このページの要点

ターム留学の費用は期間の比どおりには下がりません。10週間なら1年の約4割、半年なら約6割が目安です。

  • 目安:4ターム制の国で1ターム(約10週間)ならおおむね80〜130万円、カナダの1セメスター(約4〜5か月)はおおむね180万円前後が目安(公立校・ホームステイの場合)。
  • 半額にならない理由:往復渡航費(10〜30万円)・保険・ビザ・手続き手数料・制服や教材費は期間が短くても発生します。期間に比例するのは授業料・滞在費・食費・お小遣いです。
  • 期間で使える制度が変わる:国の教育ローンは修業年限3か月以上の学校で450万円以内。トビタテは124日以下なら奨学金が留学終了後の一括支給なので、渡航前の支払いは立替になります。

ターム留学の見積りでつまずくのは、ほとんどが「期間が半分なら費用も半分」と考えてしまうケースです。実際には期間に比例しない費目がまとまってあり、しかも短くなるほどその比重が上がります。つまり1か月あたりの単価は、短期>ターム>1年の順に高くなります。この記事では費目を「比例する/しない」で分け、国別の総額の目安と単価を示し、そのうえで期間の刻み方によって使える奨学金・ローンがどう変わるかまで通しで扱います。費用を下げる打ち手も最後に整理します。

本記事の金額は、当サイトの国別・期間別の費用記事と同じレンジ(留学団体・学校・エージェントの公開情報にもとづく目安)を用いています(2026年7月時点)。1ターム(約10週間)の総額は、1年の総額レンジから期間比例分を按分し、期間に比例しない費目を加えて算出した目安です(式=期間に比例しない費目 約40〜60万円 + 期間比例分 月18〜26万円 × 2.5か月)。学校・都市・滞在形態・為替で変わります。奨学金・ローンの要件は文部科学省(トビタテ第11期募集要項)・日本政策金融公庫の公開情報にもとづきます。正確な金額は各プログラムの見積りと各制度の公式情報でご確認ください。

国別・期間別の総額の目安

POINT

同じ「1学期」でも、4ターム制の国(約10週間)と2セメスター制の国(約4〜5か月)では総額が倍近く違います。まず自分が検討する国の1タームの長さを確認してください。

期間別の総額の目安(公立校・ホームステイ・当サイト算出)

留学の形期間総額の目安1か月あたりの単価
短期(夏休み等)2〜4週間(0.5〜1か月)30〜60万円約30〜120万円
1ターム(NZ・豪)約10週間(約2.5か月)80〜130万円約32〜52万円
1セメスター(カナダ)約4〜5か月約180万円前後約36〜45万円
1年(NZ・豪・カナダの公立)10〜12か月220〜350万円約18〜35万円

この表の要点は、1か月あたりの単価は期間が長いほど下がるという点です。短期は「安く行ける」のではなく「総額が小さい」だけで、単価は最も高くなります(2週間で30万円なら1か月あたりでは60万円相当です)。1年留学の単価が最も低いのは、渡航費や手続き費といった固定費が長い期間で薄まるためです。国別の1年の総額はカナダの高校留学の費用オーストラリアの高校留学の費用ニュージーランドの高校留学の費用で内訳まで分解しています。

なお私立校やボーディングスクールを選ぶと総額は大きく上がります(1年で400〜1,000万円が目安。国と学校で幅が大きい)。ターム留学で私立を選ぶ場合は、上の表よりかなり高い水準になると考えてください。全体の相場観は高校留学の費用ガイドにまとめています。

国別の目安と、差が出る理由

POINT

同じターム留学でも国で総額が変わります。効いているのは授業料の水準・滞在費(都市か地方か)・渡航費・そして1タームの長さの4つです。

当サイトが国別記事でまとめている1年の総額レンジから、期間比例分を按分し、期間に比例しない費目(渡航費・保険・手続き費・制服等)を加えると、1タームの目安は次のようになります。あくまで算出値なので、実際は学校と都市で上下します。

国別・1タームの総額の目安(公立校・ホームステイ・当サイト算出)

1タームの長さ1年の総額(公立)1タームの目安費用に効く要素
ニュージーランド約10週間220〜320万円80〜120万円地方都市を選ぶと滞在費が下がる。学年は1月末〜2月開始
オーストラリア約10週間250〜350万円90〜130万円州で授業料と支払い方法が異なる。都市部は滞在費が高い
カナダ約4〜5か月(1セメスター)250〜350万円約180万円前後期間が長いぶん総額が上がる。未成年は後見人費用が必要な地域も
アメリカ(交換留学・J-1)約4〜5か月(1セメスター)年150〜200万円100〜150万円授業料・滞在費が原則無償のため総額を抑えやすい。学校や地域は選べない
アメリカ(私費・F-1)約4〜5か月(1セメスター)私費は公立系300〜400万円180〜250万円学校を選べるが高額。正規生として通うなら期間を問わず学生ビザが必要(ESTAでは就学できない)。F-1で公立校は通算12か月等の制限あり

表で分かるとおり、「どの国が安いか」より「1タームが何週間か」のほうが総額に効きます。10週間の南半球と4〜5か月のカナダでは、同じ「1学期」でも倍近い差になります。費用を抑えたいのであれば、まず期間の長さを揃えて比較してください。国別の内訳はカナダオーストラリアニュージーランドの費用記事で確認できます。

なぜ1年の半額にならないのか——費目を2つに分ける

POINT

費目は期間に比例するもの期間に関係なく発生するものに分かれます。後者があるため、期間を半分にしても費用は半分になりません。

期間に比例する費目/しない費目

区分費目ターム留学での考え方
比例する授業料、滞在費(ホームステイは月8〜15万円程度が目安)、食費、現地の交通費、お小遣い期間で按分して計算できる
比例しない往復渡航費(10〜30万円)、ビザ・渡航認証の申請費、エージェントの手続き手数料、入学審査料1年でもタームでも同額かかる。短いほど重く感じる
部分的に比例留学保険(1年で約20〜30万円が目安。期間で段階的に下がるが最低保険料がある)半分の期間で半額にはならないことが多い
学校で発生制服・教材費・ICT機器代・課外活動費・学校行事費在籍が短くても購入・支払いが必要になる場合がある
未成年特有ガーディアン(後見人)費用、空港送迎、緊急時サポート費国・学校により必須。カナダなど未成年に後見人を求める国では見積りに必ず含める

見積りを取るときは、この分類のどこまでが含まれているかを必ず確認してください。プログラム料金に授業料と滞在費だけが含まれ、渡航費・保険・制服・課外活動費が別というパターンが一般的です。短期留学でも同じ構造なので、比較の考え方は高校生の短期留学の費用と共通です。

避けたい

「1年で300万円だから1学期なら150万円」と概算して予算を組む

こうすればOK

期間に比例しない費目(渡航費・保険・手続き費・制服等)を先に固定費として積み、残りを期間で按分する

避けたい

プログラム料金=総額だと考える

こうすればOK

見積書に含まれない費目を書き出して合算する。制服・教材・課外活動費・お小遣い・通信費は漏れやすい

避けたい

ガーディアン費用を「必要なら払う」で後回しにする

こうすればOK

未成年の受け入れに後見人を求める国・学校があるため、必須かどうかを出願前に確認して見積りに入れる

期間の刻み方で、使えるお金の制度が変わる

POINT

ターム留学の期間は、資金制度の境目にちょうど乗ります。3か月以上か、125日以上か——ここで使える制度と入金のタイミングが変わります。

期間と資金制度の関係

期間国の教育ローントビタテ!留学JAPAN
2〜4週間(短期)修業年限3か月未満の学校は対象外14日以上で対象。奨学金は留学終了後に一括支給
約10週間(1ターム)対象は「修業年限3か月以上の学校」。滞在日数ではなく通う課程の修業年限で判断する対象。124日以下なので奨学金は留学終了後の一括支給(留学準備金は事前研修後・原則留学開始前)
3か月〜124日修業年限3か月以上の学校なら融資限度額450万円以内の対象対象。124日以下は留学終了後の一括支給
125日以上(1セメスター等)対象(450万円以内)「ロング」区分。第11期は支援予定人数全体のうち20人程度で枠が小さい。奨学金は毎月申請・翌月送金

実務上のポイントは2つです。1つは、トビタテの奨学金は短めのターム留学だと帰国後に入金されること。渡航費やプログラム費用の支払いは渡航前なので、その分は家庭で立て替える必要があります。もう1つは、国の教育ローンの対象が「修業年限3か月以上の学校」だという点です。対象外になるのは修業年限が3か月未満の学校なので、10週間のプログラムでも通う課程の修業年限が3か月以上なら対象になり得ます。滞在日数ではなく学校の修業年限で確認してください。制度の詳細はトビタテ!留学JAPAN 高校生ガイド高校生の留学奨学金ガイドで確認してください。

固定費と期間比例費を分けて試算する

期間を変えたときに総額がどう動くかを確認すると、無理のない期間を選べます。

支払いのタイミングと為替——「いつ払うか」も設計する

POINT

総額だけでなく支払いの時期を押さえてください。ターム留学の支出は渡航前に集中し、奨学金の入金は後になることが多いため、手元資金のピークが渡航直前に来ます。

一般的な流れは、申込時に登録料・入学審査料、出発の数か月前にプログラム料金の残額、出発1〜3か月前に航空券と保険、そして現地到着後に交通費やお小遣いという順序です。ここにトビタテの奨学金(124日以下は留学終了後の一括支給)を当てにしていると、渡航前の支払いに充てられません。使えるのは留学準備金(事前研修参加後・原則として留学開始前)までです。

支払いのタイミング(一般的な例)

時期主な支払い資金の出どころ
申込時(渡航の6〜12か月前)登録料・入学審査料手元資金
渡航の2〜4か月前プログラム料金(授業料・滞在費)の残額手元資金/教育ローン(3か月以上の留学なら対象)
渡航の1〜3か月前航空券・留学保険・ビザや渡航認証手元資金。留学準備金が間に合えば充当可
渡航後〜現地滞在中交通費・通信費・お小遣い・課外活動費手元資金・仕送り
帰国後トビタテの奨学金(124日以下は帰国後に一括入金)

もう一つの変動要因が為替です。現地通貨建ての請求は、見積り時と支払い時でレートが動くため、円換算の支払額が上下します。数十万円規模の請求では数万円の差になることがあるため、予算には5〜10%程度の余裕を持たせておくと安心です。分割払いが可能なプログラムでは、支払い時期を分けることで為替の影響を平準化できる場合もあります。

費用を下げる5つの打ち手

POINT

ターム留学のコストは、国・学校種別・期間の刻み方・手配方法で変わります。効果が大きい順に検討してください。

  1. 1公立校を選ぶ:私立・ボーディングは1年で400〜1,000万円が目安。総額に最も効くのは学校種別の選択
  2. 2費用水準の低い国・地域を選ぶ:同じ英語圏でも都市部と地方で滞在費が変わる。国別の比較は高校留学の費用が安い国を参照
  3. 3期間を制度に合わせる:渡航認証で就学できる範囲(多くの国で90日前後)に収めればビザ費用と手続き費を抑えられる。ただし単位認定や学習効果とのバランスで判断する
  4. 4給付型の奨学金を先に確認する:返済不要の制度は募集が渡航の前年から始まる。期間を決める段階で締切を確認しておく
  5. 5見積りを2〜3社で取り、含まれる費目を揃えて比較する:手続き手数料と、含まれない費目(保険・渡航費・制服等)の扱いが会社ごとに違う

逆に、費用を下げる目的で期間を極端に短くすると、後述の学習効果や単位認定の面で割高になることがあります。ひとり親家庭など資金面の制約が大きい場合は、給付型を厚くする組み立て方を母子家庭からの高校留学で整理しています。

見積りチェックリスト(そのまま使えます)

POINT

総額を出すときは、見積書に載っていない費目を自分で足す必要があります。以下を1つずつ埋めれば、抜けのない総額になります。

  • プログラム料金(授業料・滞在費・食費が含まれるか、期間は何週間か)
  • 入学審査料・登録料
  • 往復渡航費(10〜30万円が目安。時期により変動)
  • 留学保険(1年で約20〜30万円が目安。期間に応じた保険料を確認)
  • ビザ・渡航認証の申請費(学生ビザが必要な場合は所要期間も)
  • 予防接種・健康診断(国・学校の要件により)
  • ガーディアン(後見人)費用・空港送迎・緊急時サポート
  • 制服・教材費・ICT機器代・課外活動費・学校行事費
  • 現地の交通費・通信費(SIM)・お小遣い
  • 国内の準備費(パスポート・スーツケース・衣類・面接会場までの交通費など)

この10項目のうち、見積書に含まれるのはたいてい上から3つ程度です。残りを合算した数字が、実際に必要な総額になります。

まとめ

ターム留学の費用は期間の比どおりには下がらず、10週間なら1年の約4割、半年(1セメスター)なら約6割が目安です。4ターム制の国で1ターム(約10週間)ならおおむね80〜130万円、カナダの1セメスターはおおむね180万円前後(いずれも公立校・ホームステイ)。期間比どおりに下がらないのは、往復渡航費・保険・ビザ・手続き手数料・制服や教材費が期間に比例しないためで、その結果1か月あたりの単価は短期>ターム>1年の順に高くなります。さらに期間の刻み方によって、国の教育ローン(修業年限3か月以上の学校で450万円以内)やトビタテの区分(125日以上はロングで枠が小さい/124日以下は帰国後の一括支給)が変わります。見積書に含まれない費目を自分で足し、期間・国・学校種別を制度と噛み合わせて決めることが、ターム留学の費用設計の要点です。

Q.ターム留学の費用は総額でいくらですか?

公立校・ホームステイの場合、4ターム制の国で1ターム(約10週間)ならおおむね80〜130万円、カナダの1セメスター(約4〜5か月)はおおむね180万円前後が目安です(当サイトの1年レンジからの算出)。私立校やボーディングスクールを選ぶとこれより大きく上がります。学校・都市・滞在形態・為替で変わるため、必ず個別に見積りを取ってください。

Q.期間が半分なら費用も半分になりませんか?

往復渡航費(10〜30万円)・留学保険・ビザや渡航認証の申請費・エージェントの手続き手数料・制服や教材費などは、期間が短くても同じようにかかるためです。期間に比例するのは授業料・滞在費・食費・お小遣いだけです。そのため1か月あたりの単価は、短期・ターム・1年の順に安くなっていきます。

Q.ターム留学でも奨学金は使えますか?

使えます。トビタテ!留学JAPAN(高校生等対象)は14日以上の留学が対象で、家計基準内なら支給対象月1回分あたり12万円または16万円と留学準備金(アジア21万円・その他35万円)が支給されます。ただし留学期間124日以下の場合、奨学金の振込は留学終了後の一括支給です。渡航前の支払いは家庭で立て替える前提で計画してください。

Q.国の教育ローンは使えますか?

対象になり得ます。日本政策金融公庫の教育一般貸付(国の教育ローン)は、外国の教育施設に3か月以上留学する場合の融資限度額が子ども1人につき450万円以内(それ以外は350万円以内)、返済期間は最長20年(据置期間は在学期間内)です。対象外となるのは修業年限が3か月未満の学校なので、10週間のプログラムでも通う課程の修業年限が3か月以上なら対象になり得ます。世帯年収の上限は扶養する子ども1人で790万円以内、2人890万円以内、3人990万円以内(所得はそれぞれ600・690・790万円以内)ですが、海外留学資金の場合は上限を超えるときの特例(子ども1人または2人で世帯年収990万円以内・所得790万円以内)があります。金利や条件は改定されるため公庫の公式情報で確認してください。

Q.見積りで見落としやすい費用は何ですか?

制服・教材費・ICT機器代・課外活動費、ガーディアン(後見人)費用、空港送迎、通信費(SIM)、お小遣い、そして国内の準備費です。プログラム料金には授業料・滞在費・食費までしか含まれないことが多く、これらは別途発生します。本文の「見積りチェックリスト」の10項目を1つずつ埋めると抜けを防げます。

Q.費用を抑えるなら期間を短くすべきですか?

総額は下がりますが、1か月あたりの単価は上がり、学習効果や単位認定の面で割高になることがあります。総額に最も効くのは学校種別(公立か私立か)と国・都市の選択です。期間を短くする場合は、渡航認証で就学できる範囲に収めてビザ費用を抑えるといった制度面の工夫と組み合わせて判断してください。

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含まれる費目が会社ごとに違うため、比較の軸を揃えることが大切です。情報整理にお使いください。