このページの要点
高校生の返済不要奨学金は、短期留学なら費用の大部分を、1年留学でも最大192万円+留学準備金35万円までを賄えます。
- 短期は効率が高い:文部科学省のトビタテ!留学JAPAN(高校生等対象)は14日の留学でも支給対象。北米へ2週間なら奨学金16万円+準備金35万円で、総額30〜60万円が目安の短期留学ではかなりの割合を賄えます(ただし奨学金の入金は帰国後)。
- 長期は枠そのものが小さい:1年(342日以上)で家計基準内・北米なら奨学金192万円が上限ですが、125日以上の計画は支援予定人数700名のうち20人程度。長期の資金をこの制度に依存する設計は成立しにくいと考えてください。
- 落ちる原因は成績ではなく計画:エージェントや滞在先そのものは「受入先機関」として認められません。要件を外した計画は、書類が丁寧でも通りません。
返済不要の奨学金は確かに存在しますが、「返済不要=家計負担ゼロ」ではありません。支給には対象となる費目が決められており、面接会場までの交通費のように自己負担で残るものもあります。また高校生の給付型は、成績や語学スコアよりも留学計画の中身と要件の適合で採否が分かれます。この記事では、期間別に実質いくら残るのかを計算し、採用の分かれ目になる要件と手続き上の関門を、募集要項の記載にもとづいて整理します。制度全体の地図は高校生の留学奨学金ガイドをご覧ください。
本記事の支給額・要件は、文部科学省・独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)の「トビタテ!留学JAPAN 新・日本代表プログラム(高校生等対象)第11期=2026年度」募集要項、および同「留学奨学金検索」の掲載内容にもとづきます(2026年7月時点)。第11期の応募は終了しており、次の期の金額・要件・日程は改定される可能性があります。応募時は必ず最新の募集要項と在籍校の担当者にご確認ください。費用の目安は当サイトの費用記事と同じレンジを用いています。
返済不要でどこまで賄えるのか——期間別の実質負担
POINT
給付型の効率は期間が短いほど高く、長いほど下がります。短期は費用の大部分を賄える一方、1年留学では差額が100万円単位で残るのが普通です。
トビタテ!留学JAPAN(高校生等対象)の奨学金は、留学期間の日数から算出した支給対象月数に応じて支給されます。14日以上が対象で、1回分から12回分まで階段状に増える設計です。家計基準内なら地域区分により1回分が16万円(北米・シンガポール・欧州・中近東)または12万円(アジア・大洋州・中南米・アフリカ等)、家計基準を超える場合は6万円です。加えて留学準備金がアジア21万円・その他の地域35万円(円安・物価高騰分の増額を含む)支給されます。制度の詳細はトビタテ!留学JAPAN 高校生ガイド、採用可能性はトビタテの倍率と採用の実態にまとめました。
これを当サイトの費用レンジに当てはめると、実質負担は次のようになります。
期間別・給付型でどこまで賄えるか(家計基準内・第11期の支給額で試算)
| 留学の形 | 費用の目安(総額) | 奨学金+留学準備金の上限 | 残る自己負担の目安 |
|---|---|---|---|
| 夏休みの短期(2週間・北米) | 30〜60万円 | 16万円+35万円=51万円 | 0〜10万円程度 |
| 夏休みの短期(2週間・アジア) | 30〜60万円 | 12万円+21万円=33万円 | 0〜30万円程度 |
| 1学期(約4か月・北米) | 1ターム80〜130万円/1セメスター約180万円前後 | 64万円+35万円=99万円(125日以上なら5回分80万円=ロング区分) | 0〜80万円程度 |
| 1年の交換留学(北米) | 参加費190〜250万円+渡航費・保険等20〜30万円 | 192万円+35万円=227万円 | 概算0〜55万円程度。ただし奨学金の対象は現地活動費・授業料相当額で、参加費のどこに充当できるかは派遣団体に確認 |
| 1年の私費留学(費用を抑えやすい国の公立:NZ等) | 150〜320万円 | 地域区分②のため144万円+21万円=165万円 | 0〜155万円程度 |
| 1年の私費留学(北米の公立) | 300〜400万円 | 192万円+35万円=227万円 | 75〜175万円程度 |
| 1年の私費留学(私立・ボーディング) | 500〜1,000万円 | 192万円+35万円=227万円 | 270〜770万円程度 |
表を読むうえで欠かせない前提が2つあります。1つは枠の偏り。第11期では、留学期間が125日以上の「ロング」の計画は支援予定人数全体のうち20人程度の採用予定とされていました。つまり表の下半分(1学期以上)は700名の枠のうちおよそ20名の領域で、1年留学の資金をトビタテに依存する設計は成立しにくいということです。長期を狙うなら主軸は留学団体系の奨学金(参加費全額型)や自治体の派遣に置き、トビタテは短期(124日以下)で使うのが実務的な使い分けになります。
もう1つは入金の時期です。留学期間124日以下の場合、奨学金は留学終了後に申請して総額が一括で振り込まれます(125日以上は毎月申請・翌月送金)。渡航前に受け取れるのは留学準備金だけなので、たとえば2週間の短期なら、プログラム費用と航空券は家庭で全額立て替え、帰国後に奨学金が入る流れです。表で「実質負担0〜10万円程度」となっていても、出発前に必要な現金は総額そのままです。
表から読み取れることは2つあります。1つは、短期留学は給付型と相性がよいこと。もう1つは、私立校やボーディングスクールを選ぶと給付型では埋まらないという事実です。「奨学金があるから私立でも大丈夫」という前提は成り立ちません。費用の内訳は高校留学の費用ガイド、短期の相場は高校生の短期留学の費用で確認してください。
交換留学は参加費に授業料・ホームステイ滞在費が原則含まれる一方、トビタテの奨学金は現地活動費および授業料相当額を支援の対象としています。参加費のどの部分にどう充当できるかは派遣団体との契約と制度の運用によるため、応募前に派遣団体と学校に確認してください。また他団体の給付型奨学金との併給には上限があります(後述)。
返済不要でも「出ないお金」がある
POINT
給付型の支給には対象費目が定められています。面接会場までの交通費、パスポート取得費、選考手数料、お小遣いなどは自己負担で残るのが一般的です。
トビタテ第11期では、奨学金は「留学計画の実行にかかる現地活動費及び授業料相当額」、留学準備金は「事前・事後研修参加費、往復渡航費、査証取得や予防接種等、留学準備にかかる費用の一部」を支援対象としています。一方、選考段階の費用は対象外です。面接審査は対面で実施され、会場は機構が指定し、その交通費は応募者の自己負担と明記されています。地方在住の家庭にとっては、これも実費として計上すべき項目です。
給付の対象になるもの/自己負担で残るもの
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 奨学金の対象 | 現地での活動費、授業料相当額 |
| 留学準備金の対象 | 事前・事後研修の参加費、往復の渡航費、査証取得、予防接種など準備にかかる費用の一部 |
| 自己負担で残りやすいもの | 面接審査会場までの交通費、パスポート取得費、団体の選考手数料、現地でのお小遣い、留学保険の上乗せ分、帰国後の諸費用 |
団体系の給付型も同じ構造です。三菱商事高校生海外留学奨学金はAFSプログラム参加費の全額を支給しますが、選考手数料・パスポートと査証の取得費・国内交通費は個人負担と明記されています。「参加費全額」という表現に安心せず、参加費の外側に何が残るかを必ず確認してください。交換留学で参加費に含まれない費目は交換留学の費用にまとめています。
避けたい
「返済不要の奨学金が取れたら費用の心配はなくなる」と考えて資金計画を止める
こうすればOK
対象外の費目を先にリスト化し、自己負担分だけで別に見積もる。採否が出る前でも、この部分は必ず必要になる
避けたい
採用されれば時間的な負担もないと考える
こうすればOK
事前研修(半日)と事後研修(1日)は参加必須。面接も対面で会場は指定される。学校の欠席や移動を含めた段取りを組んでおく
避けたい
私立校・ボーディングスクールを前提に、差額は奨学金で埋める計画にする
こうすればOK
給付型の上限(1年で最大192万円+準備金35万円)を先に置き、その範囲で成立する留学形態から検討する
返済不要は3タイプ。狙い方がまったく違う
POINT
給付型は公的(トビタテ)・団体や企業(AFS系など)・自治体の3タイプ。応募のタイミングと評価されるものが違うため、同じ準備では通りません。
返済不要奨学金の3タイプ比較
| タイプ | 評価される中心 | 応募のタイミング | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 公的(トビタテ!留学JAPAN) | 留学計画(探究テーマ)と実現性、帰国後の還元 | 渡航前年の12月〜1月(第二日程は4月) | 在籍高校を通した応募のみ。個人では出願できない |
| 団体・企業(三菱商事、AFSボランティア等) | プログラム選考と一体。学業・人物、経済的必要度 | 派遣プログラムの募集期間に合わせる(渡航の約1年前) | 対象プログラムに応募していることが前提 |
| 自治体 | 在住・在籍要件を満たすか、地域への還元 | 年度ごとの募集時期(学校経由の周知が多い) | 制度の新設・終了が頻繁。公式の要項で年度を確認 |
現実的な戦略は、この3タイプを「同時に1つずつ」進めることです。トビタテは学校と計画書を作る作業、団体系は派遣プログラムへの応募と同じ書類、自治体は在住要件の確認と締切の把握。準備の中身が違うので、片方の作業がもう片方を進めてくれるわけではありません。どこにどれだけ時間を割くかは、家庭の状況(家計基準・在住地・希望する留学形態)で決まります。制度全体の地図と時期の逆算は高校生の留学奨学金ガイドにまとめました。なお、この3タイプのうち団体・企業系は締切がもっとも早く、プログラムへの応募と同時にしか奨学金に申し込めない制度が中心です(民間の留学奨学金の探し方)。
給付見込みを引いた「残りいくら」を出す
対象外の費目まで含めた総額から給付上限を差し引くと、実際に用意すべき金額が見えます。
採用の分かれ目は成績ではなく「留学計画の要件」
POINT
トビタテは成績・語学スコアを必須としていません。代わりに、留学計画が制度の要件を満たしているかが厳密に見られます。とくに受入先機関の要件を外すと、内容が良くても対象外です。
第11期の募集要項では、受入先機関として認められない例が具体的に列挙されています。ここは多くの家庭が誤解する部分です。エージェントが用意したパッケージに申し込んだだけの計画は、そのままでは要件を満たしません。
受入先機関として認められないもの(トビタテ第11期の記載)
| 認められない例 | 例外・補足 |
|---|---|
| 日本に所在する法人・団体等 | 日本に所在する法人・団体等の海外事務所は認められる |
| 滞在先(ホームステイ先、寮、ホテル等) | 滞在先そのものは活動先ではない |
| 留学あっせん業者(留学エージェント、旅行代理店、現地ツアー会社等) | 留学計画の活動内容が、その業者の業務・活動に関するものである場合のみ認められる |
| 個人(親戚・知り合い、教師宅等) | 個人が経営する事業に関する活動を行う場合は、その法人・団体等が受入先機関として認められる |
さらに募集要項には、機構が留学あっせん業者やその留学プログラムを公認・認定することはない、と明記されています。エージェントのプログラムを利用する場合、それが制度の要件を満たしているかは応募者側で確認しなければなりません。「この会社のプログラムなら奨学金が使える」という説明があっても、判断の責任は家庭側に残るということです。
留学期間の数え方も独特です。支給の基準になるのは受入先機関で活動した日で、日本の出国日、国から国への移動日、帰国日は留学期間に含まれません。活動したことは受入先機関が発行する修了証明書等で証明する必要があります。「3週間の旅程」でも、活動日が14日を下回れば支給対象にならない可能性があるということです。
- 1活動先と活動内容を決める:大学、研究機関、企業、NPO、現地校など「探究活動を行う場所」を受入先機関として設定する。滞在先やエージェントは受入先機関にならない。語学学習のみの計画は支援の対象外で、語学学習は留学全体の準備過程または補助的な位置づけとして計画の一部に含まれる場合にかぎり対象になる。夏休みの語学研修をそのまま出すのではなく、そこで何を調べ、誰に話を聞き、何を明らかにするのかを計画に組み込む必要がある
- 2活動日で日数を数える:移動日・出国日・帰国日を除いて14日以上あるかを確認する
- 3探究のテーマを言葉にする:応募書類では留学計画の概要に加え、探究活動の内容と実現性、帰国後の発信(アンバサダー活動・エヴァンジェリスト活動)が問われる
- 4自由記述書を用意する:学内外での取り組み、高校卒業後の進路、成果を社会にどう還元するかを書く欄がある
- 5証明できる形にする:修了証明書等で活動を証明できる受入先かを事前に確認する
- 6渡航先の危険情報レベルを確認する:受入先機関の所在地が外務省「海外安全ホームページ」の危険情報・感染症危険情報で「レベル2:不要不急の渡航は止めてください」以上の地域は対象外。応募時点でレベル2以上でも選考には差し支えないが、留学開始時点または留学中にレベル2以上になると原則として奨学金の支給対象外になる
応募書類は日本語で作成し、応募申請期限後は差替えや訂正が一切認められません。面接で計画の変更を申し出ることはできますが、申し出たことで受理されるわけではないと明記されています。締切間際に作ると修正ができないため、校内締切の2〜3週間前に一度完成させる進め方が安全です。
見えない関門——校内選考と学校の体制
POINT
給付型で最初につまずくのは倍率ではなく学校の手続きです。応募は在籍高校を通じてのみで、学校側にも体制の要件があります。
トビタテ(高校生等対象)は「個人で応募申請することはできません」と明記され、応募から採用後の全手続きが在籍高校等を通して行われます。学校はオンラインシステムのアカウントを取得し、生徒の留学計画の内容を確認したうえで機構へ申請します。加えて、留学中の学修活動状況の管理体制、文部科学省の危機管理ガイドラインに対応できる危機管理体制、事務手続きを行う体制——この3点が学校側の要件です。
つまり、学校が「対応できない」と判断すれば応募の道が閉じます。前例のない学校では、制度の説明から始める必要があるかもしれません。保護者としては、次の順で進めるのが現実的です。
- 1留学の希望と、給付型奨学金を使いたい意向を早い段階で学校に伝える(担任・進路指導・国際交流担当)
- 2学校がその制度に応募実績があるか、オンラインの登録が済んでいるかを確認する
- 3校内の提出期限を聞く(機構の期限より前に設定される)
- 4家計基準の判定に必要な資料(生計維持者の収入・所得を示す書類)を早めに用意する。判定は学校が行う
- 5留学計画は学校の担当者と相談しながら作る(学校長が教育上有益な学修活動と認める必要がある)
この過程は、留学そのものの校内手続き(単位認定や在籍の扱い)と重なります。あわせて留学中の単位認定も確認しておくと、学校との相談が一度で済みます。
併給の上限を超えないように積む
POINT
返済不要を複数取れば負担が消える——とはなりません。トビタテには他団体の給付型との合計に上限があり、相手側の併給可否も確認が必要です。
第11期の応募要件では、留学中のインターンシップ等の報酬や他団体等から留学のための給付型奨学金を受ける場合、その総額が本制度による奨学金の総額を超えないこととされています(この計算に留学準備金は含めません)。さらに、相手方の団体が本制度との併給を認めているかを確認する必要があります。したがって、参加費全額が出る団体奨学金と公的な給付型を単純に足し上げる計画は成り立たない可能性があります。加えて、上限とは別に明確な併給禁止が1つあります。文部科学省の「社会総がかりで行う高校生国際交流促進事業(国費高校生留学促進事業)」の留学支援金は、トビタテとの併給ができないと要件に明記されています。ここは択一です。
実務上は、次のように整理すると迷いません。
- 主軸を1つ決める:金額が大きい制度(1年留学なら参加費全額型やトビタテ)を主軸に置く
- 併給できる小さな支援を重ねる:自治体の給付や、対象費目が異なる支援(渡航費のみ等)は重ねられる場合がある
- 相手側にも確認する:併給の可否は双方の要項で決まる。片方だけの確認では足りない
- 採用後に事情が変わったら申告する:支給額の変更や返還が必要になる場合があるため、自己判断で放置しない
不採用だったときの現実的な次の手
POINT
採否が出るのは渡航年の春です。不採用時の分岐を先に決めておくことが、留学そのものを流さないための鍵になります。
第11期では採否結果の通知が4月下旬〜5月下旬、留学開始が7月10日以降でした。ここで「奨学金が取れなかったら白紙」にしてしまうと、準備期間をまるごと失います。次の3方向のうちどれを取るかを、応募の時点で家族で決めておいてください。
主軸を切り替えたときに残る自己負担(1年・北米の公立を想定した概算)
| 主軸にする給付 | 給付の上限 | 残る自己負担の目安 |
|---|---|---|
| トビタテ(採用された場合) | 192万円+準備金35万円=227万円 | 75〜175万円程度 |
| 留学団体系(参加費全額型・交換留学) | 参加費相当(百万円単位) | 渡航費・保険・選考手数料・パスポート/査証・国内交通費などの実費 |
| 自治体の派遣(東京都の例) | 派遣費用の多くを自治体が負担 | 受講料80万円+諸経費70万円程度=約150万円(経済的理由・多子世帯は減免制度あり) |
| どれも取れなかった場合 | — | 総額そのまま。期間短縮・国の変更・国の教育ローンで埋める |
つまり「トビタテに落ちたら終わり」ではなく、主軸を差し替えると残る自己負担の形が変わるという話です。分岐ごとの判断材料はトビタテの倍率と採用の実態でも扱っています。
なお、トビタテでは過去に派遣留学生として採用された者は応募できない(本人の責によらず留学開始前に辞退した場合を除く)とされています。裏を返せば、採用に至らなかった場合の再挑戦は制度上あり得ますが、学年が上がると応募できる日程が変わるため、次の期の要項で必ず確認してください。ひとり親家庭の場合の組み立ては母子家庭からの高校留学、その先の進路まで見据えた資金配分は海外大学進学の奨学金が参考になります。
まとめ
高校生向けの返済不要奨学金は実在し、短期留学であれば費用の大部分を賄えます。一方で1年留学では、家計基準内・北米でも奨学金192万円+留学準備金35万円が上限で、交換留学の参加費190〜250万円や私費留学の費用に対して差額が残ります。私立校やボーディングスクールを前提にすると、給付型では埋まりません。また「返済不要」でも面接会場までの交通費やパスポート取得費などは自己負担で残り、事前・事後研修への参加も必須です。採否を分けるのは成績よりも留学計画で、エージェントや滞在先は受入先機関として認められず、活動日で14日以上を満たす必要があります。そして応募は在籍高校を通じてのみ。まず学校に相談し、対象外費目を含めた自己負担を先に見積もり、不採用時の分岐を決めてから動く——この順番が最も確実です。
Q.返済不要の奨学金だけで高校留学の費用は足りますか?
留学の形によります。3週間程度の短期留学(総額30〜60万円が目安)なら、トビタテ!留学JAPANの奨学金と留学準備金で大部分を賄える可能性があります。一方1年留学では、家計基準内・北米でも奨学金192万円+準備金35万円が上限で、交換留学の参加費190〜250万円や私費留学の費用に対して差額が残ります。私立校・ボーディングスクールでは給付型では埋まりません。
Q.成績や英語のスコアがなくても応募できますか?
トビタテ!留学JAPANは成績や語学試験のスコアを応募の必須要件としていません。評価の中心は留学計画(探究活動の内容と実現性)と、帰国後にどう還元するかです。文部科学省・JASSOの「留学奨学金検索」では「成績スコアが必須でない」「語学試験スコアが必須でない」条件で絞り込めます。ただし団体系の奨学金では「学業・人物とも優秀」を要件に掲げるものもあります。
Q.エージェントの留学プログラムでも奨学金は使えますか?
使える場合もありますが、注意が必要です。トビタテ第11期の募集要項では、留学あっせん業者(留学エージェント、旅行代理店等)は受入先機関として認められず、認められるのは留学計画の活動内容がその業者の業務・活動に関するものである場合のみとされています。また機構がエージェントやそのプログラムを公認・認定することはないと明記されており、要件を満たすかの確認は応募者側の責任です。なお語学学習のみを内容とする計画は支援の対象外なので、探究活動を行う機関を受入先機関として計画してください。
Q.返済不要の奨学金を2つ以上受け取れますか?
上限があります。トビタテ第11期では、他団体等から留学のための給付型奨学金を受ける場合、その総額が本制度の奨学金総額(留学準備金は含まない)を超えないことが要件とされ、相手方の団体が併給を認めているかの確認も必要でした。金額の大きい制度を主軸に決め、対象費目が異なる支援を重ねる形が現実的です。
Q.家庭から直接応募することはできませんか?
トビタテ!留学JAPAN(高校生等対象)は在籍高校等を通した応募のみで、個人での応募申請はできません。学校がオンラインシステムのアカウントを取得し、計画を確認して機構へ申請します。学校側にも学修管理・危機管理・事務手続きの体制要件があるため、まず担任や進路指導・国際交流の担当に相談してください。校内の提出期限は機構の期限より前に設定されます。
Q.不採用だったら留学は諦めるしかないですか?
いいえ。採否通知は渡航年の春(第11期は4月下旬〜5月下旬)なので、それまでに分岐を決めておけば動けます。期間を短くする・費用の安い国に変える・交換留学に切り替えるという総額の圧縮、留学団体系や自治体の給付型への切り替え、そして国の教育ローン(3か月以上の留学で450万円以内)での補完という3方向があります。応募の時点でどれを取るか家族で決めておくのが実務的です。
どの留学の形なら成立するか整理する
給付型で賄える範囲は留学の形で大きく変わります。期間・国・形態の組み合わせから検討の出発点を整理できます。









