このページの要点

AFSの評判は口コミではなく、AFS自身が公表している決算・参加費・合格基準・定員の4数字で判断できます。

  • 規模は決算に出ている。2025年度決算要約で派遣事業274人・対象国38か国・地域、受入事業475人。募集は約300人なので、募集枠と実際に出発した人数はほぼ同じ規模です。
  • 費用は参加費だけで終わらない。参加費は145万円〜250万円(第74期)ですが、公式FAQが「50万円程度はプログラム参加費に追加で必要」と明記しています。実質195万〜300万円と見ておく必要があります。
  • 受かるかどうかの基準は公開されている。応募には英検®CSEスコアが必要で、アメリカ1980以上・その他1728以上・アジア中南米のみなら1456以上。成績はスイスのみ上位1/4以上、他は「中程度」です。

AFS日本協会は公益財団法人です。だから決算も、参加費の幅も、合格に必要な英語力の数値も、国ごとの募集定員も、自分のサイトで公開しています。「評判はどうですか」という問いに対して、体験談を集めるより先に見るべきなのはこちらです。体験談は書いた人の派遣先・支部・ホストファミリーに強く依存しますが、決算と募集要項は誰が見ても同じ数字だからです。この記事では、その4つ(実績・費用・合格基準・行ける国)を公式情報から確認し、最後に体験談でしか分からないことと、公式を見れば分かることの線引きを示します。

本記事の数値は、公益財団法人AFS日本協会の公式サイト(2025年度・2024年度の決算要約PDF、年間留学プログラムページ、同FAQ、奨学金一覧)と、同協会名義のプレスリリース(2026年2月16日)を、当サイトが2026年9月14日に取得して整理したものです。当サイトはAFS日本協会と提携関係にありません。募集要項・参加費・定員・選考日程は期(年度)ごとに変わり、募集状況は日々更新されます。本文の数値は取得時点のもので、応募を検討する際は必ず公式サイトと『プログラム案内』で最新の情報をご確認ください。なお本文中で「当サイト集計」と書いた数値は、公式が公表した表を当サイトが合計したものであり、AFSが公表した数値そのものではありません。

結論:評判は「AFSが自分で出している4つの数字」で確かめる

POINT

口コミは派遣先と支部で大きく変わるため、団体の評価には使いにくい情報です。一方、公益財団法人は事業の実績と条件を公表しています。まずそちらを見てください。

「AFS 交換留学 評判」で上位に出るページを実際に読むと、体験談ブログか、公式サイトの転記か、そのどちらかです。体験談は貴重ですが、AFSの体験は派遣先の国・配属された地域・ホストファミリー・支部のボランティアによって大きく変わります。実際、公式FAQは「配属地域やホストファミリーやホストスクールを希望/指定することは出来ません」と明言しています。つまり同じ団体に申し込んでも、経験する内容は人によって別物になる前提の仕組みです。1人の体験談を団体の評価として読むと、判断を誤ります。

代わりに使えるのが、AFSが公益財団法人として公表している情報です。交換留学の派遣団体の選び方で書いたとおり、公益法人には情報公開の仕組みがあり、株式会社の留学エージェントにはこれがありません。AFSの場合は決算要約まで自社サイトに置いています。次の4つが、体験談より先に見るべき数字です。

AFS交換留学の「評判」を確かめる4つの数字(2026年9月14日時点の公式公表値)

確かめること見る場所公表されている数字
本当にその規模で動いているか決算要約PDF(法人情報ページ)2025年度 派遣事業274人/対象国38か国・地域(受入事業475人・77か国・地域)
いくらかかるかプレスリリース+年間留学FAQ参加費145万〜250万円+「50万円程度はプログラム参加費に追加で必要」
うちの子は受かるか年間留学プログラムFAQ英検®CSE 1980/1728/1456(希望国により異なる)、アメリカはELTiS689点/800点
希望の国に行けるか年間留学プログラム「応募できる国」44の募集枠に定員と募集状況を明示(当サイト集計で定員合計303人・うち24枠が募集終了)

この4つは、すべてあなたが今すぐ同じページを開いて確かめられるという点が重要です。以下、1つずつ中身を見ていきます。

数字①:2025年度の派遣は274人。募集約300人とほぼ同規模

POINT

AFSは決算要約を自社サイトで公開しており、その年に何人を送り、何人を受け入れたかが1行で分かります。募集人数と実績の差を見れば、団体の実体が掴めます。

決算要約に書かれている「派遣事業274人」

AFS日本協会の「2025(令和7)年度公益財団法人AFS日本協会決算要約」(会計期間は2025年1月1日〜12月31日)には、事業内容の欄に「派遣事業 274人」「対象国 38か国・地域」「受入事業 475人」「対象国 77か国・地域」と並べて記載されています(前2行が派遣、後2行が受入です)。前年の2024年度決算要約では派遣事業322人・受入事業567人でした。

派遣より受入のほうが多い。その意味

ここから読み取れることが2つあります。1つは、AFSは「送り出す団体」であると同時に、それ以上の規模で「受け入れる団体」だということです。2025年度は派遣274人に対し受入475人で、受入が約1.7倍あります。交換留学という言葉のとおり、日本に来る留学生を受け入れるホストファミリーの確保が事業の柱になっています。公式FAQにも「応募時までにAFS留学生のホストファミリーになっていただいた方、または一定期間までに受け入れ予定がある方には、選考試験における優遇制度も設けています」とあります。受け入れる側に回ると選考で有利になるという設計です。

もう1つは、募集人数と実績の距離が近いことです。AFS日本協会名義のプレスリリース(2026年2月16日)は、第74期の募集人数を「約300人」としています。直近の派遣実績が274人・322人ですから、募集の数字が実態からかけ離れていないと確認できます。この確認ができるのが、決算を公開している団体の強みです。

AFS日本協会の決算要約に記載された事業規模(各年度の決算要約PDFより。金額は千円)

2024(令和6)年度2025(令和7)年度
派遣事業322人/対象国38か国・地域274人/対象国38か国・地域
受入事業567人/対象国77か国・地域475人/対象国77か国・地域
事業収益785,504776,880
受取補助金等(経常収益)305,875264,557
受取寄付金(経常収益)171,472157,048
正味財産合計(期末)915,768934,403

表の下3行にも目を向けてください。経常収益のうち、参加費などの事業収益以外に、補助金と寄付金が合わせて4億円規模あります(2025年度は受取補助金等264,557千円+受取寄付金157,048千円)。これが参加者の3人に1人にあたる約100名分の奨学金枠の原資にあたります。営利企業の留学エージェントに寄付金収入という項目はありません。費用の一部を寄付と補助金で賄う構造になっているかどうかは、団体の性格を見るうえで実用的な指標です。

数字②:参加費145万〜250万円。ただし「+50万円程度」が公式の前提

POINT

AFSは参加費を国別には公開していませんが、幅は公表しています。そして公式FAQが、参加費以外に50万円程度が必要だと明記しています。総額は195万〜300万円と見るのが安全です。

参加費について、AFS日本協会のプレスリリース(2026年2月16日)は「プログラム参加費(145万円〜250万円)を全額、または一部支援する奨学金が100人以上に受給枠で用意されています」と書いています。国ごとの内訳は、資料請求で入手する『プログラム案内』に載る形で、ウェブ上では公表されていません(当サイトが2026年9月14日に確認した範囲)。ネット上のまとめ記事には国別の金額を載せているものがありますが、期が変わると改定されるため、古い期の数字が残っている可能性があります。金額は必ず最新の『プログラム案内』で確認してください。

公式FAQが「50万円程度はプログラム参加費に追加で必要」と書いている

そして、ここがいちばん見落とされる点です。AFSの年間留学プログラムFAQは「プログラム参加費以外にも費用がかかりますか」という質問に対し、「派遣先や個々の状況にによって異なりますが、50万円程度はプログラム参加費に追加で必要となります。」と回答しています(原文ママ)。つまりAFS自身が、参加費だけでは足りないと公式に告知しているわけです。

AFS年間派遣プログラムで見込むべき総額(第74期。参加費の幅はプレスリリース、追加額はFAQの記載による)

項目金額根拠
プログラム参加費145万円〜250万円(派遣先国により異なる)AFS日本協会プレスリリース(2026年2月16日)
参加費に含まれない費用50万円程度年間留学プログラムFAQ「50万円程度はプログラム参加費に追加で必要となります。」
見込むべき総額約195万円〜約300万円上記2つの単純加算(当サイトによる計算)
選考の受験料27,500円(再応募FAQの記載から)奨学金FAQ「受験料27,500円を再度お支払いいただきます。」

表の「見込むべき総額」は当サイトによる単純加算です。AFSがこの合計額を公表しているわけではありません。また「50万円程度」に何が含まれるかはFAQ上は明示されておらず、『プログラム案内』31ページの「プログラム参加費に含まれないもの」を参照するよう案内されています。受験料27,500円も、再応募に関するFAQの記述から当サイトが読み取った金額で、料金表として公表されているものではありません。実額は必ず『プログラム案内』でご確認ください。

なお保険については、FAQが「全ての参加生が医療保険に加入します。補償内容は傷害治療費、疾病治療費などで、保険年度ごとに50〜150万米ドルが補償されます(受入国により上限額が異なります)。第三者賠償責任や携行品損害は対象外です」としています。費用は参加費に含まれる一方、対象外の範囲があるため、AFS自身が「ご自身でも任意保険に加入いただくことを強く推奨しています」と書いています。任意保険の保険料は、上の「50万円程度」とは別に考えるほうが安全です。留学保険の考え方は高校生の留学保険で整理しています。費用全体の比べ方は交換留学の費用もあわせてご覧ください。なお同記事は団体を横断した目安として総額260〜370万円を示していますが、これは参加費の基準(190〜250万円)も、渡航費を参加費の外に置くかどうかも本記事と揃っていません。本記事の195万〜300万円は、AFSが公表した参加費145万〜250万円に公式FAQの「50万円程度」を足したものです。基準の違う総額どうしを引き算しないでください。

数字③:合格基準は公開されている。英検®CSEスコアで足切りがある

POINT

「試験が難しい」という体験談は多いものの、実際の基準は公式FAQに数値で書かれています。希望国によって必要な英語力が3段階に分かれる点が重要です。

AFSの選考は、応募書類(英検®の証明書+在学校からの推薦書)と、オンラインの個人面接で構成されます。アメリカを希望する場合は、これに加えてAFSが実施するELTiS試験があります。応募の時点で必要な英語力は、希望する国によって3段階に分かれます。

AFS年間派遣プログラムの応募に必要な英語力(年間留学プログラムFAQの記載より)

希望する国必要なスコア英検®の級の目安
アメリカを希望する場合英検®CSEスコア1980以上2級相当以上
アメリカ以外を希望する場合英検®CSEスコア1728以上準2級相当以上
アジア・中南米のみを希望する場合英検®CSEスコア1456以上3級相当以上
アメリカ希望者の追加試験ELTiSで800点満点中689点選考通過後にAFSが実施

この表から分かるのは、アメリカを希望するかどうかで求められる英語力が2段階変わることです。逆に言えば、アジア・中南米に絞れば英検3級相当から応募できます。英語ができないとAFSには手が届かない、という印象は、アメリカ基準だけを見た結果であることが多いのです。なお英検®以外では、ケンブリッジ英語検定・GTEC・IELTS・TEAP・TEAP CBT・TOEFL iBT・TOEIC L&R+S&W・Duolingo English Testの証明書でも受け付けるとされていますが、FAQは「AFS独自の方法により換算し、換算得点の開示はしません」としています。換算後に足りているかどうかは事前に分からないので、可能なら英検®のスコアで応募するほうが確実です。英語力の準備は高校留学に必要な英語力で詳しく扱っています。

成績にも基準がある。しかも受入国側の審査が別にある

成績についても基準があります。FAQは「スイス派遣の場合は学業成績上位1/4以上、その他の国は学業成績が中程度であることが必要です」としています。学年順位を出さない高校の場合は「通知表の平均値や定性的な学業態度などから総合的に判断していただいてください」とされ、応募時の和文推薦書に先生が成績順位を入力する欄があります。さらに一次合格後には過去3年分の英文成績証明書を提出して受入国の審査に進みます。日本の成績は関係ないという誤解がありますが、受入国側の審査が別に存在する点は押さえておいてください。

避けたい

体験談で英語の試験が難しかったと読んで、応募をあきらめる

こうすればOK

公式FAQの数値基準を見る。アジア・中南米のみの希望なら英検®CSE1456(3級相当)から応募できる。まず基準を満たすかを機械的に確認する

避けたい

英検®以外のスコア(TOEFLやIELTS)で足りるだろうと考えて応募する

こうすればOK

AFSは換算得点を開示しないと明記している。足りるかを事前に知りたいなら、英検®CSEスコア証明書を用意しておく

避けたい

「成績は中程度でよい」とだけ読んで、成績証明書の準備をしない

こうすればOK

一次合格後に過去3年分の英文成績証明書が必要になる。発行に時間がかかる学校もあるため、応募前に事務室へ確認しておく

数字④:C日程では44枠中24枠が募集終了。行ける国は日程で決まる

POINT

AFSは国ごとの募集定員と募集状況を公開しています。これは応募する日程が遅いほど選べる国が減るという意味で、費用より先に確認すべき情報です。

AFSの年間派遣プログラムは、応募日程がA・B・Cの3つに分かれています。第74期(2027年出発)の日程は次のとおりです。

第74期(2027年出発)の応募受付期間と選考試験日(年間留学プログラムページの記載より)

日程応募受付期間選考試験日ELTiS試験日(アメリカ希望者)
A日程2026/4/6〜5/26 正午2026/6/6 または 6/72026/6/12 17:00開始
B日程2026/6/18〜7/14 正午2026/7/262026/7/31 17:00開始
C日程2026/8/21〜9/29 正午2026/10/112026/10/16 17:00開始

公式は応募受付期間の欄で、B日程とC日程の行の末尾に「※募集継続国のみ」と注記しています。そこでC日程の受付中である2026年9月14日時点で、「応募できる国」の表がどうなっているかを当サイトが数えました。表には国・地域と出発時期(冬組・夏組)の組み合わせで44の募集枠が並び、定員の合計は303人です(プレスリリースの「約300人」と整合します)。表に現れる国・地域の表記は37種類で、「ドイツ」と「ドイツ(セメスター)」を同じ国として畳むと36になります(ベルギーはオランダ語圏・フランス語圏が別の行として掲載されているため、2件と数えています)。募集状況の内訳は次のとおりです。

第74期「応募できる国」の募集状況(2026年9月14日時点・C日程受付中。**枠数と定員の合計は当サイトによる集計**)

募集状況枠数(44枠中)定員の合計主な国
募集中19枠196人アメリカ(50人)、イタリア夏(30人)、フランス(18人)、フィンランド(12人)、ハンガリー(10人)、フィリピン(10人)、メキシコ(10人)ほか
募集終了24枠99人ドイツ通年(冬8人・夏13人)とドイツ(セメスター)冬2人、スイス(冬3人・夏7人)、オーストリア(5人)、ノルウェー(3人)、ポーランド(4人)、ポルトガル(3人)、イタリア冬(5人)、ニュージーランド(4人) ほか
募集中止1枠8人マレーシア(冬組)

定員の数で見れば6割以上(196人分)が残っていますが、それはアメリカ50人とイタリア夏30人という大きな2枠が開いているためです。枠の数で見ると、44枠のうち24枠がすでに閉じています。そして閉じているのはスイス・オーストリア・ノルウェー・ポーランド・ポルトガルといった欧州の人気国です。ドイツも注意が要ります。1学年間(通年)の枠は冬組8人・夏組13人とも締め切られ、5か月のセメスターも冬組2人が終了しており、残っているのはセメスター夏組の2人分だけです。つまり、「1年間ドイツへ」という希望でC日程から動き始めた家庭は、この期にはもう応募できません(5か月のセメスターなら、まだ2人分の枠があります)。

これは評判の良し悪しではなく、動き出す時期の問題です。AFSのFAQも「国によって定員が設けられていること、奨学金は原則A・B日程での受付となることから、できるだけ早い日程での応募をお勧めします」と書いています。行きたい国が決まっている場合、AFSで実質的に選べるのはA日程だけと考えるのが現実的です。留学全体の逆算スケジュールは高校留学の準備で整理しています。

評判で語られない制度上の事実:AFS留学生は「聴講生」

POINT

現地校の成績証明書は発行されず、卒業認定も受けられません。日本の高校の単位認定を受けられるかどうかは、在籍校の判断に委ねられます。

体験談にはほとんど出てこないのに、進路に直結する事実があります。AFSのFAQは「AFS留学生はあくまで聴講生という形で現地の学校に通学しますので、ホストスクールからの公式な成績証明書は発行されません」、また「卒業認定を受けることはできません」と明記しています。

では日本の高校で1年分の単位はどうなるのか。同じFAQは、文部科学省の学校教育法施行規則第93条第2項に触れ、「校長は、留学することを許可された生徒について、外国の高等学校における履修を高等学校における履修とみなし、36単位を超えない範囲で単位の修得を認定することができる」と紹介したうえで、「学校によって異なりますので、応募を検討する時点で担任や担当の先生に相談しましょう」としています。条文が「認定することができる」と書いているとおり、認定するかどうかは校長の裁量です。AFSが保証できる部分ではありません。

  1. 1在籍校に「留学」として扱ってもらえるかを先に確認する。扱いが「休学」になると、原級留置(留年)の可能性が出てきます。→ 高校留学と留年
  2. 2単位認定の上限と、認定に必要な書類を担任・教務に確認する。成績証明書が出ない前提で、何をもって履修を証明するかを詰めておく必要があります。→ 高校留学の単位認定
  3. 3帰国後の学年と大学受験の組み立てを先に決める。FAQによれば必要に応じて「出席証明書などの作成を生徒本人より依頼するケースもあります」とされ、生徒の自己責任と書かれています。→ 高校留学と大学受験

もう1つ、生活面の制約も公式に書かれています。出国・帰国はAFSが指定する日程と便に限られ、変更できません。一時帰国は「基本的に認められていません」とされ、必要な場合はその時点でプログラムが終了(早期帰国)となることがあります。留学中の旅行や、日本の保護者が現地で面会する場合もAFSへの申請が必要です。自由度の低さは、安全管理の仕組みの裏返しです。これを窮屈と感じるか、安心と感じるかは家庭によって分かれます。

195万〜300万円を、他の選択肢と並べて見る

国と留学タイプを選ぶだけで、学費・滞在費・渡航費を含む概算費用を試算できます。交換留学の総額と、私費留学や短期留学の費用を同じ土俵で比べてください。

奨学金は「3人に1人」。ただし応募と同時申請でないと間に合わない

POINT

AFSの奨学金は返済不要の給付型で、参加者の約3分の1に支給枠があります。ただしプログラム応募と同時申請が必須で、後から申し込むことはできません。

AFSの奨学金一覧ページには、「プログラム参加者の1/3の約100名分の支給枠あり」「全額支給の奨学金あり」「AFSが応募窓口の奨学金は、すべて「給付」型」と明記されています(「給付」型と書かれているのはAFSが応募窓口になるものについてで、他団体が窓口の奨学金の条件は各団体の募集要項によります)。募集人数約300人に対して約100名分ですから、比率としては小さくありません。主なものを挙げます。

AFS年間派遣プログラムの主な奨学金(奨学金一覧ページより抜粋。2026年9月14日時点)

名称金額人数主な対象
三菱商事高校生海外留学奨学金プログラム参加費全額50名学業・人物とも優秀で、経済的に本奨学金がなければ留学が困難な者
JBS海外留学奨学金1人あたり200万円以内(参加費全額を上限)最大3名IT系国家資格またはマイクロソフト社の資格取得者
リジェネロン・サイエンス・スカラーシップ130万円5名理系志向でSTEM分野に強い関心または実績がある者(第74期から新設)
AFSボランティア奨学金50万円3名経済的必要度の高い者
田口福寿会AFS留学生奨学金(岐阜県)100万円5名留学時、岐阜県在住かつ県下の高校・高専に在籍する者
AFSどさんこ奨学金(北海道)【C日程応募可】60万円(参加費支援金50万円+留学準備金10万円)2名留学時、北海道内に在住、又は道内の高等学校・高等専門学校・専修学校高等課程在学者で、経済的必要度の高い者
AFS山形ふるさと奨学金(山形いぐべ奨学金)【C日程応募可】50万円2名留学時、山形県内の高等学校・高等専門学校・専修学校高等課程在学者で、経済的必要度の高い者
(公財)新潟市国際交流協会 高校生留学奨学金 【C日程応募可】70万円若干名保護者が新潟市内に住所を有している、又は新潟市内の高校・高専・専修学校高等課程・中学校に在学している者ほか
公益財団法人公文国際奨学財団(窓口はAFS以外100万円15名AFS年間派遣プログラム内定者。このグループは公式が「前年度または前々年度実績」と注記しており、今期の募集は各団体に直接確認が必要

運用面で必ず知っておくべきことが3つあります。第一に、「全国対象」「地域限定」の奨学金はプログラムへの応募と同時に申し込みが必要で、公式は「応募完了後に奨学金のみの申請はできません」としています。第二に、AFSが応募窓口となる奨学金は原則A日程とB日程から募集され、公式も「募集定員が少ない奨学金については、A日程で受給対象者が決まった場合、B日程以降では募集しない可能性があります」と書いています。第三に、併願は可能だが、AFSで受け付けている奨学金同士は原則併給できません

つまり奨学金を厚く狙うなら、実質的にA日程です。C日程まで待つと、行ける国が減るだけでなく、奨学金の枠も埋まっている可能性が高くなります。ただし例外があります。奨学金一覧には【C日程応募可】と明示された地域限定の奨学金が3件あり(AFSどさんこ奨学金60万円・2名、AFS山形ふるさと奨学金50万円・2名、(公財)新潟市国際交流協会 高校生留学奨学金70万円・若干名)、対象地域に該当する家庭はC日程からでも申請できます。北海道・山形県・新潟市にお住まいなら、締め切り間際でもあきらめる必要はありません。民間の奨学金を含めた全体像は高校生の留学奨学金民間の留学奨学金で扱っています。なお、辞退に関する注意もあります。奨学金FAQは「一次合格後の取りやめには辞退金が発生します」としており、金額は『プログラム案内』巻末の参加規程に記載されるとのことです。申し込む前に、辞退したときにいくら払うのかを必ず読んでください。

AFSの評判を自分で検証する手順

POINT

公式サイトで見る4点と、公益法人informationで見る1点。合わせて30分程度で、団体の実体はおおむね把握できます。

この記事の数値は2026年9月14日時点のものです。期が変われば参加費も定員も変わるので、手順そのものを残しておきます。次の順番で見てください。

  1. 1決算要約を開く:AFS日本協会の「事業概要と組織」ページに、年度ごとの決算要約PDFが置かれています。まず派遣事業の人数と対象国数を見ます。これが団体の実規模です。募集人数と桁が違う場合は、その理由を問い合わせる価値があります。
  2. 2「応募できる国」の表を見る:行かせたい国が募集中か・募集終了か・募集中止かを確認します。定員も書かれているので、狭き門かどうかが分かります。閉じている国が多い時期に相談を始めても手遅れです。
  3. 3FAQで英語力の基準を確認する:希望国に応じた英検®CSEスコアの閾値を確認し、手元の証明書で足りるかを機械的に判定します。足りなければ、次の英検®受験日から逆算します。
  4. 4『プログラム案内』を取り寄せて、参加費と参加規程を読む:ウェブでは国別の参加費が公開されていません。巻末の参加規程(辞退金)と、31ページの「参加費に含まれないもの」は必ず読んでください。ここを読まずに申し込むと、後から金額が動きます。
  5. 5公益法人informationで第三者の記録を見る:内閣府の「公益法人information」(koeki-info.go.jp)の法人検索で「AFS日本協会」を検索すると、行政庁に提出された事業報告等の公開情報を確認できます。法人サイトの掲載内容と突き合わせられるのが利点です。

避けたい

口コミサイトやSNSで「AFS 評判」を検索し、良し悪しの印象で決める

こうすればOK

体験は派遣先と支部で別物になる前提(配属地域・ホストファミリーは指定できない)。団体の評価は決算・定員・基準で行い、体験談はどんな1年になり得るかの幅を知るために読む

避けたい

まとめ記事に載っている国別の参加費をそのまま予算にする

こうすればOK

期ごとに改定される。公式が公表しているのは幅(145万〜250万円)のみ。国別の実額は『プログラム案内』で取り直す

避けたい

参加費だけで資金計画を立てる

こうすればOK

公式FAQが「50万円程度はプログラム参加費に追加で必要となります。」と明記している。195万〜300万円を前提に、奨学金の申請可否を含めて計画する

避けたい

高校3年の夏に「来年行かせたい」と相談を始める

こうすればOK

奨学金は実質A日程が本番で、人気国もA・B日程で埋まる。出発の1年以上前、前年の春に動き出す。ただし【C日程応募可】と明示された地域限定奨学金(北海道・山形県・新潟市)は例外なので、該当地域なら一覧を確認する

そもそも交換留学が合っているかを確かめる

交換留学は現地の10代の生活を体験するためのプログラムで、学校の成績や卒業資格を得る仕組みではありません。お子さんの目的に合う留学タイプを、いくつかの質問から整理できます。

まとめ:4つの数字を見れば、評判は自分で判断できる

AFSの「評判」を調べるとき、最も確かな材料はAFS自身が公表している数字です。2025年度の派遣は274人・対象38か国・地域で、募集約300人という規模は実績に裏づけられています。費用は参加費145万〜250万円に「50万円程度」が乗り、実質195万〜300万円合格基準は英検®CSEスコアで3段階に明示され、アジア・中南米に絞れば3級相当から応募できます。そしてC日程の時点で44枠中24枠が募集終了しており、スイス・オーストリアなど欧州の人気国と、ドイツの1学年間(通年)の枠はすでに閉じていました。

この4つは、どれも体験談には出てきません。逆に、体験談でしか分からないこともあります。ホストファミリーとの相性、支部のボランティアの手厚さ、現地校でどれだけ友人ができるか。公式の数字で、応募できるか・払えるか・行けるかを判定し、体験談でどんな1年になり得るかの幅を掴む。この使い分けが、遠回りのない調べ方です。

最後に、AFSが向く家庭と向かない家庭を整理します。向くのは、行き先の国にこだわりすぎず、現地の生活体験そのものを目的にでき、1年以上前から動ける家庭です。奨学金の枠が大きく、費用を抑えられる可能性もあります。向かないのは、留学先の学校の成績や卒業資格を目的にしている家庭、行き先を指定したい家庭、渡航時期を自分で決めたい家庭です。その場合は交換留学ではなく私費留学(認定留学)の枠組みが合います。違いは交換留学と認定留学の違いで、他団体との比べ方は交換留学の派遣団体で確認してください。参加費を国別に公開しているYFUの実像も、費用の感覚を掴むうえで参考になります。

Q.AFSの交換留学は、実際のところ何人くらいが行っているのですか。

AFS日本協会が公開している決算要約によると、2025(令和7)年度の派遣事業は274人・対象国38か国・地域、2024(令和6)年度は322人・対象国38か国・地域でした。募集人数は第74期(2027年出発)で約300人とされていますので、募集の規模と実際の派遣人数はおおむね一致しています。なお同じ決算要約には受入事業の数字もあり、2025年度は475人・77か国・地域と、派遣より受入のほうが多くなっています。AFSは「送り出す団体」であると同時に、それ以上の規模で海外の高校生を受け入れている団体です。

Q.参加費のほかに、結局いくらかかりますか。

AFSの年間留学プログラムFAQが「派遣先や個々の状況にによって異なりますが、50万円程度はプログラム参加費に追加で必要となります。」と明記しています。参加費が145万円〜250万円(第74期・AFS日本協会プレスリリース)ですから、合計で約195万〜300万円を見込むのが安全です。ただしこの合計額は当サイトによる単純加算で、AFSが公表している数字ではありません。また「50万円程度」の内訳はFAQに書かれておらず、『プログラム案内』31ページの「プログラム参加費に含まれないもの」を参照するよう案内されています。加えて、AFS自身が任意保険の追加加入を強く推奨しているため、その保険料も別に見込んでおいてください。

Q.英語が得意ではありませんが、応募できますか。

希望する国によって基準が変わります。公式FAQによれば、応募時に必要な英検®CSEスコアは、アメリカを希望する場合1980以上(2級相当以上)、アメリカ以外を希望する場合1728以上(準2級相当以上)、アジア・中南米のみを希望する場合1456以上(3級相当以上)です。つまりアジア・中南米に絞れば英検3級相当から応募できます。ただしAFSは「出国までにいずれの国の派遣生も英検準2級〜2級相当以上の英語力を身に付けておくことを推奨しています」としており、応募基準と出発時の目標は別です。また国ごとに英語力の基準を定めている場合があるため、「応募できる国」のページで個別に確認してください。

Q.希望した国に必ず行けますか。

行けるとは限りません。まず国ごとに定員があり、応募日程が遅いほど選べる国が減ります。当サイトが2026年9月14日(C日程受付中)に「応募できる国」の表を数えたところ、44の募集枠のうち24枠がすでに募集終了で、スイス・オーストリア・ノルウェー・ポーランド・ポルトガルといった欧州の人気国は締め切られていました。ドイツも1学年間(通年)の冬組・夏組がともに締め切られ、残るのは5か月のセメスター夏組2人分だけでした。さらに、国が決まっても配属地域・ホストファミリー・ホストスクールを希望したり指定したりすることはできないと公式FAQが明記しています。行き先を指定したい場合は、交換留学ではなく私費留学の枠組みを検討してください。

Q.現地の高校の成績証明書はもらえますか。留年は避けられますか。

現地校の成績証明書は発行されません。AFSのFAQは「AFS留学生はあくまで聴講生という形で現地の学校に通学しますので、ホストスクールからの公式な成績証明書は発行されません」「卒業認定を受けることはできません」と明記しています。日本の高校での単位認定については、学校教育法施行規則第93条第2項が「校長は……36単位を超えない範囲で単位の修得を認定することができる」と定めており、認定するかどうかは在籍校の校長の判断です。AFSも「学校によって異なりますので、応募を検討する時点で担任や担当の先生に相談しましょう」としています。留年を避けたい場合は、応募前に在籍校と単位認定の扱いを必ず詰めてください。

Q.奨学金はどのくらい使えますか。あとから申し込めますか。

AFSの奨学金一覧ページは「プログラム参加者の1/3の約100名分の支給枠あり」AFSが応募窓口の奨学金はすべて「給付」型としています。最大規模は三菱商事高校生海外留学奨学金で、参加費全額を50名に支給します。ただし、あとから申し込むことはできません。公式は「以下に記載する「全国対象」「地域限定」の奨学金は、プログラムへの応募と同時に申し込みが必要です。応募完了後に奨学金のみの申請はできません。」と明記しています。加えてAFSが窓口となる奨学金は原則A日程・B日程での受付で、公式は「募集定員が少ない奨学金については、A日程で受給対象者が決まった場合、B日程以降では募集しない可能性があります。」としています。奨学金を前提に考えるなら、A日程に間に合う準備が安全です。ただし奨学金一覧には【C日程応募可】と明示された地域限定の奨学金が3件(北海道・山形県・新潟市)あり、対象地域ならC日程からでも申請できます。

Q.AFSとYFUはどちらがよいのですか。

どちらも内閣府を所管行政庁とする公益財団法人で、ボランティアのホストファミリーに滞在しながら現地校に通う点も同じです。実務上の違いは情報の出し方に表れます。AFSは決算要約と国別の募集定員・募集状況を公開する一方、参加費は幅(145万〜250万円)のみで国別の内訳は資料請求が必要です。YFUは逆に、国別の参加費(178万円・182万円・208万円の3段階)と選考料33,000円を公式サイトに掲載しています。どちらが良いかではなく、行きたい国が両団体のどちらの派遣先にあるか、そして必要な英語力と応募時期に間に合うかで決まります。YFU側の数字は別記事で整理しています。

本記事は公益財団法人AFS日本協会との提携関係に基づくものではなく、同協会が公開している情報を当サイトが独自に整理したものです。当サイトは留学の申し込み受付や個別相談を行っていません。参加費・定員・選考日程・奨学金の内容は期ごとに変わり、募集状況は日々更新されます。応募を検討される際は、必ずAFS日本協会の公式サイトおよび『プログラム案内』で最新の情報をご確認ください。