このページの要点

母子家庭でも、給付型(返済不要)の奨学金・費用の安い交換留学・公的な貸付制度を組み合わせれば、高校留学は十分に目指せます。

  • まず給付型を最大活用:トビタテ!留学JAPAN(成績・語学力不問)やAFS・ロータリー等の返済不要の奨学金。
  • 費用そのものを下げる:学費・滞在費が軽減される交換留学、費用の安い国を選ぶ。
  • 不足は公的貸付で補完:母子父子寡婦福祉資金(自治体・低利/無利子)は貸付=要返済なので最後の補完に。

費用は母子家庭にとって最大のハードルですが、「給付型を最大限使い、足りない分を貸付で補う」という順番で組み立てれば、負担は大きく下げられます。この記事では具体的な制度と進め方を整理します。費用全体の考え方は高校留学の費用ガイドもあわせてご覧ください。

本記事の制度・金額は、文部科学省(トビタテ!留学JAPAN)・JASSO・各留学団体・自治体等の公開情報にもとづく一般的な情報です(2026年7月時点)。募集時期・条件・対象は毎年変わり、自治体ごとに制度が異なります。必ず各制度の公式情報とお住まいの自治体の窓口で最新情報をご確認ください。

結論:資金は「給付→費用削減→貸付」の順で組み立てる

POINT

順番が大切です。まず返済不要の給付型を最大限使い、次に費用の安いプログラムで総額を下げ、それでも足りない分だけを公的な貸付で補うと、返済負担を最小にできます。

母子家庭からの高校留学・資金の組み立て

ステップ手段ポイント
① 給付を最大化トビタテ・AFS・ロータリー等の返済不要奨学金まずここを厚くする(返済不要)
② 費用を下げる交換留学・費用の安い国総額そのものを圧縮する
③ 不足を補完母子父子寡婦福祉資金(貸付)要返済のため最後の手段に

① 返済不要(給付型)の奨学金を最大限活用する

POINT

最優先は返済不要の給付型。成績や語学力を問わない制度もあり、経済的に困難な家庭にも門戸が開かれています。

まず検討したいのが、返さなくてよい給付型の奨学金です。代表的なものを挙げます。支給額の実額や、返済不要でも自己負担として残る費目は返済不要の留学奨学金でいくら残るかで具体的に計算しています。

  • [トビタテ!留学JAPAN(新・日本代表プログラム)](/cost/tobitate-ryuugaku-japan-koukousei):文部科学省の取組で、民間寄附を原資とする返済不要の奨学金。成績・語学力を問わず、自由な留学計画で応募できるため、経済的に困難な家庭の生徒にも開かれています。
  • AFSの奨学金:企業協賛による奨学金が豊富で、家計状況を考慮した選考が多い。交換留学の選考と同時に奨学金審査が行われる制度もあります。
  • ロータリークラブの交換留学:食費・学費・滞在費が免除され、渡航費・査証関係費・保険代などのみの負担。もともと安い交換留学のなかでも特にリーズナブルです。
  • EILサポーター奨学金:高校生交換留学向けの、寄付を原資とした給付型奨学金。

給付型の多くは留学開始の半年〜1年前に募集が始まります。応募書類(エッセイ・成績証明など)は早めに準備し、複数の制度に併願できるよう条件を整理しておくと有利です。

② 費用そのものを下げる(交換留学・安い国)

POINT

奨学金と並行して、費用の低いプログラムを選べば総額を圧縮できます。交換留学と、費用の安い国の組み合わせが効果的です。

交換留学は非営利団体や学校間協定にもとづく仕組みが多く、授業料・滞在費が軽減されるため、私費留学より費用を抑えられます。さらに、費用の安い国(フィジーやニュージーランドなど)を選べば、総額そのものを下げられます。給付型奨学金と組み合わせると、実質負担はさらに小さくなります。

③ 不足分は公的な貸付で補う(母子父子寡婦福祉資金)

POINT

給付と費用削減でも足りない分は、公的な貸付制度で補えます。母子父子寡婦福祉資金は無利子または低利ですが、貸付=要返済である点に注意しましょう。

「母子父子寡婦福祉資金貸付金」は、各自治体(都道府県・指定都市・中核市)が窓口となる制度で、修学資金や就学支度資金など目的別に無利子または低利で借りられます。留学関連の学費に充てられる場合があるため、お住まいの自治体のひとり親支援窓口に相談してみてください。ただし、これは給付ではなく貸付(返済が必要)です。まず返済不要の給付型を使い切り、足りない分だけを補完する使い方が、返済負担を抑えるコツです。

1年間の留学費用をその場で試算

国と留学タイプを選ぶだけで、学費・滞在費・渡航費を含む概算費用を試算できます。

自治体・ひとり親家庭向けの制度も確認する

POINT

国の制度だけでなく、お住まいの自治体や地域の団体が、ひとり親家庭向けの給付型奨学金を用意している場合があります。地元の制度も必ず確認しましょう。

母子家庭に特化した返済不要の奨学金は、各地の自治体や団体にもあります。母子家庭・父子家庭、生活保護世帯の子どもなどを対象にした制度もあるため、居住する自治体の制度を確認してください。進学後を見据えるなら、高校卒業後に使える国の「高等教育の修学支援新制度」(給付型奨学金+授業料減免)や、JASSOの海外留学支援制度(協定派遣)といった支援もあります。お子さんが将来海外大学進学まで考えている場合は、大学段階でも使える給付型奨学金があるため、高校留学の段階から進路全体で情報を集めておくと選択肢が広がります。

申請の順番と時期——先に動くほど選択肢が増える

POINT

使える制度は複数ありますが、締切が渡航の1年前から始まるものがあります。順番と時期を押さえておかないと、制度が残っていても間に合いません。

給付型の奨学金は、多くが渡航の前年から募集を始めます。とくに学校を通して応募する制度は、校内の締切が機構や団体の締切より前に設定されるため、実質的な期限はさらに早まります。自治体の制度は年度ごとの募集で、在住・在籍の要件があります。貸付は比較的あとから動けますが、審査の期間を見込む必要があります。

動く順番と時期の目安

時期やること備考
渡航の1年〜1年半前在籍校に相談(留学扱いか休学扱いか/単位認定)。給付型の募集時期を調べる学校を通した応募が必要な制度がある
渡航の1年前給付型に応募(トビタテ等)。留学団体の奨学金はプログラム応募と一体校内締切は機構の締切より前
渡航の半年〜1年前自治体の制度を確認(在住・在籍の要件)教育委員会・国際交流協会に問い合わせる
渡航の3〜6か月前総額を確定させ、不足分の貸付を検討審査に時間がかかる。早めに窓口へ
渡航の1〜3か月前航空券・保険・ビザの支払い支出のピーク。給付の入金時期と合わないことがある

とくに注意したいのが入金の時期です。トビタテ!留学JAPANは留学期間124日以下だと奨学金が留学終了後の一括支給で、渡航前に受け取れるのは留学準備金のみです。つまり渡航前の支払いは家庭で立て替える前提になります。制度の詳細はトビタテ!留学JAPAN 高校生ガイドをご覧ください。

使えない制度も知っておく

POINT

「返済不要の制度」として紹介されていても、期間や併給の条件で使えないことがあります。先に外しておくと、限られた時間を無駄にしません。

  • 国費高校生留学促進事業:文部科学省の令和8年度予算資料(親事業は「初等中等教育段階からの国際交流促進事業」)では、支援金額が1人6万円、支援対象は原則10日以上1か月未満の短期派遣で、学校単位での応募が原則とされています。1年留学には使えません。またトビタテの募集要項では、この事業(同要項の表記は「社会総がかりで行う高校生国際交流促進事業」)の留学支援金との併給はできないと明記されています。自治体の支援全体の探し方は自治体の高校生留学支援にまとめています
  • トビタテの長期枠:125日以上の「ロング」の計画は支援予定人数700名のうち20人程度と枠が小さく、1年留学の主軸にはしにくい
  • 国の教育ローン:対象は修業年限3か月以上の学校。短期留学は対象外(融資限度額は3か月以上の海外留学で450万円以内、返済は最長20年)
  • 母子父子寡婦福祉資金:貸付=要返済。対象校は学校教育法上の学校が基準で、海外の高校が対象になるかは自治体ごとに異なるため、まず窓口で確認する

使える制度と使えない制度を先に分けると、残った選択肢に集中できます。全体の設計は高校生の留学奨学金ガイド、給付型で実際にいくら残るかは返済不要の留学奨学金でいくら残るかで計算しています。

手続きで迷ったときの相談先を整理しておくと動きやすくなります。奨学金は在籍校(学校を通した応募が必要な制度がある)、自治体の制度は教育委員会や国際交流協会、ひとり親向けの貸付は自治体のひとり親支援窓口、留学の内容は派遣団体が窓口です。制度ごとに窓口が違うため、1か所で全部が分かるわけではありません。早い段階でそれぞれに一報を入れておくと、締切を逃さずに済みます。

「返済不要でも足りない」前提で組む

POINT

給付型を取れても、総額の全部は賄えません。残る自己負担を先に出しておくと、実現できる形が見えてきます。

たとえばトビタテ!留学JAPANの場合、家計基準内なら支給対象月1回分あたり12万円または16万円と留学準備金(アジア21万円・その他35万円)が支給されますが、1年留学の費用(交換留学の参加費で190〜250万円、私費なら年200〜600万円)に対しては差額が残ります。しかも125日以上の長期計画は枠が小さく、1年をこの制度に依存する設計は成立しにくいのが実情です。

したがって現実的なのは、①費用の安い形(交換留学・費用を抑えやすい国・短めの期間)を選ぶ ②給付型を積む ③残りを貸付で埋めるという順番です。期間を1学期にすれば総額は4〜6割に下がり、給付型でカバーできる割合が上がります。給付型で実際にいくら残るかは返済不要の留学奨学金でいくら残るかで期間別に計算しています。

まとめ:あきらめる前に、制度を組み合わせて考える

母子家庭でも、給付型奨学金・費用の安い交換留学・公的な貸付を組み合わせれば、高校留学は現実的な選択肢になります。ポイントは「まず返済不要の給付を最大化し、費用そのものを下げ、足りない分だけ貸付で補う」順番です。制度は毎年変わるため、公式情報と自治体窓口で最新を確認しながら、高校留学の費用ガイドで総額の見通しを立てていきましょう。

Q.母子家庭でも高校留学はできますか?

できる可能性は十分にあります。返済不要の給付型奨学金を最大限活用し、費用の安い交換留学や国を選び、足りない分を公的な貸付で補う——この組み合わせで負担を大きく抑えられます。まずは制度を知ることから始めましょう。

Q.返済しなくてよい奨学金にはどんなものがありますか?

トビタテ!留学JAPAN(成績・語学力不問の給付型)、AFSの企業協賛奨学金、食費・学費・滞在費が免除されるロータリークラブの交換留学、EILサポーター奨学金などがあります。募集時期・条件は毎年変わるため、早めに公式情報を確認してください。

Q.母子父子寡婦福祉資金は留学に使えますか?

修学資金や就学支度資金など、目的によっては留学関連の学費に充てられる場合があります。ただし給付ではなく貸付(返済が必要)です。まず返済不要の給付型を使い切り、不足分の補完として利用するのがおすすめです。詳しくはお住まいの自治体のひとり親支援窓口にご相談ください。

Q.費用をできるだけ抑えるにはどの留学方法がよいですか?

授業料・滞在費が軽減される交換留学を軸に、費用の安い国(フィジーやニュージーランドなど)を選ぶと総額を抑えられます。これに返済不要の給付型奨学金を組み合わせるのが、もっとも負担の少ない進め方です。

Q.奨学金はいつから準備すればいいですか?

給付型の多くは留学開始の半年〜1年前に募集が始まります。エッセイや成績証明などの応募書類は早めに準備し、複数の制度に併願できるよう条件を整理しておくと有利です。

Q.自治体の支援はどこで調べればいいですか?

お住まいの市区町村・都道府県のひとり親支援窓口(子育て支援課など)で確認できます。母子家庭向けの給付型奨学金や貸付制度は自治体ごとに異なるため、地元の制度を直接問い合わせるのが確実です。

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