このページの要点

日本のボーディングスクールの学費は年約300万〜1,150万円。卒業までの総額は約970万〜3,750万円です。

  • 年額の幅は3.8倍:海陽中等教育学校が年302万7,000円(食費込み)、国際高等学校が年410万円、UWC ISAK Japanが年722万5,000円、Rugby School Japanが年983万円、ハロウ安比が年1,104万円(いずれも学校公式の金額)。
  • 年額だけでは比較できません:寮費が授業料に含まれる学校と別の学校、食費が別建ての学校、初年度だけ100万円単位の一時金がかかる学校が混在しています。同じ物差しに揃えてから並べてください。
  • 効くのは公的支援より学校独自の制度:就学支援金は一条校の私立で年45万7,200円(3年で約137万円)が上限で、寮費は対象外。一方でUWC ISAK Japanは在籍の70%が給付型の援助を受けており、所得額500万円以下の家庭の実支払額は年約61万円です(同校公表)。

国内のボーディングスクールは、年間の学費を並べただけでは比較できません。寮費や食費の扱いが学校ごとに違い、初年度にだけかかる一時金も100万円単位で差があるからです。この記事では学校公式サイトに掲載されている金額だけを使って、①年額 ②初年度にだけかかるお金 ③卒業までの通し総額 ④公的支援と奨学金を差し引いた実質負担、の順に積み上げます。制度の説明や学校の選び方は日本のボーディングスクール一覧にまとめています。

本記事の金額は、各校の公式サイト(学費ページ・募集要項PDF・奨学金規程)に掲載されている値です。年度は学校ごとに異なります(ハロウ安比・Rugby School Japan・白馬・UWC ISAK Japanは2026-27年度、海陽中等教育学校は2026年度生徒募集要項、国際高等学校は公式に年度の表記がありません)。公的支援の情報は文部科学省の公表資料(高等学校等就学支援金・新制度の概要/高校生等・新修学支援/指定した外国人学校等の一覧/令和5年度子供の学習費調査)によります。いずれも2026年8月時点の確認です。学費は毎年改定され、支援制度も年度で変わります。 出願前に必ず各校の最新の募集要項と、お住まいの都道府県の担当窓口でご確認ください。本記事が扱うのは私立の6校です。 全寮制でIBを履修できる公立校として広島県立広島叡智学園(広島県大崎上島町)があり、費用の桁が大きく異なります(学校公表の中学段階の費用は寮費 月3万7,000円+諸費 月1万8,000円)。ただし高校からの外部募集は海外経験のある生徒などに限られるため、位置づけと入口の条件は日本のボーディングスクール一覧をご覧ください。

結論:年額は約300万〜1,150万円。まず「何が含まれるか」を揃える

POINT

同じ「年間の学費」でも、寮費込みの表示と授業料だけの表示が混ざっています。寮費・施設費・食費まで足した年額に揃えて並べると、実際の差が見えます。

下の表は、各校の公式サイトに載っている費目をすべて足した年額です。ハロウ安比のように寮費込みで表示している学校と、Rugby School Japanのように授業料・寮費・食費を別々に示している学校を、同じ土俵に並べています。金額の安い順です。

年額の比較(学校公式の金額/高校段階・寮生)

学校年額(合計)内訳食費
海陽中等教育学校302万7,000円授業料73.2万+施設維持・充実費50.4万+寮費126万+食費53.1万含む
国際高等学校410万円授業料210万+寮費155万+教育充実費45万含む(1日3食・光熱費込み)
白馬インターナショナルスクール713万円授業料445万+寮費215万+維持管理費53万公式で確認できず
UWC ISAK Japan722万5,000円授業料490万+寮費182.5万+施設費50万含む(教科書・健康診断・保険・Project Weeksも込み。2025-26年度のPDF記載)
Rugby School Japan(Year 10・11)983万円授業料530万+寮費320万(7日制)+施設維持費50万+食費83万別建て(学期ごとに請求。年83万円)
Rugby School Japan(Year 12・13)1,003万円授業料550万+寮費320万+施設維持費50万+食費83万別建て
ハロウ安比(Year 9〜11)1,104万5,720円授業料(寮費を含む)公式で確認できず
ハロウ安比(Year 12・13)1,145万5,370円授業料(寮費を含む)公式で確認できず

この表からわかることは3つです。第一に、最も安い海陽中等教育学校と最も高いハロウ安比では、年額で3.8倍の開きがあります。 第二に、一条校(海陽・国際高等学校・UWC ISAK Japan)はいずれも英国式のインターナショナルスクールより安いという傾向があります。第三に、食費の扱いが揃っていません。 海陽・国際高等学校・UWC ISAK Japanは寮費や学納金に食費が含まれる一方、Rugby School Japanは学期ごとに別請求(年83万円)です。年額を比べる前に、まずここを確認してください。

確認ポイント:ハロウ安比と白馬インターナショナルスクールについては、食費が寮費に含まれるかを公式ページで確認できませんでした。ハロウ安比の学費表は「Tuition fee (includes boarding costs)」と書かれているだけで、食事への言及がありません。金額の大きい費目なので、説明会や問い合わせで「寮費に食事は含まれますか。含まれない場合、年間いくらの見込みですか」と必ず聞いてください。この記事では、確認できなかったものを推計で埋めることはしていません。

初年度にだけかかるお金(入学金・保証金・制服)

POINT

初年度は年額に加えて、入学金・出願料・保証金・制服などが上乗せされます。ハロウ安比では合計で200万円前後になります。年額だけで資金計画を立てると、初年度に足りなくなります。

初年度の一時金(学校公式の金額)

学校出願料・受験料入学金保証金・その他初年度の上乗せ計
海陽中等教育学校2万円(各入試)40万円入寮費20万円。後期課程進学時の入学金や伊勢研修旅行等の行事費用はかからないと明記62万円
国際高等学校公式で確認できず50万円制服・教材・健康診断・団体保険・課外活動費は別途(金額の記載なし)。入学者全員にノートPCを無償譲渡50万円+実費
白馬インターナショナルスクール2万5,000円登録料 30万円(国内)/50万円(海外)いずれも返金なし32万5,000円(国内)
UWC ISAK Japan2万円30万円保証金4万円(備品の破損等に充当。卒業時に残額を返金)。ほかにIB課程の11・12年生のみ年23万円36万円(2025-26年度のPDF記載。2026-27年度版は未確認)
Rugby School Japan4万円50万円School Development Fee 50万円(入学時)104万円
ハロウ安比5万円100万円保証金44万円(ビザ支援不要)/88万円(ビザ支援が必要な場合)、制服約26万円、学年旅行20万〜60万円(必須)195万〜279万円

ハロウ安比の学年旅行(Year Group Trips)は公式サイトで必須とされており、年20万〜60万円です。初年度だけでなく毎年かかるので、実質的には年額に上乗せして考える必要があります(同校は「定期的に実施される日帰り遠足や遠征は授業料に含まれる」とも明記しています)。またRugby School Japanの School Development Fee(入学時50万円)は、寄付ではなく入学時に必要な費用として学費ページに記載されています。

保証金(デポジット)は返金される性質のお金ですが、入学時にはいったん支払う必要がある点は資金繰り上重要です。ハロウ安比の場合、ビザ支援が必要なご家庭では88万円になります。日本在住のご家庭であれば44万円が基準です。一方、白馬インターナショナルスクールの登録料は「一度限り・返金なし」と明記されており、国内からの出願で30万円、海外からで50万円と差があります。

卒業までの通し総額(高校3年間)

POINT

国内ボーディングは3年在籍が前提の設計です。年額×3年に一時金と必須費用を足した通し総額で見ると、学校間の差は2,700万円以上になります。

高校段階の3年間で計算します。学年によって金額が変わる学校(ハロウ安比・Rugby School Japan)は、公式の学年別の金額をそのまま積み上げました。金額の安い順です。

高校3年間の通し総額(公式の金額が3年間続くと仮定した場合)

学校3年間の学費・寮費・食費等一時金・必須費用通し総額
海陽中等教育学校(後期課程3年)908万1,000円62万円約970万円
国際高等学校1,230万円50万円+制服等の実費約1,280万円+実費
白馬インターナショナルスクール2,139万円32万5,000円(国内出願)約2,172万円
UWC ISAK Japan2,167万5,000円36万円+IB課程2年分46万円(いずれも2025-26年度のPDF記載)約2,250万円
Rugby School Japan(Year 11〜13)2,989万円104万円約3,093万円
ハロウ安比(Year 11〜13)3,395万6,460円149万円+制服約26万円+学年旅行60万〜180万円(3年分・必須)約3,631万〜3,751万円

参考として、文部科学省の令和5年度子供の学習費調査では、高等学校(全日制)の学習費総額は年額で公立59万6,954円、私立117万9,261円です。3年分に換算すると公立が約179万円、私立が約354万円になります(この数字には塾など学校外活動費も含まれるため、厳密に同じ費目どうしの比較ではありません)。国内ボーディングは、最も抑えた海陽中等教育学校でも一般的な私立高校の約2.7倍、ハロウ安比では10倍を超える水準です。

確認ポイント:上の総額は「公式に掲載されている金額が3年間続く」と仮定した試算です。実際には学費は毎年改定されます(海陽中等教育学校は募集要項に「食費については、原材料費などの価格変動により改定することがあります」と明記しています)。過去の値上げ幅を学校に尋ねるか、年3〜5%程度の上昇を織り込んだ幅で資金計画を立てておくと安全です。また海陽中等教育学校は6年一貫校で、高校段階からの入学は編入学(新4年生対象)になります。中学段階から6年間通う場合の学納金は単純計算で1,816万2,000円+入学手続時納付金60万円です。

就学支援金・新修学支援で、実質負担はどこまで下がるか

POINT

2026年4月からの新制度で、一条校の私立高校なら所得制限なく年45万7,200円が支援されます。ただし対象は授業料で、寮費・食費は含まれません。インターナショナルスクールは新制度の対象校種に入っていません。

文部科学省の「高等学校等就学支援金・新制度の概要」によると、令和8年4月からの新制度は所得制限がなくなり、支給上限額は公立11万8,800円、私立(全日制)45万7,200円になりました。ただし新制度の対象校種に各種学校である外国人学校(=一般的なインターナショナルスクール)は含まれていません。この点の制度的な説明は日本のボーディングスクール一覧で詳しく扱っています。

公的支援を差し引いた高校3年間の実質負担

学校通し総額3年間の公的支援実質負担
海陽中等教育学校(後期課程3年)約970万円137万1,600円(私立・所得制限なし)約833万円
国際高等学校約1,280万円137万1,600円(同上)約1,143万円
UWC ISAK Japan約2,250万円137万1,600円(同上)約2,113万円(奨学金は別途・後述)
白馬インターナショナルスクール約2,172万円なし約2,172万円
Rugby School Japan(Year 11〜13)約3,093万円118万8,000円(年収590万円未満)/35万6,400円(590万〜910万円)/910万円以上は支援なし約2,974万〜3,093万円
ハロウ安比(Year 11〜13)約3,631万〜3,751万円なし約3,631万〜3,751万円

Rugby School Japanの欄だけ扱いが異なるのは、同校が旧制度で文部科学大臣の指定を受けていた外国人学校だからです。文部科学省の「就学支援金制度の対象として指定した外国人学校等の一覧(令和8年3月1日現在)」には千葉県の欄に同校の記載があり、備考は「第十一学年から第十三学年までの課程に限る。」となっています。2026年4月以降の新入生は、就学支援金ではなく予算事業「高校生等・新修学支援」の対象となり、年収約910万円未満世帯が支援される枠組みです。ただし金額は一律ではなく、文部科学省の資料では年収590万円未満で上限39万6,000円/年、590万〜910万円で11万8,800円/年の2段階になっています(910万円以上は不支給)。「上限39万6,000円」という数字だけを見て予算を組むと、年収600万〜900万円のご家庭では3倍以上ずれます。なお2026年3月末から引き続き在学する在校生は、就学支援金の経過措置の対象です。

一方、ハロウ安比と白馬インターナショナルスクールは同じ一覧に掲載がありません。もともと指定を受けていない学校は、改正の前後を通じて公的支援の対象外です。

避けたい

「無償化されたから、私立でも実質負担は大きく減る」と考えて資金計画を甘く見る

こうすればOK

支援されるのは授業料です。国内ボーディングでは寮費が年126万〜320万円かかり、これは支援の対象外。年45万7,200円は年410万円の学校で1割強にとどまると理解して計画を立てる

避けたい

古い記事の「インターも就学支援金の対象」という記述を前提に予算を組む

こうすればOK

2026年4月の改正で各種学校である外国人学校を指定する制度は廃止されました。学校と、お住まいの都道府県の窓口の両方で、志望校が支援の対象になるか確認する

避けたい

「高校生等・新修学支援」があるから所得は関係ないと考える

こうすればOK

新制度(一条校)は所得制限なしですが、新修学支援は年収約910万円未満世帯が対象で、しかも金額は2段階(590万円未満で39万6,000円、590万〜910万円で11万8,800円)です。運用は都道府県が行うため、金額と申請方法を自治体に確認する

奨学金・割引で下げられる幅(公的支援より効きます)

POINT

実質負担を大きく動かすのは、学校独自の奨学金と割引です。UWC ISAK Japanと海陽中等教育学校は、対象になれば年200万円以上変わります。

UWC ISAK Japanの奨学金は給付型(返済不要)で、ニードベースのみです。同校は公式サイトで「学業・芸術・スポーツの能力にもとづいて給付する奨学金はございません」と明記しています。規模は年間総額約6億円で、在籍生徒の70%が全額または一部の援助を受けています。

この学校が特筆されるのは、所得帯ごとの実際の支払額を公表している点です。国内のボーディングスクールでここまで開示している例はほかにありません。年722万5,000円という定価だけを見て候補から外す前に、この表を見てください。なお公表されている区分は「所得額」であり、額面の年収とは一致しません。自己判定の際はご注意ください。

UWC ISAK Japan:所得額帯別の学費支払額(2025年度・10年生の平均/入学金を除く年額・同校公表)

所得額(公表の区分)実際の支払額(平均)対象家庭数
500万円以下60万7,500円21家庭
500万〜1,000万円175万円13家庭
1,000万〜1,500万円231万8,182円18家庭
1,500万〜2,000万円338万8,889円7家庭
2,000万〜3,000万円450万円5家庭

ただし重要な制約があります。対象は高校1年次(10年生)からの入学者で、高校2年次以降の新規申請は原則できません。在学中の継続受給は可能ですが毎年再申請が必要で、UWC国際選考プログラム経由の出願者は対象外です。つまり奨学金を使いたいなら、中学3年生の秋までに動く必要があります。

海陽中等教育学校には特別給費生・特待生の制度があり、公式の募集要項によれば「食費以外の在学中の学納金等を免除する」仕組みです。免除額は特別給費生が年249万6,000円、特待生Sが年187万8,000円、特待生Aが年124万8,000円、特待生Bが年43万9,000円(前期生3年間のみ)。特別給費生はこれに加えて入学金40万円も免除されます。免除期間は特別給費生・特待生S・特待生Aが卒業時まで。なお食費・副教材費・後期課程の教科書代・講習費は免除の対象外と明記されています。

学校別の奨学金・割引(公式サイト・公式規程で確認できたもの)

学校奨学金割引
UWC ISAK Japan給付型・ニードベースのみ。在籍の70%が全額または一部の援助。年間総額約6億円。10年生入学者が対象で毎年再申請記載なし
海陽中等教育学校特別給費生 年249.6万円免除(+入学金40万円免除)/特待生S 187.8万円/特待生A 124.8万円/特待生B 43.9万円。入学後の経済事情の変化にはニードベースの奨学生制度(年100万円または50万円)兄弟が同時在籍中、2人目以降の学納金を年50万円減免(特別給費生・特待生Sを含む場合を除く)
国際高等学校学修奨励生=授業料の30%/60%/90%(3名以内/年・主たる家計支持者の前年所得が給与841万円以下等・学年上位20%維持で継続・転入/編入は対象外)/国際寮奨学金=月3万円×12か月=計36万円(3名以内/年)系列校卒業者の子女は入学金の50%/本校の在校生・卒業生の弟妹は授業料の10%
ハロウ安比Academic/Sports/Performing Arts(併願不可)。授業料の最大30%。ただし「Year 12入学の卓越した候補者は最大100%まで引き上げることがある」と明記。金銭給付の対象はYear 10または12入学者で期間2年。在校生向けにニードベースのBursary(最大30%・在籍1年以上・毎年更新)兄弟割引=3人目5%/4人目10%/5人目以降15%(2人目は対象外)
Rugby School Japanメリットベース(「経済状況や背景を問わない」と明記)。Years 7-12対象で学術・表現/視覚芸術・舞台芸術・スポーツ・オールラウンダーの5種。給付は通学生の授業料の最大10%+入学金100%免除+School Development Fee 100%免除。寮費は給付内容に含まれないが、公式は「校長の裁量で寮費の支援を行うことがある」と明記(要問い合わせ)。出願は1月5日締切、選考は2月26日早期納入割引=授業料と寮費に対して5%(1〜3月に年額一括納入)・3%(4〜5月)。分割払いは対象外/兄弟割引 2人5%・3人15%・4人30%(授業料と寮費に適用)
白馬インターナショナルスクール公式で確認できず公式で確認できず

割引で見落とされがちなのが早期納入割引です。Rugby School Japanは1月1日〜3月31日の年額一括納入で5%、4月1日〜5月31日で3%としています。対象は授業料と寮費なので、Year 11なら(530万+320万)×5%=42万5,000円。就学支援金1年分に匹敵します。ただし公式は「分割払いは対象外」と明記しているため、資金の準備時期を前倒しできるご家庭に限られます。

注意したいのは、奨学金の性格が学校によって正反対だという点です。UWC ISAK Japanは能力による給付を行わないニードベース専業、Rugby School Japanは経済状況を問わないメリットベース専業です。ハロウ安比は入学時のメリットベース(Scholarship)と在校生向けのニードベース(Bursary)を分けています。「うちは対象になるか」を判断するには、まずどちらの型なのかを確認してください。

なお、返済不要の奨学金は学校独自のものだけではありません。高校段階で使える給付型の制度は高校生の留学奨学金にまとめています(留学向けが中心ですが、探し方の考え方は共通です)。海外大学まで見据えるなら、海外大学の学費で扱っている大学独自の奨学金も併せて確認しておくと、高校3年間の投資判断がしやすくなります。

海外の高校留学・国内の一般的な高校と比べる

POINT

国内ボーディングの費用帯は、海外の高校留学とそのまま重なります。 「国内だから安い」という前提は成り立ちません。

海外の高校留学は1年でおよそ200万〜600万円が目安で、費用を抑えやすい国の公立校なら150万円台、欧米の私立・ボーディングでは500万〜1,000万円になることもあります(高校留学の費用)。国内ボーディングの年額300万〜1,150万円という帯は、これとほぼ同じ位置にあります。

3年間の総額で比べる

進路3年間の目安含まれるもの
国内の公立高校約179万円学習費総額(学校外活動費を含む・文科省令和5年度調査)
国内の私立高校約354万円同上
国内ボーディング(一条校・日本語)約970万円学納金(食費込み)+入学手続時納付金
国内ボーディング(一条校・英語/IB)約1,280万〜2,250万円授業料+寮費(食費込み)+施設費等
国内ボーディング(インターナショナルスクール)約2,172万〜3,751万円授業料+寮費+一時金(食費は学校による)
海外の高校留学(1年)約200万〜600万円/年学費+滞在費+渡航費+保険等

この並びで保護者が判断すべきなのは、「同じ金額を、どこに使うか」です。3年間で2,000万円を国内ボーディングに使うのか、1年間の高校留学(約400万円)+国内の高校(約354万円)に抑えて残りを大学の費用に回すのか、という比較になります。海外大学まで見据えるなら、海外大学の学費が示すとおり大学4年間で数千万円かかるケースもあり、高校段階で予算を使い切らない設計が現実的です。進路の全体像は海外大学進学ガイドで整理しています。

見落としやすい費目と、確認の手順

POINT

学費表に載らないお金があります。帰省の交通費、私費(小遣い)、課外活動費、教材。これらは学校が公表しないため、在校生の保護者に聞くのが最も確実です。

  1. 1食費:学校によって扱いが正反対です。海陽中等教育学校・国際高等学校・UWC ISAK Japanは学納金や寮費に含まれ、Rugby School Japanは学期ごとの別請求(年83万円)。ハロウ安比と白馬インターナショナルスクールは公式に記載がありません。年額への影響が大きいので最初に確認します。
  2. 2帰省の交通費:岩手県安比高原、長野県軽井沢町、長野県白馬村など、都市部から距離のある学校が多いのが国内ボーディングの特徴です。学期の区切りごとに往復すると、年間で十数万円になることがあります。
  3. 3制服・教材・パソコン:ハロウ安比は制服約26万円を公表しています。国際高等学校は入学者全員にApple製ノートパソコンを無償譲渡すると公式に記載しています。学校により扱いが逆になるので、要確認です。
  4. 4必須の行事費用:ハロウ安比の学年旅行(Year Group Trips)は必須で年20万〜60万円。一方で海陽中等教育学校は「後期課程進学時の入学金や、伊勢研修旅行等の学校行事にかかる費用はありません」と明記しています。行事が任意か必須か、学費に含まれるかで家計への影響が変わります。
  5. 5私費(小遣い):寮生活では日常の買い物や外出があります。UWC ISAK Japanは公式資料で月約5,000円を目安として示しています。
  6. 6課外活動・特別レッスン:楽器やスポーツの個人レッスンは別料金が一般的です。ハロウ安比は1対1のコーチングや専門家によるアセスメントを「内容による」として金額を公表していません。
  7. 7中途退学時の扱い:海陽中等教育学校は、特待生が自己都合で中途転学・退学する場合、在籍期間に応じた減免額の一部または全額を支払う定めがあります(入学後1年未満は配慮)。白馬インターナショナルスクールは「Fees are non-refundable」と明記しています。やめたときにお金が戻るのか、逆に請求されるのかは契約上の重要事項です。

避けたい

まとめサイトの金額をそのまま予算にする

こうすればOK

学校公式の学費ページか募集要項PDFを自分で開く。この分野は上位に出てくる比較記事の多くが年度も出典も書いておらず、金額が数年前で止まっていることがあります

避けたい

年額だけを見て「3年で3倍」と計算する

こうすればOK

学年で金額が変わる学校(ハロウ安比・Rugby School Japan)があります。学年別の金額を積み上げ、初年度の一時金と毎年の必須費用を足す

避けたい

支払い時期を考えずに総額だけ見る

こうすればOK

入学金・保証金・初年度授業料の第1回分が入学前に集中します。ハロウ安比とRugby School Japanは3回分割、海陽中等教育学校は年3回(5月・9月・1月)。いつ、いくら必要かの時系列で資金を用意する

避けたい

定価だけを見て「うちには無理」と候補から外す

こうすればOK

UWC ISAK Japanは所得帯別の実支払額を公表しており、所得額500万円以下の家庭の平均は年約61万円です。まず奨学金の型(ニードベースかメリットベースか)と対象学年を確認してから判断する

まとめ

日本のボーディングスクールの学費は、年額で約302万円(海陽中等教育学校)から約1,145万円(ハロウ安比 Year 12-13)まで幅があります。高校3年間の通し総額では、約970万円から約3,751万円です。年額の表示ルールが学校ごとに違うため、寮費・施設費・食費・一時金・必須の行事費用を同じ物差しに揃えてから比べてください。

公的支援については、一条校の私立なら2026年4月からの新制度で所得制限なく年45万7,200円(3年で約137万円)が支援されます。旧制度で指定を受けていたインターナショナルスクール(Rugby School Japan)の新入生は、年収590万円未満で39万6,000円/年、590万〜910万円で11万8,800円/年の別枠支援があります(910万円以上は不支給)。指定を受けていない学校(ハロウ安比・白馬インターナショナルスクール)は対象外です。いずれも支援されるのは授業料で、寮費・食費は含まれません。

負担を大きく変えるのは、むしろ学校独自の制度です。UWC ISAK Japanは在籍の70%が給付型・ニードベースの援助を受けており、所得額500万円以下の家庭の実支払額は年約61万円と公表されています。海陽中等教育学校の特別給費生は年249万6,000円の免除に加えて入学金も免除されます。ただしどちらも入学時の学年に条件があるため、検討開始の時期そのものが選択肢の幅を決めます。学校の制度・大学入学資格・選び方は日本のボーディングスクール一覧に、海外の高校留学との比較は高校留学の費用にまとめています。

Q.日本のボーディングスクールで、いちばん学費が安いのはどこですか?

この記事で扱った学校では海陽中等教育学校で、学納金は年302万7,000円です(授業料73万2,000円+施設維持・充実費50万4,000円+寮費126万円+食費53万1,000円。食費を含んだ金額です)。次いで国際高等学校が年410万円で、こちらも寮費に1日3食と光熱費が含まれます。英語で学ぶ学校では国際高等学校が最も抑えられます。ただし海陽は日本語カリキュラムの6年一貫校で、高校段階からの入学は編入学(新4年生対象)になるため、入口の条件が学校ごとに違う点に注意してください。

Q.ハロウ安比の学費は結局いくらですか?

公式サイトの2026-27年度の学費表では、寮費を含む年間授業料がYear 7・8で1,054万8,740円、Year 9〜11で1,104万5,720円、Year 12・13で1,145万5,370円です。これに出願料5万円、入学金100万円、保証金44万円(ビザ支援が必要な場合は88万円)、制服約26万円、必須の学年旅行20万〜60万円が加わります。「870万〜950万円」と書いている記事もありますが、これは以前の年度の金額です。必ず公式サイトの最新の学費ページで確認してください。

Q.寮費や食費も就学支援金の対象になりますか?

なりません。高等学校等就学支援金は授業料に充てるための制度で、文部科学省の説明でも「授業料が(支給限度額)に達しない場合には、授業料を限度として就学支援金を支給します」とされています。国内ボーディングでは寮費が年126万〜320万円、食費が別建ての学校では年83万円かかり、ここは全額が自己負担です。また、支援の対象になるのは一条校です。年45万7,200円という支援額は、年410万円の国際高等学校で1割強、年722万5,000円のUWC ISAK Japanでは6%程度にとどまると考えて資金計画を立ててください。

Q.奨学金で学費が下がる可能性はどのくらいありますか?

学校によって性格がまったく違います。UWC ISAK Japanはニードベースのみ(能力による給付は行わないと明記)で在籍の70%が受給しており、所得額500万円以下の家庭の実支払額は年約61万円と公表されています。逆にRugby School Japanはメリットベースのみ(経済状況を問わない)で、給付は通学生の授業料の最大10%+入学金とSchool Development Feeの免除です。寮費は給付内容には含まれませんが、公式サイトは「校長の裁量で寮費の支援を行うことがある」とも記載しています。同校は寮費が年320万円と大きいので、該当しそうなら必ず問い合わせてください。ハロウ安比は入学時のメリットベース(最大30%、Year 12入学の例外的候補者は最大100%)と在校生向けのニードベースを分けています。まず志望校の奨学金がどちらの型かを確認してください。

Q.兄弟で通わせると割引はありますか?

学校によります。海陽中等教育学校は兄弟が同時在籍している期間中、2人目以降の学納金を年50万円減免します(兄弟に特別給費生・特待生Sが含まれる場合を除く)。Rugby School Japanは2人で5%、3人で15%、4人で30%を授業料と寮費から減免します。ハロウ安比は3人目からが対象で、3人目5%・4人目10%・5人目以降15%となり、2人目は対象外です。国際高等学校は在校生・卒業生の弟妹に授業料の10%を給付します。同じ「兄弟割引」でも条件が大きく違うので、募集要項で確認してください。

Q.海外の高校留学と比べると、どちらが高いですか?

重なります。海外の高校留学は1年でおよそ200万〜600万円(費用を抑えやすい国の公立校で150万円台、欧米の私立・ボーディングで500万〜1,000万円)で、国内ボーディングの年額300万〜1,150万円とほぼ同じ帯です。「国内だから安い」わけではありません。判断するなら、3年間の総額で並べたうえで、大学の費用まで含めた資金計画のなかでどこに配分するかを考えるのが実務的です。

3年間の総額と、我が家の負担額を試算する

学費・寮費・一時金を入れて、卒業までにかかる総額を計算できます。国内ボーディングと海外留学のどちらも、同じ物差しで比べるところから始めてください。