このページの要点

カナダの高校留学は、公立高校の受入れ制度が全国で整い、費用と教育の質のバランスが良い定番の留学先です。

  • 費用:公立なら1年で約250〜350万円、私立・全寮制は500〜700万円が目安。
  • 制度:公立は入試がなく、教育委員会(学区)が留学生を受け入れる仕組みが全国で整備。
  • 留学の形:短期(数週間)/1学期・1年/卒業まで、と目的に合わせて選べる。

治安が良く多文化で、はじめての海外・未成年の留学でも受入れ体制が整っているのがカナダの強みです。この記事では、公立と私立の選び方、短期から卒業までの形、費用・学年・単位、出願からビザまでの流れを中立の視点で解説します。高校留学全体の考え方は高校留学の基礎ガイドもあわせてご覧ください。

本記事の金額・制度は留学団体・留学情報メディア等の公開情報にもとづく一般的な目安です(2026年7月時点)。学費・滞在費は州・都市・学区・為替で大きく変わり、ビザ制度も改定されることがあります。正確な情報は各学区・学校の募集要項と、カナダ移民局(IRCC)の公式サイトで必ずご確認ください。

結論:カナダ高校留学の早見表

POINT

まず全体像をつかみましょう。費用は公立か私立か、留学の形は短期か卒業かで大きく変わります。迷ったら「公立・1年」を基準に考えると検討しやすくなります。

カナダ高校留学の早見表(1年間の目安)

項目内容
費用(公立)約250〜350万円/年
費用(私立・全寮制)約500〜700万円/年
留学の形短期(数週間)/1学期・1年/卒業(複数年)
入学時期9月始まり(2月始まりが選べる州も)
滞在方法公立はホームステイが中心、私立は寮も選べる
ビザ6ヶ月以上は就学許可証(Study Permit)が必要
未成年のサポートカストディアン(現地後見人)の手配が必要

カナダが「高校留学の定番」と言われる3つの理由

POINT

カナダが選ばれるのは「公立の受入れ制度」「治安と多文化」「費用と質のバランス」の3点。とくに公立高校に留学生として通える国は多くないため、費用を抑えて現地校に通いたい家庭に向いています。

  • 公立高校の受入れ制度が全国で整備:カナダは州ごとの教育委員会(学区)が留学生を正式に受け入れます。公立校は基本的に入試がなく、一定の成績があれば現地の生徒と一緒に授業を受けられます。
  • 治安が良く多文化で暮らしやすい:移民の受入れが進んだ多文化社会で、英語を母語としない生徒へのESL(英語サポート)も整っています。はじめての海外でも孤立しにくい環境です。
  • 費用と教育の質のバランスが良い:英語圏では学費・生活費を比較的抑えやすく、公立でも大学進学を見据えたカリキュラムが用意されています。

一方で、州によって制度や卒業単位が異なる・私立は費用が高額・未成年は一人暮らしができずホームステイか寮が必須、といった注意点もあります。メリットだけでなく条件もセットで確認しておきましょう。高校留学全般の良い面・大変な面は高校留学のメリット・デメリットで整理しています。

留学の3つのかたち:短期・1年・卒業

POINT

カナダの高校留学は大きく「短期」「1学期〜1年」「卒業」の3つ。まず何を目的にするか(英語体験か、単位取得か、現地卒業か)で選ぶと、費用も準備も見通せます。

留学の形と特徴

期間の目安こんな人に日本の高校との関係
短期・サマー2週間〜1ヶ月まず試したい/長期の下見在籍したまま長期休暇に参加
1学期・1年半年〜1年英語+異文化をしっかり在籍校の単位認定を相談(単位の扱い
卒業2〜4年現地で高校卒業・大学進学へ現地校で卒業単位を取得

1年留学は「日本の高校に在籍したまま」行くのが一般的で、帰国後にスムーズに復学できるかは在籍校との単位認定の相談が鍵になります。一方、卒業留学は各州が定める卒業単位(例:ブリティッシュコロンビア州は80単位)を現地で取得し、そのままカナダや海外の大学進学を目指すルートです。お子さんが高校卒業後に現地やほかの英語圏の大学へ進むケースもあり、その先を見据える場合は海外大学進学という進路もあわせて検討してください。何年生で行くかは進路に直結するため、高校留学は何年生で行くべきかも参考になります。

公立と私立、どちらを選ぶ?

POINT

費用を抑えて現地の生徒と学ぶなら公立、学校を自分で選び手厚いサポートや寮を求めるなら私立。カナダ人の多くが公立に通うため、留学生にとっても公立が主流の選択肢です。

公立高校と私立高校の違い

項目公立高校私立高校
費用(年間目安)約250〜350万円約500〜700万円(全寮制)
入試基本なしあり(成績・エッセイ・英語スコア等)
申込先教育委員会(学区)学校に直接
滞在ホームステイが中心ホームステイまたは学生寮
学校の指定学区は選べるが学校は割り当てのことも学校を自分で選べる
サポートコーディネーターが配置一人ひとりに手厚い

避けたい

「安いから」と公立だけで決め、学区や滞在エリアの雰囲気を確認しない。

こうすればOK

公立でも学区(教育委員会)ごとに規模・都市/郊外・提供プログラムが違うため、学区の特徴まで確認して選ぶ。

避けたい

私立=安心と考え、費用の総額(寮費・アクティビティ費・制服等)を見落とす。

こうすればOK

私立・全寮制は授業料以外の費目が大きい。含まれる費用と含まれない費用を一覧で確認する。

費用の目安と内訳

POINT

公立の1年は「学費+滞在費+諸費用」で約250〜350万円が目安。これに航空券・保険・小遣いが加わります。私立・全寮制は500〜700万円と、公立の約2倍が目安です。

公立高校・1年間の費用内訳(目安)

費目目安補足
授業料CAD 9,500〜17,000都市部・トロント等は高め
滞在費(ホームステイ)CAD 10,800〜14,400食事つきが一般的
その他(保険・申請料等)CAD 1,400〜1,800学区により異なる
日本円の総額目安約250〜350万円為替・地域で変動

半年(1セメスター)なら総額はおおむね半分の約180万円が目安です。学費・滞在費のほかに、修学旅行・課外活動費・制服・教材費・事務手数料などが都度発生し、初年度が最も高くなりやすい点に注意しましょう。国ごとの費用比較や、費用を抑えるコツは高校留学の費用ガイドカナダ高校留学の費用で詳しく解説しています。

1年間の留学費用をその場で試算

国と留学タイプを選ぶだけで、学費・滞在費・渡航費を含む概算費用を試算できます。

日本の学年とカナダのグレード、単位はどうなる?

POINT

カナダの学年は「グレード」で表され、グレード9=日本の高校1年生が目安です。1年留学で日本に復学する場合、現地で取った単位を在籍校が認めてくれるかは学校の判断によります。

日本の学年とカナダのグレード(目安・州により異なる)

日本の学年カナダのグレード
中学3年グレード9
高校1年グレード10
高校2年グレード11
高校3年グレード12

1年留学からの復学では、在籍校が留学中の学修を単位として認定できれば留年せずに進級できます。認定の可否や上限は学校ごとに異なるため、出発前に必ず在籍校へ相談しておきましょう。仕組みの詳細は留学の単位認定高校留学と単位で解説しています。卒業留学の場合は、各州の卒業単位を現地で取得し、日本の高校を経由せずカナダの高校卒業資格を得ます。

出願からビザ・カストディアンまでの流れ

POINT

準備は渡航の1年〜1年半前から。出願→合格→学費支払い→就学許可証(ビザ)→カストディアン手配、という流れです。6ヶ月以上の留学は就学許可証が必要になります。

  1. 1情報収集・学区/学校の選定(1年〜1年半前):エリア・公立/私立・予算を決め、候補校を絞る。
  2. 2出願(1年〜6ヶ月前):願書・英文成績証明書(直近2〜3年分)を提出。私立は推薦状・英語スコア・エッセイが必要なことも。
  3. 3合格・学費支払い:入学許可書(Letter of Acceptance)を受け取り、学費を納入。
  4. 4就学許可証(Study Permit)の申請:6ヶ月以上の留学で必要。入学許可書をもとに申請し、バイオメトリクス(指紋)登録を行う。
  5. 5カストディアン(後見人)の手配:未成年は現地の法定後見人が必須。学区やエージェントが手配するのが一般的。
  6. 6航空券・海外保険・渡航準備:出発前に保険の補償内容と滞在先を最終確認する。

ケベック州の学校に6ヶ月以上通う場合は、就学許可証の前に州の受入れ許可(CAQ)が必要で、準備に時間がかかります。また高校生(中等教育)はビザ上アルバイトが認められていないため、費用は就労で賄えない前提で計画しましょう。ビザ・許可の要件は変更されることがあるため、必ずカナダ移民局(IRCC)の最新情報を確認してください。

州・エリアの選び方

POINT

カナダは州によって教育制度も費用も異なります。留学生に人気なのはブリティッシュコロンビア州(バンクーバー)とオンタリオ州(トロント)。日本人の少ない環境を狙うなら地方の学区も選択肢です。

主要エリアの特徴

エリア特徴
バンクーバーブリティッシュコロンビア自然と都市のバランス/温暖/留学生に人気
トロントオンタリオ最大都市で多文化/進路の選択肢が豊富
ビクトリアブリティッシュコロンビア落ち着いた環境/治安が良い
地方の学区各州日本人が少なく英語漬けになりやすい/費用も抑えめ

都市部は生活の便利さと学校数が魅力ですが学費は高めです。逆に地方は費用を抑えつつ英語環境に浸れる一方、生活の刺激は都市部に劣ります。エリアの雰囲気は留学生活の満足度を大きく左右するため、カナダの国別ガイドで各エリアの特徴も見比べてみてください。他国と迷う場合はニュージーランドオーストラリアとの比較も有効です。

カナダ高校留学が向いている人・向かない人

POINT

費用を抑えて現地校に通いたい、多文化で安心な環境が良いという人にカナダは好相性です。逆に、学校を自由に選びたい・特定の名門校にこだわる場合は私立中心の国も比較しましょう。

避けたい

ブランド校や特定の学校名にこだわり、公立中心のカナダで選択肢が合わずに悩む。

こうすればOK

名門私立にこだわるならイギリスやアメリカの私立も比較。公立でしっかり学ぶならカナダが有力。

避けたい

英語力ゼロで飛び込み、授業についていけず自信を失う。

こうすればOK

出発前に基礎英語を固め、必要なら現地のESLサポートがある学区を選ぶ(必要な英語力)。

学年暦とビザ——カナダを選ぶときの制度の確認

POINT

国選びで最後に効くのは学年暦とビザの条件です。カナダは9月に学年が始まり、2セメスター制(1学期は約4〜5か月)。

出発の時期は現地の学年暦に合わせて決めます。日本の学年とのズレがあるため、「日本の何年生のいつ空けるか」と「現地の学年のどこに入るか」を並べて確認してください。学年の選び方は高校留学は何年生がいい?で整理しています。

カナダ留学の制度面の確認事項(2026年時点の目安・必ず政府公式で確認)

項目内容
学年暦9月に学年が始まり、2セメスター制(1学期は約4〜5か月)
就学とビザ6か月以内の就学は学生ビザ(Study Permit)不要とされ、6か月を超える場合は取得が必要。渡航にはeTAが必要
未成年の受け入れ保護者が同伴しない未成年には後見人(カストディアン)の宣誓書を求められるのが一般的。延長して学業を続ける可能性があるなら6か月以下でもStudy Permitの取得が推奨されている
単位認定日本の高校は外国の高校での学修を36単位を上限に認定できる(学校教育法施行規則第93条第2項)。認定するかは在籍校の判断

ビザ・渡航認証の制度と料金は改定が多いため、渡航前に必ず各国政府の公式情報で確認してください。期間によって必要な手続きが変わる点はターム留学とはでも整理しています。単位認定の確認事項は高校留学の単位認定にチェックリストがあります。

まとめ:まずは公立・1年を基準に検討を

カナダの高校留学は、公立の受入れ制度が整い、治安・多文化・費用と質のバランスに優れた定番の選択肢です。迷ったら「公立・1年(約250〜350万円)」を基準に、短期で試すか卒業まで目指すか、公立か私立か、どの州かを詰めていきましょう。次はカナダ高校留学の費用で総額を具体化し、留学タイプ診断で自分に合う形を確認するのがおすすめです。

Q.カナダの高校留学は1年でいくらかかりますか?

公立高校なら学費・滞在費・諸費用を合わせて年約250〜350万円が目安です。私立・全寮制は約500〜700万円と公立の2倍ほどになります。これに航空券・海外保険・小遣いが加わり、都市部や為替の影響で変動します。半年(1セメスター)ならおおむね半額が目安です。

Q.英語が話せなくてもカナダの公立高校に留学できますか?

多くの公立学区はESL(英語サポート)を用意しており、英語力がまだ十分でない留学生も受け入れています。ただし授業についていくには基礎的な英語力が必要です。出発前に英語を固め、ESLの体制が整った学区を選ぶと安心です。目安は高校留学に必要な英語力の記事で確認できます。

Q.カナダの高校留学にビザは必要ですか?

6ヶ月以上の留学には就学許可証(Study Permit)が必要です。6ヶ月未満の短期であれば原則不要です。ケベック州に6ヶ月以上通う場合は、就学許可証の前に州の受入れ許可(CAQ)も必要になります。要件は変わることがあるため、カナダ移民局の最新情報を確認してください。

Q.未成年でも一人で留学できますか?

できますが、未成年の留学生にはカストディアン(現地の法定後見人)の手配が必要です。多くの学区やエージェントが手配とホームステイの手配、現地サポートをセットで提供しています。ホームステイか学生寮での滞在が前提で、一人暮らしは認められません。

Q.1年留学したら日本の高校は留年しますか?

在籍校が留学中の学修を単位として認定できれば、留年せず進級・卒業できる場合が多いです。認定の可否や上限は学校ごとに異なるため、出発前に必ず在籍校へ相談してください。仕組みは高校留学の単位認定の記事で詳しく解説しています。

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