このページの要点

親子留学は保護者が同行する滞在で、日本の学校の扱いは住民票をどうするかで変わります。

  • 最初の分岐は国ではなく住民票:日本の就学義務は、市町村が住民基本台帳に基づいて編製する学齢簿で管理されています(学校教育法施行令第1条)。住民票を残すか、海外転出届を出すかで在籍校との関係が変わります。
  • 「留学だから就学義務が免除される」ではない:学校教育法第18条の猶予・免除は「病弱、発育不完全その他やむを得ない事由のため、就学困難と認められる者」が対象で、親子留学は通常これに当たりません。別の経路で整理する必要があります。
  • 費用は親子2人分が二重にかかる:子の学費だけでなく、保護者側の語学学校の学費・滞在費・渡航費、そして保護者が働いていればその間の収入も判断材料になります。国別の総額より先に、積み上げる項目を確定させます。

「親子留学」で検索すると、国別のおすすめと費用の目安がすぐ見つかります。ただし、そこにはほとんど書かれていない前提があります。日本を出る前に、子どもの学籍をどう扱うかを決めなければならないということです。日本の就学義務は住民基本台帳をもとにした学齢簿で管理されているため、住民票を残すのか海外転出届を出すのかで、在籍校との関係も帰国後の手続きも変わります。この記事では、法令の原文をもとに日本側の手続きを整理し、そのうえで費用が二重になる構造と、期間別の設計を示します。

本記事の条文は、学校教育法および学校教育法施行令(e-Gov法令検索の法令原文)を当サイトが2026年8月18日に取得して整理したものです。欠席の扱い・帰国後の学年配当・必要書類は、在籍校と市町村教育委員会の判断によります。全国一律の規定ではありません。 また、各国の保護者向けビザは名称・条件・要否が頻繁に変更されるため、本記事では類型の整理にとどめています。行き先ごとの制度は、当サイトが各国の公式資料から確認して別の記事にまとめました——ハワイの親子留学(米国の連邦規則から)、セブ島の親子留学(フィリピン入国管理局の公式ページから)、マレーシアの親子留学(入国管理局とEMGSの公表資料から)。渡航先の制度は必ず当該国の移民当局・大使館の公式情報でご確認ください。

結論:最初に決めるのは国ではなく「住民票をどうするか」

POINT

国選びも費用も、この分岐が決まらないと詰められません。まず制度の作りから確認します。

親子留学とは、保護者が子どもに同行して一定期間海外に滞在し、子どもは現地の学校や語学プログラムに通い、保護者も語学学校に通ったり付き添ったりする形態を指します。 母親だけが同行し父親が日本に残る形は母子留学と呼ばれ、家族が2国に分かれるぶん制度の扱いが変わります法律や行政の用語ではなく、事業者がつけた呼び名なので、1週間の体験型から数年の滞在まで、同じ言葉で呼ばれます。

そして、期間の長短にかかわらず最初に効いてくるのが日本側の学籍の扱いです。日本の義務教育は、次のしくみで管理されています。

義務教育に関する規定(学校教育法・学校教育法施行令。当サイトが法令原文で条番号を確認)

条文定めていること
学校教育法 第16条保護者は「子に九年の普通教育を受けさせる義務を負う
学校教育法 第17条小学校は満6歳に達した日の翌日以後の最初の学年の初めから満12歳に達した日の属する学年の終わりまで。中学校は課程修了の翌日以後から満15歳に達した日の属する学年の終わりまで
学校教育法 第18条病弱、発育不完全その他やむを得ない事由のため、就学困難と認められる者」の保護者に対し、市町村の教育委員会が義務を猶予又は免除できる
施行令 第1条第1項市町村の教育委員会は「当該市町村の区域内に住所を有する学齢児童及び学齢生徒」について学齢簿を編製しなければならない
施行令 第1条第2項学齢簿の編製は「当該市町村の住民基本台帳に基づいて行なう」

ここから2つのことが読み取れます。第一に、「留学だから就学義務が免除される」という説明は正確ではありません。 第18条の猶予・免除は「就学困難と認められる者」が対象で、条文が挙げているのは病弱や発育不完全です。海外に住むこと自体は、この条文の想定ではありません。

第二に、就学義務の管理は「住所」を起点にしているということです。施行令第1条は、学齢簿を編製する対象を「当該市町村の区域内に住所を有する」児童生徒と定め、その編製は住民基本台帳に基づくとしています。つまり、住民票をどうするかが、そのまま学齢簿に載り続けるかどうかに直結します。

住民票を残す場合と、海外転出届を出す場合

POINT

実務上はここが最初の分岐です。期間だけで機械的に決めず、帰国後の手続きまで見て選んでください。

2つの選択と、それぞれで起きること(制度の建て付けから当サイトが整理)

**住民票を残す****海外転出届を出す**
学齢簿区域内に住所があるため載ったまま区域内に住所を有しないため対象外になる
在籍校との関係籍が続く。 欠席の扱い・課題の受け取りを学校と相談原則として在籍しない扱いになる
帰国後そのまま復帰。学年配当の相談は必要転入手続きが必要(転入届+就学の手続き)
住民税・健康保険等課税・加入が続く取り扱いが変わる(自治体で要確認
向いている期間数週間〜数か月の短期1年以上の長期

表の内容は全国一律ではない

注意していただきたいのは、この表の「在籍校との関係」と「帰国後」は、全国一律の規定ではないということです。欠席として扱うのか、校長の判断で出席扱いにするのか、帰国後にどの学年へ入るのかは、在籍校と市町村教育委員会が個別に判断します。 法令が定めているのは学齢簿の編製までで、その先の運用は自治体ごとに幅があります。

避けたい

エージェントや体験ブログの情報だけで学籍の扱いを判断し、出発直前に学校へ伝える

こうすればOK

行き先を決める前に、在籍校(担任・教頭)と市町村教育委員会の学務担当に相談する。 欠席の扱い・課題・帰国後の学年配当は自治体と学校の判断です。先に確認してから期間と時期を決めるのが順序として正しくなります

避けたい

「留学すれば就学義務は免除される」と理解して手続きを省略する

こうすればOK

学校教育法第18条の猶予・免除は「就学困難と認められる者」が対象で、親子留学は通常あたりません。実務上の整理は住民票をどうするかであって、免除申請ではありません

なお、お子さんが小学生の場合は、住民票を決めたあとにもう一段の確認が必要になります。小学校には休学の制度がなく、進級の認定も出席日数ではなく校長の成績評価で決まるため、在籍の扱いと帰国後の学年を学校・教育委員会に確認しておく必要があるからです。条文にもとづく整理は小学生の親子留学にまとめています。

保護者の滞在資格という、もう一つの関門

POINT

子どもが通えることと、保護者が滞在できることは別の問題です。ここで行ける国が絞られます。

親子留学では、保護者自身にも滞在の資格が必要です。観光目的の短期滞在で足りる期間なのか、保護者側も何らかの在留資格を取る必要があるのかで、設計が大きく変わります。制度は国ごとに違いますが、実務上は次の類型に整理できます。

保護者の滞在資格の類型(当サイトが制度の建て付けから整理。国名は挙げていません)

類型内容期間の目安確認すること
① 短期滞在の枠内観光等の短期滞在で滞在し、子は体験入学や語学プログラムに通う数週間程度滞在可能日数と、その資格で就学が認められるか
② 保護者側が学生になる保護者が語学学校等に通って学生の資格を取り、子を帯同する数か月〜帯同できる家族の範囲と、子の就学可否
③ 保護者向けの在留資格子の就学に伴い保護者の滞在を認める制度がある国がある1年以上制度の有無・年齢条件・就労可否

確認ポイント各国の保護者向け在留資格は、名称も条件も要否も頻繁に変更されます。 本記事で国名を挙げて「この国はこの制度がある」と断定していないのはそのためです。比較記事に書かれた制度が現在も同じ条件で存在するとは限りません。必ず渡航先の移民当局または在日大使館の公式情報で、①保護者が取得できる資格 ②その資格で子が就学できるか ③保護者の就労可否 ④年齢や期間の条件、の4点を確認してください。ここは費用より先に決まる制約です。

費用が二重になる構造 — 積み上げる項目を先に確定する

POINT

国別の総額を比べる前に、何を足すのかを決めてください。親子留学は項目数そのものが増えます。

親子留学の費用が読みにくいのは、子ども1人の留学費用に、保護者側の費用がまるごと乗るからです。しかも保護者側は「学費」だけでなく、滞在費・渡航費・保険まで二重になります。比較記事が挙げる「1か月◯万円」という数字は、どこまで含んでいるかが記事ごとに違うため、そのままでは比べられません。

親子留学で積み上げる費用項目(当サイトが整理。金額は条件で大きく変わるため記載していません)

区分子ども側保護者側
学費・プログラム費語学学校/現地校の授業料・教材費保護者が通う場合の授業料(②の類型では必須になることも)
滞在費—(親子で1住居が一般的)住居費・光熱費・食費。滞在方式で大きく変わる
渡航費航空券航空券(2人分)。長期は帰省分も
保険海外旅行保険/現地の医療保険同(2人分)
手続き費用ビザ申請料、書類の翻訳・公証同。保護者側の資格取得費用が加わる
日本側で続く費用住民票を残す場合の住民税・社会保険等同。持ち家・賃貸の維持費
機会費用保護者が働いている場合、その間の収入。金額に表れないが判断には最も効く

表に出てこない「機会費用」が最も効く

とくに見落とされやすいのが最後の2行です。住民票を残す選択をした場合、日本側の費用は止まりません。 そして保護者が仕事を離れる場合、その間の収入は費用の表には出てきませんが、家計への影響としては学費より大きいことがあります。「渡航費用がいくらか」ではなく「その期間、家計全体でいくら減るか」で見てください。

なお本記事では国別の費用総額を書いていません。 比較記事が挙げる金額は出所が事業者の公式サイトでないものが多く、当サイトが別のテーマで検証した際にも、まとめ記事の料金が事業者公式の現行料金と一致しない例がありました。予算は上の項目表に沿って、実際に検討している学校とプログラムの公式料金で組んでください。 費用の計算の順序と、日本側で止まらない費用(住民税・国民健康保険・児童手当)を法令から確定させた整理親子留学の費用にまとめています。

子どもが高校生になったときの費用も見ておく

親子留学を将来の高校留学・海外進学の下見として考えているなら、本番の費用感を先に知っておくと配分が決まります。費用シミュレーターは1か月〜1年の海外留学を試算するツールです。

期間別の設計 — 1〜2週間/数か月/1年以上

POINT

期間が変わると、手続きも目的も別物になります。同じ「親子留学」として比べないでください。

期間を具体的に詰めるときは、最短の1週間で組んだ場合の費用構造親子留学 1週間の費用)と、学校を休まずに行ける夏休みの制約夏休みの親子留学)を先に見ておくと判断が早くなります。1週間なら住民票を動かさないので手続きが大きく減り、夏休みは行き先によって現地校に通えるかどうかが変わります。

期間別に見た親子留学の設計

期間日本側の学籍保護者の滞在資格現実的な目的
1〜2週間住民票を残す。学校を休む扱いを事前相談短期滞在の枠内で足りることが多い体験。英語より「海外で暮らす感覚」を知る
1〜3か月住民票を残す。学習の遅れへの手当てが要る保護者側も資格が必要になりうる本人の適性を見る。生活の型をつくる
1年以上海外転出届を出すのが一般的。帰国後は転入手続き保護者向けの在留資格が要る現地校での学習。教育移住の検討段階

実務的に判断が難しいのは真ん中の1〜3か月です。住民票を残したまま学校を長期間休むことになるため、学習の遅れと、在籍校との関係の両方を設計する必要があります。日本の学習をどう継続するか(教材の持参、オンライン教材、帰国後の補習)を、出発前に決めておいてください。

一方、1〜2週間であれば、日本の学校の長期休暇に収めるという選択が取れます。この場合、学籍の問題はほぼ発生しません。初めて検討する家庭であれば、まずこの型で本人と保護者の適性を確かめるのが、費用面でも手続き面でも無理がありません。

渡航しない選択肢と比べる

POINT

目的が「英語に触れさせる」であれば、渡航は必須ではありません。費用と手続きの重さが桁で違います。

親子留学を検討する動機で多いのが「早いうちに英語に触れさせたい」というものです。この目的であれば、渡航を伴わない選択肢のほうが費用対効果が高い場合があります。 国内には、数日から2週間で英語漬けの環境に入れるプログラムがあり、独立行政法人が全国28の施設で体験活動を実施しているものも含まれます。詳しくはイングリッシュキャンプとはで整理しました。

国内であれば、保護者の滞在資格も学籍の手続きも不要です。子どもが中学生であれば中学生のイングリッシュキャンプ、夏の時期に検討しているなら国内の英語サマーキャンプに、対象年齢と募集時期の考え方をまとめています。より長い期間を国内で過ごす方法は国内留学をご覧ください。

逆に、親子留学でしか得られないものもあります。それは「保護者自身が現地で暮らす経験をする」ことです。将来子どもを単独で留学させる可能性があるなら、保護者が現地の生活・医療・治安を自分の目で見ておく価値は小さくありません。子どもの英語のためだけに行くと費用対効果が合いにくく、保護者にとっての下見も兼ねると意味が出る——これが現実的な位置づけです。

高校留学・海外進学とのつながり

POINT

親子留学は多くの場合、終点ではなく起点です。次の段階を知っておくと、いま何を確かめるべきかが決まります。

小学生・中学生のうちに親子留学を経験した家庭が、次に検討するのが子ども単独での留学です。高校生になれば、保護者が同行しない形が選択肢に入ります。費用の構造もまったく変わり、保護者側の学費・滞在費・機会費用が不要になるぶん、同じ予算でより長い期間を確保できます。

そのため、親子留学中に確かめておくと後で効くのは、子ども本人が「親がいない環境でもやれそうか」という点です。ホームステイ先で自分から話せるか、体調不良を自分で伝えられるか、日本人がいない場に自分から入っていけるか。この観察が、数年後に数百万円規模の判断をするときの材料になります。 高校生が単独で行く短期留学の型は高校生の短期留学に、子どもを送り出すことへの不安は子どもの留学が心配なときに整理しています。

まとめ:国を選ぶ前に、日本側を決める

親子留学の記事の多くは国別のおすすめから始まりますが、実務の順序は逆です。先に決めるのは日本側の手続きで、そこが決まらないと期間も費用も確定しません。

日本の義務教育は、市町村の教育委員会が住民基本台帳に基づいて編製する学齢簿で管理されています(学校教育法施行令第1条)。したがって実務上の分岐は、住民票を残すか、海外転出届を出すかです。前者なら学齢簿に載ったまま在籍校との関係が続き、後者なら対象外になって帰国後に転入手続きが必要になります。なお、「留学だから就学義務が免除される」という理解は正確ではありません。 学校教育法第18条の猶予・免除は「病弱、発育不完全その他やむを得ない事由のため、就学困難と認められる者」が対象だからです。

そのうえで、保護者自身の滞在資格という別の関門があります。子どもが通えることと保護者が滞在できることは別問題で、ここで行ける国が絞られます。制度は変更が頻繁なので、比較記事ではなく渡航先の移民当局・大使館で確認してください。

費用は、国別の総額を比べる前に積み上げる項目を確定させるのが先です。親子留学は子ども1人分に保護者側の学費・滞在費・渡航費・保険がまるごと乗り、住民票を残せば日本側の費用も止まりません。加えて、保護者が仕事を離れる場合の収入は表に出ませんが、家計への影響としては最も大きいことがあります。「渡航費用がいくらか」ではなく「その期間、家計全体でいくら減るか」で判断してください。

  1. 1在籍校と市町村教育委員会に相談する:担任・教頭と、教育委員会の学務担当。欠席の扱い・課題・帰国後の学年配当を、行き先を決める前に確認します。
  2. 2期間を決める:1〜2週間なら長期休暇に収める、1年以上なら海外転出届、という具合に、住民票の扱いは期間とセットで決まります。
  3. 3その期間で保護者が滞在できる国に絞る:保護者の在留資格が取れない国は、費用を比べる前に候補から外れます。移民当局・大使館の公式情報で確認します。
  4. 4費用を項目表に沿って積み上げる:子ども側と保護者側を分け、日本側で続く費用と機会費用も並べます。
  5. 5学校とプログラムの公式料金で確定させる:まとめ記事の金額ではなく、実際に検討している学校の公式サイトで最終確認します。

最後に順序をまとめます。①在籍校と市町村教育委員会に相談し、学籍の扱いを確認する →②期間を決める →③その期間で保護者が滞在できる国に絞る →④費用を項目表に沿って積み上げる →⑤学校とプログラムの公式料金で確定させる。 目的が「英語に触れさせる」だけであれば、渡航しない選択肢のほうが費用対効果が高い場合もあります。保護者にとっての下見も兼ねられるかどうかが、親子留学を選ぶ意味の分かれ目です。

Q.親子留学の間、日本の学校はどうなりますか。籍は残せますか。

住民票を残すかどうかで変わります。 日本の義務教育は、市町村の教育委員会が住民基本台帳に基づいて編製する学齢簿で管理されています(学校教育法施行令第1条第1項・第2項)。住民票を残せば「区域内に住所を有する」ため学齢簿に載ったままとなり、在籍校との関係が続きます。一方、海外転出届を出すと区域内に住所を有しないことになり、学齢簿の対象外になります。この場合、帰国時には転入手続きが必要です。ただし、欠席として扱うのか出席扱いにするのか、帰国後どの学年に入るのかは、在籍校と市町村教育委員会が個別に判断します。 全国一律の規定ではないため、行き先を決める前に担任・教頭と教育委員会の学務担当に相談してください。

Q.留学すれば就学義務は免除されるのではないですか。

その理解は正確ではありません。 学校教育法第18条は、猶予・免除の対象を「病弱、発育不完全その他やむを得ない事由のため、就学困難と認められる者」と定めています。条文が想定しているのは就学が困難な状態であって、海外に住むこと自体ではありません。したがって親子留学は通常この条文の対象になりません。実務上の整理は免除申請ではなく、住民票をどう扱うかです。学齢簿は「当該市町村の区域内に住所を有する」児童生徒について編製されるため(施行令第1条第1項)、住所の扱いがそのまま学齢簿への記載に影響します。手続きの名称を取り違えると窓口で話が通じないため、この違いは押さえておいてください。

Q.費用はどのくらいかかりますか。国別の相場を知りたいです。

本記事では国別の総額を出していません。 理由は2つあります。ひとつは、比較記事が挙げる金額は含んでいる項目が記事ごとに違い、そのままでは比べられないこと。もうひとつは、当サイトが別のテーマで検証した際、まとめ記事の料金が事業者公式の現行料金と一致しない例があったことです。代わりに本文では積み上げる項目の一覧を示しています。子ども側の学費に加え、保護者側の学費・滞在費・渡航費・保険が二重にかかること、住民票を残せば日本側の住民税や社会保険等も続くこと、そして保護者が仕事を離れる場合の収入が表には出ないが最も影響が大きいことを押さえてください。予算は、実際に検討している学校とプログラムの公式料金で組むのが確実です。

Q.保護者はどんなビザで滞在するのですか。観光ビザではだめですか。

期間と国によります。 実務上は3つの類型に整理できます。①短期滞在の枠内で、子どもが体験入学や語学プログラムに通う形(数週間程度)。②保護者自身が語学学校等に通って学生の資格を取り、子を帯同する形(数か月〜)。③子の就学に伴って保護者の滞在を認める制度を使う形(1年以上)です。ただし、各国の保護者向け在留資格は名称も条件も要否も頻繁に変更されます。 本記事で国名を挙げて断定していないのはそのためで、比較記事に書かれた制度が現在も同じ条件で存在するとは限りません。渡航先の移民当局または在日大使館の公式情報で、①保護者が取得できる資格 ②その資格で子が就学できるか ③保護者の就労可否 ④年齢・期間の条件、の4点を必ず確認してください。

Q.何歳から行けますか。小学校低学年では早すぎますか。

年齢そのものより「身の回りのことが自分でできるか」が目安になります。 親子留学は保護者が同行するため、単独留学より低年齢でも成立します。ただし低年齢ほど、英語力そのものより生活面の負担が保護者に集中する点は考慮が要ります。また、日本の学校の学習内容との兼ね合いも学年が上がるほど重くなります。小学校低学年であれば、まず長期休暇に収まる1〜2週間の型で試すのが現実的です。この期間なら日本の学校を休む必要がなく、学籍の手続きもほぼ発生しません。手応えがあってから期間を延ばす、という順序であれば、費用面でも手続き面でも無理がありません。

Q.英語に触れさせたいだけなら、国内でもよいのでしょうか。

目的がそれだけなら、国内のほうが費用対効果が高い場合があります。 国内には数日から2週間で英語漬けの環境に入れるプログラムがあり、独立行政法人 国立青少年教育振興機構が全国28の施設で実施している体験活動も含まれます(詳しくはイングリッシュキャンプとは)。国内であれば保護者の滞在資格も学籍の手続きも不要で、費用の桁も変わります。一方で、親子留学でしか得られないものもあります。それは保護者自身が現地で暮らし、生活・医療・治安を自分の目で見ることです。将来お子さんを単独で留学させる可能性があるなら、この下見の価値は小さくありません。子どもの英語のためだけに行くと費用対効果が合いにくく、保護者にとっての下見を兼ねると意味が出る、というのが現実的な整理です。

親子留学の先に、どの進路があるかを見ておく

親子留学を将来の留学・海外進学の入り口として考えているなら、その先にどのタイプが合うのかを先に知っておくと、いま確かめるべきことが決まります。簡単な質問に答えるだけで方向性がわかります。