確さ」「発音」の4基準で、こちらは4つを等ウェイトで平均します。発音が独立した採点項目になっているのは、TOEFLやSATにはないIELTSの特徴です。

確認ポイント:公式サンプル問題冊子には、Listeningについて「約30分(その後、解答転記時間が10分与えられます)」という記載があります。これはペーパー版を前提とした仕様です。コンピューター版では画面に直接入力するため転記の扱いが変わる可能性がありますが、英検協会は「試験の内容、採点基準、試験時間はペーパー版と全く同じ」としており、当サイトでは転記時間の扱いを公式に確認できませんでした。申込後に案内される公式チュートリアルで、当日の時間の流れをご確認ください。

スコアの読み方:総合は「4技能の平均を0.5刻みに丸めた値」

POINT

この計算式を知っているかどうかで、対策の設計が変わります。定義を覚えるだけでなく、実際に数字を動かしてみると「どこを上げるべきか」が見えます。

IELTS公式の定義はこうです。「The overall band score is the average of the four section band scores rounded to the nearest half band.(総合バンドスコアは、4技能のバンドスコアの平均を、最も近い0.5刻みに丸めた値である)」。そして丸め方にも明確なルールがあります。「平均の端数が.25で終わる場合は次の0.5刻みへ切り上げ、.75で終わる場合は次の整数へ切り上げる」

公式が示している算例を見ると、この切り上げの意味がよく分かります。

オーバーオール・バンド・スコアの算出例(ielts.org「IELTS scoring in detail」より)

受験者LRWS4技能の平均**総合**
A6.56.55.07.06.256.5(切り上げ)
B4.03.54.04.03.8754.0
C6.56.55.56.06.1256.0

AとCを見比べてください。Writingだけを見ればCのほうが0.5高い(5.5対5.0)のに、総合はAが6.5、Cが6.0です。Aは弱点のWritingが5.0と低い代わりにSpeakingで7.0を取っており、合計が25.0に届いています。Cは全体にまとまっているものの合計は24.5で、平均6.125が6.0に丸められました。「まんべんなく」よりも「合計を作る」ほうが総合スコアには効くということです。

この丸めルールから、目標スコアごとに必要な「4技能の合計」を逆算できます。各技能は0.5刻みなので合計も0.5刻みになり、境目は次のようにきれいに決まります。

目標の総合スコアと、4技能の合計(ielts.orgの算出定義と丸めルールから当サイトが計算)

目標の総合必要な平均**4技能の合計**組み合わせの例
5.55.25以上21.0以上5.5/5.5/5.0/5.0
6.05.75以上23.0以上6.0/6.0/5.5/5.5
6.56.25以上25.0以上7.0/6.5/6.0/5.5 など
7.06.75以上27.0以上7.5/7.0/6.5/6.0
7.57.25以上29.0以上8.0/7.5/7.0/6.5

たとえば総合6.5を目指すなら、合計25.0を作ればよいことになります。「全技能で6.5を取る」(合計26.0)必要はありません。得意な技能で7.0や7.5を取れるなら、苦手な技能は5.5でも到達します。逆に、あと0.5足りないときに上げるべきは「いちばん伸びしろのある1技能」です。どの技能で0.5を稼いでも合計への寄与は同じだからです。日本人受験者はSpeakingとWritingに苦手意識を持つことが多いですが、費用対効果でいえば「短期間で0.5動かせるのはどれか」で選ぶほうが合理的です。

なお、ListeningとReadingは40問の素点からバンドに換算されます。公式が示す目安は次のとおりです。

40問中の正答数とバンドスコアの目安(ielts.org。公式は「テスト版によって多少変動する」と注記)

バンドListeningAcademic Reading**General Training Reading**
415問
516問15問23問
623問23問30問
730問30問35問
835問35問

ここに重要な事実が隠れています。同じ40問でも、ジェネラル・トレーニングのReadingはアカデミックより高い正答数を要求されます。 アカデミックなら23問でバンド6ですが、ジェネラル・トレーニングでは30問必要です。公式も「It is usual that a greater number of questions must be answered correctly on a General Training Reading test to secure a given band score(一定のバンドを得るには、ジェネラル・トレーニングのReadingではより多くの正答が必要になるのが通常である)」と明記しています。「ジェネラルのほうが文章が平易だから簡単」という理解は、スコアの観点では正しくありません。 進学目的なら、そもそもアカデミックを受けます。モジュールは申込時に選び、当日の変更はできません。

確認ポイント:この正答数の対応は公式が示す平均値で、「The precise number of marks needed to achieve these band scores will vary slightly from test version to test version(各バンドに必要な正確な得点は、テスト版によって多少異なる)」という但し書きが付いています。練習時の目安として使い、確定的な合格ラインとして扱わないでください。

なぜ大学の基準は6.0〜6.5に集まるのか — 公式の機関向けガイダンス

POINT

IELTSは、スコアを受け取る側の大学に対して「どの水準を求めるべきか」のガイダンスを公開しています。ここを読むと、6.5という数字の意味が分かります。

英検協会は「一般的に、大学はオーバーオール・バンド・スコア6.0から6.5を入学基準としています」と説明しています。この数字の根拠は、IELTS公式が教育機関向けに公開しているスコア設定ガイダンスにあります。コースを「言語的に要求の高い学術コース」「要求の低い学術コース」などに分類し、バンドごとに適否を示したものです。

教育機関向けのスコア設定ガイダンス(ielts.org「Understanding and setting IELTS scores」より抜粋)

バンド言語的に要求の高い学術コース要求の低い学術コース
7.5〜9.0問題なし問題なし
7.0おそらく問題なし問題なし
6.5英語学習が必要おそらく問題なし
6.0英語学習が必要英語学習が必要

つまり6.5は、公式のガイダンス上は「要求の高い学術コースには、まだ英語のサポートが要る水準」として位置づけられています。難関大学が7.0や7.5を求め、多くの大学が6.5を最低ラインに置くのは、この分類とほぼ一致します。海外大学の出願で「IELTS 6.5〜7.0が一つの目安」とされる理由がここにあります。海外大学進学の全体像出願の実務とあわせてご覧ください。

国や大学によって水準は変わります。たとえばマレーシアの大学では5.5〜6.0程度を求めるところが多く、英語圏の難関大学とは差があります。「IELTSで何点必要か」は志望校の要項でしか決まりません。 目安の数字を先に決めてから志望校を探すのではなく、志望校の要項を先に開いてください。

英検からの現在地:文部科学省のCEFR対照表で読み替える

POINT

IELTSを一度も受けていなくても、英検のスコアからおおよその現在地は分かります。ただし読み替えには限界があります。

文部科学省は「各資格・検定試験とCEFRとの対照表」で、英検・IELTS・TOEFLなどをCEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)のレベルに対応づけています。この表を使うと、英検のCSEスコアから「IELTSでいえばどのあたりか」が推し量れます。

CEFRと各試験の対応(文部科学省「各資格・検定試験とCEFRとの対照表」より。英検はCSEスコア)

CEFR英検(CSEスコア)**IELTS**英検の級の目安
C12600〜32997.0〜8.01級(2630〜)
B22300〜25995.5〜6.5準1級(2304〜)
B11950〜22994.0〜5.02級(1980〜)

この表から読み取れることは明快です。海外大学が求める6.5前後は、CEFRのB2の上限にあたります。 英検でいえば準1級を取得し、CSEスコアで2500台後半まで積み上げたあたりが出発点になる、という見当がつきます。逆に英検2級(CSE 1980〜)の水準は、IELTSでは4.0〜5.0のB1域です。ここから6.5まで上げるには、CEFRで1段階以上を積み上げる必要があるということになります。

ただし注意点があります。この対照表は試験ごとのスコアレンジをCEFRに対応づけたもので、試験間の直接の換算表ではありません。 「英検準1級だからIELTS 6.0が取れる」という保証はありませんし、試験の形式もまったく違います。IELTSにはSpeakingの対面面接とWritingの手書きエッセイがあり、英検の対策で身につく力とは重なりつつもずれます。現在地を測る地図として使い、目標スコアの根拠にはしないのが正しい使い方です。高校留学の英語要件はさらに別の水準なので、高校留学に必要な英語力もあわせてご確認ください。

有効期限は2年 — その根拠と、いつ受け始めるべきかの逆算

POINT

有効期限2年は「なんとなくの慣習」ではなく、言語能力が失われていくという研究にもとづく推奨です。だから例外の条件もあります。

英検協会は「この結果は筆記テスト実施日より2年間有効」と明記しています。ではなぜ2年なのか。IELTS公式は機関向けページでこう説明しています。「IELTS recommends that an IELTS result demonstrates a test taker's English language ability for a maximum of two years. This is based upon the well-documented theory of second language loss or 'attrition'.(IELTSは、試験結果が受験者の英語力を示すのは最大2年間だと推奨している。これは第二言語の喪失、すなわち『言語摩耗』という十分に文献化された理論にもとづく)」。つまり2年という数字は、事務手続き上の都合ではなく、使わない言語能力は落ちていくという前提から来ています。

この根拠が分かると、例外の条件にも納得がいきます。公式は続けてこう述べています。「2年より古いTest Report Formは、受験者が英語力を積極的に維持している、あるいは向上させようとしていることの証明が添えられている場合にのみ受理されるべきである」。2年を1日過ぎたら自動的に紙くずになる、という運用ではありません。 ただし、これはあくまで機関側への推奨であり、受理するかどうかを決めるのは各大学です。期限切れのスコアを当てにする計画は立てないでください。

実務上、この2年が縛るのは「いつ受け始めるか」です。ここで注意したいのは、確認すべき時点が2つあることです。ひとつは出願する時点(海外大学なら一般に高3の秋から冬)、もうひとつは入学する時点(多くは卒業後の年の9月)です。この2つは10か月ほど離れているため、「出願には間に合うが、入学までには切れている」スコアが生まれます。

IELTSの受験時期と、スコアが有効な期間(有効期限2年から逆算。出願=高3の10〜12月、入学=卒業後の9月として計算)

受験時期有効期限が切れる時期高3秋〜冬の出願入学時(9月)位置づけ
高1の夏高3の夏切れている切れている現在地を測る練習
高1の冬〜高2の夏高3の冬〜卒業後の夏間に合う切れている実力を伸ばす期間
高2の秋以降卒業後の秋以降有効有効1本目の本番
高3の春〜夏有効有効スコアを詰める本番

つまり、出願時点だけを見れば高1の冬に受けたスコアでも間に合う計算になります。それでも本記事が「1本目は高2の秋以降」を勧めるのは、真ん中の行——出願には間に合うが入学時には切れているスコア——を避けるためです。合格後にビザ申請や入学手続きで英語力の証明を求められた際に、期限切れのスコアしか手元にない、という事態を防げます。

確認ポイント:出願時点で有効であれば足りるのか、入学時点まで有効である必要があるのかは、大学や国によって扱いが異なります(学生ビザの申請で別途スコアを求められる国もあります)。当サイトでは各大学の運用まで確認できていないため、上の表は「両方の時点で有効なら確実」という安全側の設計です。志望校の要項と、渡航先のビザ要件の両方をご確認ください。

この表の意味は、「高1・高2前半のIELTSは無駄」ということではありません。その時期の受験は出願用ではなく、現在地の測定と本番慣れのためのものだと位置づける、ということです。1回3万円近い試験を、使えないスコアのために何度も受ける必要はありません。予算の配分としては、高1〜高2前半は英検や模試で現在地を測り、IELTSの本番受験は高2秋以降に集中させるのが現実的です。

避けたい

「早いうちから慣れておこう」と高1から毎年IELTSを受け続ける

こうすればOK

高2秋より前の受験は年1回程度の現在地測定にとどめる。 出願時にも入学時にも有効なのは高2秋以降のスコアです。1回3万円近くかかることを踏まえて配分します

避けたい

高3の秋にスコアが足りないことに気づいて、駆け込みで受け直す

こうすればOK

高2秋に1本目を受け、足りない技能を高3春〜夏で詰める。 One Skill Retakeは元の試験日から60日以内という制限があり、直前では選択肢が減ります

One Skill Retake:1技能だけ受け直せる。ただし認める機関の確認が要る

POINT

コンピューター版だけに用意された制度です。スコアが下がるリスクがないという点で使いやすい一方、出願先が認めているかは自分で確かめる必要があります。

One Skill Retake(OSR)は、4技能のうち1技能だけを受け直せる制度です。従来は1技能が目標に届かないだけで4技能すべてを受け直す必要がありましたが、この制度によって「Writingだけもう一度」が可能になりました。

One Skill Retakeの条件(英検協会「One Skill Retakeについて」より・2026年8月7日時点)

項目内容
対象IELTSコンピューター版で受験した結果のみ
期限元となるテストの受験日から60日以内に受験日を選ぶ必要がある
技能1技能。どれを再受験するかは自分で指定できる
受験料18,000円 →2026年9月1日以降の申込分は19,250円
会場英検協会が運営する東京・大阪のテストセンター
結果3〜5日で公開。成績証明書はeTRF(PDF)のみ。郵送での再発行はなし
スコアの扱い元の試験の結果と、OSR後の結果の2バージョンが保存される。下がっても元のスコアを使える
キャンセル受験日5日前23:59まで。手数料4,200円を差し引いて返金

最大の利点は、スコアが下がるリスクがないことです。英検協会は「One Skill Retakeの受験結果が元となる試験のスコアより低かった場合でも、元のスコアを出願に使用できます」と明記しています。2つのバージョンが両方残るため、良いほうを選べます。1技能で0.5上げれば合計が0.5増え、前述の合計表の境目をまたげば総合スコアも0.5上がる——4技能を受け直すより、費用も労力もはるかに小さい選択肢です。

一方で、注意すべき点が3つあります。第一に、認めていない出願先があることです。英検協会は「One Skill Retakeによるスコア申請を認めている機関」のリストを別途案内しており、IELTSを受け入れている機関だからといってOSRのスコアも受け入れるとは限りません。受ける前に志望校に確認してください。 第二に、元の試験日から60日以内という期限です。出願直前に「1技能だけ足りない」と気づいても、元の試験から60日が過ぎていれば使えません。第三に、成績証明書がeTRF(PDF)のみで郵送再発行がない点です。

なお、採点そのものに疑問がある場合は再採点(Enquiry on Results/EOR)という別の制度があります。費用は技能数にかかわらず一律15,000円、筆記テスト日から39日以内の申請で、結果まで概ね3週間程度。スコアが変更されれば手数料は返金されます。ただし「再採点の申請中は、元の成績が一時的に無効となります」。出願締切が迫っている時期の申請は避けてください。OSRとの併用は「再採点→OSR」「OSR→OSRで受けた技能のみの再採点」は可能ですが、「OSR→OSRで受けなかった技能や4技能全体の再採点」はできません。

日本の実施団体は1つではない — 手数料も締切も年齢の扱いも違う

POINT

ここが最も見落とされる論点です。IELTSは世界共通の試験ですが、日本での運営は複数の団体に分かれており、周辺のルールは団体ごとに設定されています。

IELTSはブリティッシュ・カウンシル、IDP:IELTS Australia、ケンブリッジ大学出版評価機構の3者が共同で所有しています。日本ではこの系列ごとに公式テストセンターが認可されており、同じIELTSでも申し込む先が複数あります

  • 公益財団法人 日本英語検定協会(英検協会):2010年よりブリティッシュ・カウンシルと日本のIELTSを共同運営。IELTS for UKVI・Life Skillsも実施。
  • 一般財団法人 日本スタディ・アブロード・ファンデーション(JSAF):IDP:IELTS Australiaから公式テストセンター(JP112)として認可。IELTS for UKVIとLife Skillsは実施していないと公式に明記。
  • IDP Education 日本:IELTS運営体制のグローバルな再編に伴い、日本におけるIELTS試験の実施は2026年2月よりJSAFの運営のもとで行われることになりました(IDP IELTS日本の告知)。
  • バークレーハウス:英検協会IELTSテストセンターのサブテストセンターとして、東京(市ヶ谷)・名古屋会場を運営。

試験の内容・採点基準・成績証明書は共通です。違うのは周辺の運用ルールで、しかもその差は無視できません。

実施団体による違い(各団体の公式サイトを2026年8月7日に取得。コンピューター版の場合)

項目英検協会JSAF
受験料27,500円 →9月1日申込分から29,700円27,500円(改定告知は確認できず)
申込締切試験日3日前の9:00(クレジットカードのみ)クレジットカード3日前23:59/コンビニ6日前23:59
変更・キャンセル手数料6,300円(初回の変更は無料)6,050円
会場東京駅前・市ヶ谷・横浜・名古屋・大阪・福岡東京・大阪・京都
for UKVI / Life Skills実施あり実施なし

申込締切が団体で違うという点は、直前期に効いてきます。英検協会のコンピューター版は試験日3日前の9:00締切でクレジットカード決済のみ。JSAFはコンビニ払いなら6日前が締切です。「明日まだ申し込める」と思って別の団体の締切を見ていた、という取り違えが起こりえます。

年齢の扱いも団体で表現が違います。 ここは保護者にとって重要なので、原文どおりに整理します。

年齢に関する各団体の記載(原文の趣旨。2026年8月7日時点)

区分記載内容出典
受験できる下限「試験日当日に11歳になっていない方は受験できません」英検協会(コンピューター版)
望ましい年齢「IELTSはテスト内容において、16歳以上の方の受験が望ましいテストです」JSAF
保護者の手続き18歳に満たない未成年の場合は、未成年者保護の観点に基づき、保護者の方からお申込をしていただく必要がございます」英検協会(コンピューター版)
未成年の書類「18歳未満の方も受験可能です。但し、18歳未満の受験者は、受験前に提出必須書類がございます」JSAF

この3つはそれぞれ別の話です。「受けられる年齢(11歳〜)」「試験内容として望ましい年齢(16歳以上)」「保護者が手続きをする必要がある年齢(18歳未満)」を混同しないでください。高校生が受験する場合、申込手続きの主体は保護者になります(英検協会の場合)。生徒が自分で申し込もうとして止まる、というのは実際に起こります。

申し込みから当日まで:保護者が用意するもの

POINT

IELTSで最も多いトラブルの原因はパスポートです。申込時の登録番号と当日持参するパスポートが一致していないと受験できません。

英検協会は「IELTSのお申し込み、受験には有効期限内のパスポートが必要です」と明記しています。運転免許証やマイナンバーカードでは受験できません。さらに厳密なのが番号の一致で、「お申し込みの際にご登録頂くパスポート番号と試験当日にご提示頂くパスポートのパスポート番号は一致している必要があります。一致していない場合は受験不可となります」とされています。

高校生の場合、パスポートを持っていない、あるいは有効期限が切れているケースは珍しくありません。パスポートの取得には申請から受領まで日数がかかります。IELTSの受験を検討し始めた時点で、まずパスポートの有無と有効期限を確認してください。 申込後に更新した場合の手続きも団体ごとに定められています。

  1. 1パスポートを確認する:有効期限が試験日当日まで有効かを確認します。One Skill Retakeを使う可能性がある場合は、その受験日まで有効である必要があります。
  2. 2受験する団体と方式を決める:日本ではコンピューター版のみです。会場・締切・手数料は団体ごとに違うので、通いやすい会場を運営している団体で比較します。
  3. 3受験日を決めて申し込む申込主体は18歳未満なら保護者(英検協会の場合)。締切は英検協会のコンピューター版で試験日3日前の9:00、決済はクレジットカードのみです。受験料は申込日の価格が適用されます。
  4. 4スピーキングの時間を選ぶ:コンピューター版は申込フォームでスピーキング試験時間を選択できます。日本では筆記と同日実施です。一度選ぶと変更できません。
  5. 5登録情報を確認する:パスポート番号・氏名(姓名の順、つづり)・生年月日・性別・第一言語。受験完了後の登録内容変更は一切できません。
  6. 6当日の持ち物を準備する:有効なパスポート原本、黒鉛筆(シャープペンシル不可・キャップ不可)、消しゴム(カバー不可)、無色透明な容器に入った水。腕時計の持ち込みは禁止で、試験室内の時計を使います。
  7. 7結果を受け取る:コンピューター版は1〜5日でウェブ公開。成績証明書(TRF)は1人につき1通のみの発行なので、紛失に注意してください。追加発行は1通1,200円(条件により)です。

当日の時間割は、コンピューター版では最大3パターンのセッションから選べます。英検協会の例では、午前セッションは8:20〜8:50にIDチェック、9:00〜12:15にパソコンで3技能、13:00〜17:30の枠でスピーキング。午後セッションもあり、夕方17:30〜20:30に筆記を受けるパターンも用意されています。部活や学校行事との調整がしやすいのは、ペーパー版からコンピューター版に移行したことの数少ない利点です。

確認ポイント:自宅で受験する「IELTS Online」については、JSAFが「IELTS Onlineに関するサポートにつきましては、JSAF-IELTSでは対応しておりません」として専用窓口(英語対応のみ)を案内しており、国内での実施体制が団体によって異なります。また、自宅受験のスコアを受け付けるかどうかは出願先の大学が決めます。 会場受験を基本に考え、オンライン受験を検討する場合は実施団体と志望校の双方に確認してください。

英語試験の受験料も、留学費用の一部です

IELTSは1回27,500円(2026年9月1日申込分からは29,700円)。目標スコアまで複数回受けるのが一般的です。費用シミュレーターで、受験料を含めた総額の見通しを立ててみてください。

まとめ:試験の中身より先に、期限を確認する

IELTSは、リスニング・リーディング・ライティング・スピーキングの4技能を1〜9のバンドスコアで測る試験です。合否はなく、総合スコアは4技能の平均を0.5刻みに丸めた値。端数が.25なら切り上げなので、総合6.5に必要なのは4技能の合計25.0で、全技能6.5である必要はありません。弱点を1つ潰すことが最も効率的に効く構造になっています。

そのうえで、2026年の日本では2つの期限が同時に動いています。ひとつはペーパー版の終了。 東京都・大阪府は2026年8月実施分が最後で、それ以外の道府県では6月に終わっています。もう手書きでの受験は選べません。もうひとつは受験料の改定。 英検協会のIELTS公式テストセンターでは2026年9月1日以降の申込分から27,500円が29,700円になります。基準は試験日ではなく申込日です。

そして、試験そのものにも有効期限2年という期限があります。これは言語摩耗の理論にもとづく推奨です。出願する時点と入学する時点は10か月ほど離れているため、両方で有効なのは高2の秋以降に受けたスコアになります。高1から毎年受け続ける必要はありません。

ですから、順序はこうなります。①志望校の要項を開いて必要なスコアを確認する → ②有効期限2年から逆算して、1本目をいつ受けるか決める → ③受験する団体を選び、締切と手数料を確認する → ④パスポートの有効期限を確認する → ⑤受験時期が決まっているなら、申込は価格改定前に済ませる。 勉強法を調べるのはそのあとで間に合います。動かせないのは実力ではなく、期限のほうだからです。

TOEFLとどちらを受けるか迷っている場合は、TOEFL iBTとはもあわせてご覧ください。TOEFLは2026年1月21日にスコアスケールが0〜120点から1〜6のバンドに変わっており、志望校の要項がどちらのスケールで書かれているかで判断が分かれます。アメリカの大学を志望する場合はSATとは、国内の国際系学部を併願する場合はそちらの英語外部試験の扱いも確認しておくと、受験計画が一本につながります。

Q.IELTSのペーパー版は本当にもう受けられないのですか? 手書きのほうが得意なのですが。

日本では、東京都・大阪府の会場が2026年8月実施分、それ以外の道府県は2026年6月実施分で終了しました。 これはIELTSパートナー(ブリティッシュ・カウンシル、IDP Education、ケンブリッジ)の共同決定で、共同アナウンスメントには「日本で実施するすべてのIELTSペーパー版に適用されます」と明記されています。団体を変えても受けられません。 世界的にも「from mid-2026, we will no longer offer IELTS as a paper-based test」と発表されています。なおIELTS公式は代替として「Writing on Paper」(ライティングだけ手書き)を一部の市場で導入するとしていますが、日本が対象かは公表を確認できていません。すでに取得したペーパー版のスコアは、受験日から2年間そのまま有効です。

Q.受験料はいくらですか。値上がりすると聞きました。

英検協会のIELTS公式テストセンターでは、通常のIELTS on Computerが27,500円(税込)、2026年9月1日以降の申込分から29,700円に改定されます。ここで重要なのは、告知に「試験日ではなく、申込日に応じて価格が変更となります」とある点です。8月31日までに申し込みを完了しておけば、試験日が秋以降でも27,500円です。受験時期が決まっているなら早めの申込が有利になります。ただしJSAFなど他の実施団体は本記事の取得時点で27,500円と掲載しており、改定告知を確認できませんでした。受験する団体の公式サイトで金額をご確認ください。

Q.オーバーオール6.5を取るには、全技能で6.5が必要ですか?

必要ありません。 総合スコアは4技能の平均を0.5刻みに丸めた値で、公式は「平均の端数が.25なら次の0.5刻みへ切り上げ」と定めています。したがって平均6.25、つまり4技能の合計25.0で総合6.5になります。全技能6.5だと合計26.0なので、1.0分の余裕があるということです。実際、IELTS公式の算例には「Listening 6.5/Reading 6.5/Writing 5.0/Speaking 7.0」で総合6.5という例が載っています。得意技能で稼ぎ、苦手技能は合計に届く範囲に収めるという設計が成り立ちます。逆にあと0.5足りないときは、どの技能で上げても合計への寄与は同じなので、最も短期間で0.5動かせる技能を選ぶのが合理的です。

Q.高校1年生ですが、いつからIELTSを受け始めればよいですか?

出願に使う1本目は高2の秋以降と考えてください。IELTSの有効期限は筆記テスト実施日から2年間です。海外大学の出願は一般に高3の秋から冬なので、そこだけを見れば高1の冬に受けたスコアでも間に合う計算になります。ただし入学するのは卒業後の9月で、出願から10か月ほど先です。高2の夏までに受けたスコアはこの入学時点までに期限が切れるため、合格後の手続きやビザ申請で英語力の証明を求められたときに使えないおそれがあります。両方の時点で有効なのが高2の秋以降です。高1〜高2前半の受験は「出願用」ではなく現在地の測定と本番慣れと位置づけ、年1回程度にとどめるのが現実的です。1回3万円近くかかるためです。この時期は英検で現在地を測るほうが費用対効果が高く、文部科学省のCEFR対照表を使えば英検のCSEスコアからIELTSのおおよその位置(B2=IELTS 5.5〜6.5、C1=7.0〜8.0)を推し量れます。

Q.1技能だけ点が足りません。4技能すべて受け直すしかないですか?

コンピューター版で受験していれば、One Skill Retake(OSR)で1技能だけ受け直せます。 元の試験日から60日以内に受験日を選ぶ必要があり、受験料は18,000円(2026年9月1日以降の申込分は19,250円)。結果が元のスコアより低くても、元のスコアを出願に使えます(2バージョンが保存されるため)。ただし注意点が2つ。第一に、OSRのスコアを認めていない機関があります。 IELTSを受け入れている大学でもOSRは別扱いのことがあるため、受ける前に志望校に確認してください。第二に、60日という期限です。出願直前に気づいても使えないことがあるので、1本目を早めに受けておくことがOSRを使える条件になります。

Q.TOEFLとIELTS、どちらを受けるべきですか?

志望校の要項が受け付けているほうを受ける、が原則です。 そのうえで、いま特有の事情が2つあります。ひとつは、TOEFLが2026年1月21日にスコアスケールを0〜120点から1〜6のバンドに変更したことです。移行期は旧スケールとの併記が2年間続き、大学側の対応も分かれます(詳しくはTOEFL iBTとは)。もうひとつは、IELTSが2026年に日本でコンピューター版へ一本化されたことです。どちらも移行期にあるため、「要項がどちらのスケール・方式を前提に書かれているか」を確認する作業が、以前より重要になっています。試験の性格としては、IELTSはスピーキングが試験官との対面面接で、発音が独立した採点基準になっている点が特徴です。人と話すほうが得意なお子さんにはIELTSが向くこともありますが、まずは志望校の要項が判断の起点です。