このページの要点

トビタテ高校生の応募書類は、設問ごとに字数が決まった留学計画書(オンライン入力)とA4 1枚の自己PRです。

  • 書く量:第11期の公式準備シートでは、応募理由500字・探究の「問い」65字・活動内容の詳細850字など、留学計画から自由記述までの記述欄が16あり、上限の合計は約5,200字(当サイトの計算)。書くのは生徒本人です。
  • 要件で対象外になる計画がある:ホームステイ先や留学エージェントは原則として受入先機関になれず、語学学習だけの計画は対象外。既存プログラムを使う場合も、自分で立案した活動を加えるよう公式FAQが求めています。
  • 計画書の日数が支給額を決める:奨学金は活動日数÷31(切り上げ)の回数分。移動日は数えず、採用後に期間を延ばしても増額されません。

トビタテ!留学JAPAN(高校生等対象)の書類選考は、文章のうまさを競う場ではありません。募集要項は審査の観点を「人物」と「計画」の2つとし、人物をより重視すると明記しています。一方で、受入先機関や期間の数え方といった要件を外すと、内容以前に支援の対象外になります。この記事では第11期の公式資料をもとに、全設問と字数、書く順番(当サイトの目安)、要件で対象外になる計画、保護者が担う準備までを整理します。第12期の募集要項と準備シートは2026年10月に公開予定です。

本記事の設問・字数・要件は、トビタテ!留学JAPAN公式サイトで公開された2026年度(第11期)の「留学計画書事前準備シート」「記入例」「募集要項【高校生等対象】」「よくあるご質問(FAQ)」にもとづきます(2026年9月確認)。2027年度(第12期)の募集要項と準備シートは2026年10月公開予定と公式に告知されており、設問や字数が変わる可能性があります。準備シート自体にも「実際のオンライン申請では、文字数や提出方法等が変更になる場合があります」と注記されています。応募時は必ず最新の公式資料で確認してください。

応募書類の全体像——16の記述欄とA4の自己PR

POINT

応募は在籍高校を通じたオンライン入力で、準備シートを添付して出すことはできません。応募者情報を除き、応募理由から将来像まで(留学計画・探究活動・発信活動・自由記述)の記述欄が16あり、それぞれに字数の上限があります。

トビタテの応募書類は「作文を1本書く」ものではなく、設問ごとに字数が決まった入力フォームです。第11期は、学校が機構のオンラインシステムのアカウントを持ち、生徒はそのシステムに応募者情報・応募理由・留学計画などを直接入力して在籍高校に提出する流れでした。公式の「留学計画書事前準備シート」はこの入力内容を下書きするためのもので、募集要項は「「留学計画書事前準備シート」を添付して申請することはできません」と明記しています。まずは全体を一覧で見て、どこにどれだけ書くのかをつかむところから始めます。

第11期 留学計画書の記述欄と字数(第一日程)

区分設問字数の上限設問文・記入例の注意(要旨)
2 留学計画応募理由500字数ある支援制度の中で、なぜトビタテでなければ実現できないのかを書く
2 留学計画留学計画のタイトル40字計画全体のテーマ。探究活動の「問い」とは別
2 留学計画キーワード(3つ)各10字以上20字以内留学の特徴になる語を3つ。似ていてもよい
2 留学計画計画の概要250字自分を知らない人に1分で伝えるイメージ
2 留学計画実現のための具体的な取り組み250字受入先機関との交渉状況など
3 探究活動留学中に行う探究活動の「問い」65字疑問形で設定する
3 探究活動「問い」の設定理由や経緯350字—
3 探究活動活動内容詳細(情報収集・整理・分析の方法など)850字「問い」に対して何をするかを具体的に
3 探究活動留学前の活動450字国内での情報収集・先行研究・仮説の設定など
3 探究活動留学後の活動450字プレゼン・小論文など成果のまとめ
4アンバサダー活動400字(第二日程は350字)いつ・どこで・誰に・何を・どのように
5エヴァンジェリスト活動400字(第二日程は350字)いつ・どこで・誰に・何を・どのように
6 自由記述過去の経験450字(第二日程は400字)困難を克服した経験・挑戦と、そこから学んだこと
6 自由記述高校卒業後の進路150字できるだけ具体的に
6 自由記述10年後に描いている夢250字—
6 自由記述学びを社会にどう還元するか300字—
6 自由記述自己PRA4 1枚(PDF添付)文章・イラスト・写真など表現は自由

このほかに、応募者情報(氏名・学校コードなど)、語学力(任意。英検・TOEFLなどのスコアと、英語・その他言語それぞれ200字以内の補足)、過去の海外経験(200字以内)、要件の確認欄、留学先(国・都市・受入先機関の種別と名称・活動日)、留学エージェント等の利用の有無、他の奨学金の受給予定、関連する分野(一覧から3つまで)、留学中のスケジュールの概要(準備シート上は字数の指定なし)を入力します。語学力と海外経験の補足欄(各200字以内)を除いた記述欄16(キーワード3つは1欄と数え、字数指定のないスケジュール欄は除く)の上限を足し上げると、第一日程で5,215字、第二日程で5,065字になります(キーワード欄を上限の60字として当サイトが計算)。高校生が一から書くには、数週間単位の時間がかかる分量だと考えておくのが現実的です(当サイトの目安)。

語学力の欄は任意、海外経験は「旅行」ではない

準備シートでは語学力の欄に〔任意〕と付いており、英語の資格がなくても応募自体はできます。公式FAQも「学業成績や語学力の要件はありません」としています。また過去の海外経験の欄について、記入例は家族旅行や修学旅行ではなく、実際に海外で生活した経験や学校主催の海外研修などを書くよう注意しています。記入例自体も海外経験「無」で記入されており、旅行の経験を無理に書き足す必要はありません。

書き始める前に——第12期の逆算スケジュール

POINT

第12期の募集要項と準備シートは2026年10月、応募申請の手引きは12月頃に公開予定です。本当の締切は機構の期限ではなく、それより前に学校が設定する校内締切です。

2026年9月14日に公式サイトへ掲載された第12期の案内によると、募集要項と留学計画書事前準備シートは2026年10月、応募者用・学校担当者用の応募申請の手引きは12月頃に公開される予定です。第12期の具体的な締切はまだ公表されていないため、ここでは第11期の実績を目安として示します。

第11期の日程(第12期の目安)

項目第一日程(新高2・3年生/新高1年生)第二日程(新高1年生のみ)
生徒から在籍高校への提出在籍高校が指定する期間在籍高校が指定する期間
学校のアカウント申請期限2026年1月16日2026年4月15日
在籍高校から機構への申請期限2026年1月22日2026年4月21日
選考の方法書面審査 → 通過者のみ面接審査全員が個人面接を受ける総合審査
面接3月20日〜29日(東京・大阪など各地)5月4日〜10日
採否結果の通知2026年4月下旬予定2026年5月下旬予定

学校は機構に出す前に計画の内容を確認し、学校側の入力をする必要があるため、校内締切は機構の期限より前に置かれます。第一日程なら年末年始をまたいで書き上げることになるので、冬休み前に下書きが一通りできている状態が目安です。以下は第11期の日程と公式の告知から当サイトが組んだ目安の進め方です。

  1. 110月:第12期の募集要項と準備シートが出たら、親子で募集要項の「7.要件」と準備シートの設問を読む。保護者は課税証明書の準備を始める(早めの準備は当サイトの目安)。学校の担当の先生に、応募を認めるか・学校にアカウントがあるか・校内締切はいつかを確認する
  2. 210〜12月:公式の募集説明会に参加する(第12期は対面が10月18日〜12月13日、オンラインが10月28日〜12月4日。生徒・保護者向けの回あり)。探究の「問い」と受入先機関の候補を固める
  3. 311〜12月:準備シートに下書きする。探究活動(問い→設定理由→活動内容→留学前後)から書き、応募理由・概要は最後にまとめる
  4. 412月〜校内締切:応募申請の手引きを確認し、オンラインシステムに入力。保護者が用意した課税証明書を学校に出し、本人が先生に家計基準の判定を依頼する(準備シートの確認事項)

第11期では、新高校1年生(中学3年生)は第一日程・第二日程のどちらかを選べましたが、両方には応募できません。第一日程で出す場合は、入学予定の高校に応募できるかを必ず確認するよう募集要項に書かれています。第二日程は応募者全員が面接を受ける総合審査で、準備シートではアンバサダー活動など3つの欄の字数が短くなっていました。

内容以前に対象外になる——要件で外れる計画

POINT

受入先機関になれない相手を書く、語学学習だけの計画にする、支援されない回数や期間で組む——要件を外した計画は、書き方のうまさでは取り返せません。既存プログラムをそのまま写す計画も、独自性を問われます。書き始める前に計画の形を確認します。

トビタテは生徒が自ら立案・作成した探究活動を含む留学を支援する制度で、募集要項は留学計画の要件を7つ定めています。どれか1つでも満たさない計画は支援の対象外です。とくに書類づくりの段階で確認しておきたいのは、受入先機関・活動の中身・留学の回数の3点です。

受入先機関として認められる例・認められない例(第11期 募集要項・FAQより)

区分例補足
認められる高校・大学・語学学校、研究機関、国際機関、インターンシップを受け入れる海外企業、ボランティア団体など教育機関に限らない。ただし計画に照らして留学先として適当かも審査される
認められないホームステイ先・寮・ホテルなどの滞在先個人による受入れは不可
認められない留学エージェント・旅行代理店・現地ツアー会社などその業者の業務自体を探究する活動(インターン等)の場合のみ例外
認められない日本に所在する法人・団体日本の法人・団体の海外事務所は可
認められない親戚・知り合い・教師宅などの個人個人が経営する事業での活動なら、その法人・団体は可

受入先機関は応募時点で確定していなくても応募できますが、FAQは「受入先機関のない留学計画は認められません」としており、計画書には予定の機関名か機関の種類を書き、留学先の国・地域は必ず記入します。奨学金の支給には受入先機関が出す受入許可と修了証明が必要になり、採用後に計画書にない受入先機関へ変えると再審査になる場合があるため、候補の段階で、証明書を出してもらえる法人・団体かを確かめておくのが安全です。

避けたい

ホームステイ先で家族と過ごしながら現地の生活を調べる計画にする(滞在先は受入先機関になれない)

こうすればOK

ホームステイは滞在手段にとどめ、活動の場として語学学校・現地校・NPO・企業などの受入先機関を置く

避けたい

語学学校に通うだけの計画にする(語学学習のみの計画は対象外)

こうすればOK

語学学習は準備や補助の位置づけにし、「問い」に沿った探究活動(調査・インタビュー・ボランティア等)を組み込む

避けたい

エージェントの既存プログラムの説明をそのまま計画書に写す

こうすればOK

プログラムを使うのは可。そのうえで自分で立案した活動を加え、独自性のある計画にする(FAQ Q21)

避けたい

夏に2週間、冬に2週間と2回に分けた留学の両方を申請する

こうすればOK

支援される留学は1回のみ。複数国にまたがる場合は、日本に戻らず移動する計画にする

このほか、留学開始日(受入先機関で活動を始める日)が第11期では2026年7月10日〜2027年3月31日の間であること、留学期間が14日以上1年以内で活動終了後10日以内に帰国すること、受入先機関の所在地が外務省の危険情報・感染症危険情報でレベル2以上でないこと(応募時点でレベル2以上でも選考には差し支えないが、留学開始時点や留学中にレベル2以上になると原則支給対象外)、在籍高校が教育上有益と認めることが要件でした。複数の留学計画の申請や、コースの併願もできません(FAQ Q12・Q13)。要件全体はトビタテ!留学JAPAN高校生の制度ガイドで整理しています。

計画書に書く「活動日数」が支給額を決める

POINT

奨学金は活動日数を31で割った回数分だけ出ます。移動日は数えず、採用後に期間を延ばしても増額されないため、計画書の日数がそのまま支給の上限になります。

保護者にとって見落としやすいのがここです。募集要項は、奨学金と留学準備金の支給額を応募時に申請する留学計画の国・地域と留学期間にもとづいて決めるとし、「採用決定後、留学計画の変更により支給額が減額になることはありますが、増額は行いません」と書いています。つまり計画書の留学先と日数の欄は、書類選考の材料であると同時に、家計に入るお金の上限を決める欄でもあります。

日数は「渡航日」ではなく「活動日」で数える

留学期間は、受入先機関で実際に活動を始めた日から終えた日までです。日本の出発日・現地到着日・ホームステイ開始日は含まず、活動のない移動日も除きます。受入先機関が修了証明などで証明できない日も数えません。記入例では、初日も含めて数えることと、複数の機関の間に活動のない日があればその日数を除くことが示されています。

支給対象月数と奨学金の総額(第11期・家計基準内の例)

活動日数支給対象月数地域区分①(月16万円)地域区分②(月12万円)
14〜31日1回分16万円12万円
32〜62日2回分32万円24万円
63〜93日3回分48万円36万円
94〜124日4回分64万円48万円
125〜155日(ここからロング)5回分80万円60万円

たとえば活動31日と32日では、1日の違いで支給対象月数が1回分変わります。留学期間は受入先機関が証明できる活動期間だけなので、移動日を含めて「32日」と書いても、活動日が31日なら1回分として扱われると考えるべきです。逆に、応募時に25日で出した計画を採用後に40日へ延ばしても、支給は1回分のままです(募集要項6.(1)(エ)の例1)。

地域区分①は北米・シンガポール・欧州・中近東、②はアジア(シンガポールを除く)・大洋州・中南米・アフリカで、①のうち東欧・旧ソ連圏などの一部の国(ポーランド、チェコ、エストニア、カザフスタンなど)は②の月額になります。複数の国に行く場合は活動期間が最も長い国の区分が適用されます。

活動の中身から期間と国の案を出すのは本人、その案で支給額がどう変わるかを確かめるのは家族、という分担で、書類を書き始める前に固めておくのが順序です。

家計基準外の月額は6万円です。留学準備金(アジア地域21万円・その他35万円、増額分を含む)も国・地域で決まります。支給の時期は留学期間で異なり、124日以下では奨学金が留学終了後に一括で振り込まれます。受け取るまでの立替えを含めた資金計画はトビタテの制度ガイドと返済不要の奨学金の選び方を参照してください。

奨学金で埋まらない部分を先に出しておく

トビタテの支給は実費のすべてではありません。国と期間を決める前に、航空券・保険・プログラム費を含めた総額を試算しておくと、計画書の日数を決めやすくなります。

探究活動の「問い」の立て方——計画書の中心

POINT

「問い」は65字以内の疑問形で、計画のタイトルとは別物です。問い→設定理由→活動内容→留学前後の活動を1本の線でつなげると、計画の観点(探究活動内容が適切か)に答えやすくなります(当サイトの考え方)。

トビタテの探究活動とは、募集要項の定義では、自らの興味・関心にもとづいて「問い」または課題を設定し、情報を収集・整理・分析したり周囲と意見交換・協働したりしながら答えを導き出していく活動です。準備シートは「「問い」は疑問形で設定してください」と指定し、記入例は探究活動の「問い」が留学計画のテーマ(タイトル)とは異なると注意しています。探究活動とその他の学修の割合は自由で、探究活動のみの計画も対象です。活動時間の目安(週何時間など)の指定もありません。

公式が示している「問い」の例

募集要項に掲載された問いの例(第11期・コース別に一部抜粋)

コース問いの例活動内容の例
STEAM探究AI審判はどのスポーツにも有効か?国による判断基準の差を調べ、現役エンジニアと意見交換する
スポーツ・芸術探究日本のスポーツ医療の発展に必要なものは何か?現地のユースクラブに所属しながら、トレーニングや怪我の予防方法を調べる
マイ好奇心探究ギリシャ神話のように伝承され続けるストーリーをつくる秘訣は何か?現地校を視察し、古典文学が教育にどう取り入れられているかを調べる
社会課題探究認知症患者の『その人らしさ』を尊重するために地域社会ができる取組みは何か?ケア施設のスタッフや地域住民に意識調査を行う

共通しているのは、答えが1つに決まっておらず、しかも現地で人に会って確かめる方法があるという点です。当サイトの見方では、「〇〇とは何か?」のように調べれば答えが分かる問いや、「世界を平和にするには?」のように大きすぎて留学中に手が届かない問いは、活動内容の850字を具体的に書きにくくなります。公式例の「〜に必要なものは何か?」のように、答えを現地で探す余地がある形なら「何か?」で終わっても問題ありません。記入例(STEAM)の活動内容詳細は、サマーキャンプ参加、イノベーションセンターでのインタビュー、企業インターン、地域住民へのアンケートと、誰に・どこで・何を聞くかが並ぶ構成でした。

避けたい

問いを「〇〇について学ぶ留学」と書く(疑問形でなく、タイトルと同じになっている)

こうすればOK

「日本で〇〇が広がるには、どんな取り組みが必要か?」のように疑問形にし、タイトルとは別の文にする

避けたい

問いが大きく、活動内容が「現地の文化に触れて考える」程度の書き方で終わる

こうすればOK

問いを絞り、「誰に・どこで・何を聞き・どう比べるか」を活動内容に書けるところまで具体化する

避けたい

留学前・留学後の欄を「頑張って準備する」「経験を活かす」とだけ書く

こうすればOK

留学前は仮説と国内での調査、留学後は日本との比較・発表など、問いへの答えをまとめる方法を書く

問いの設定理由(350字)は、自分の経験から問いが生まれた経緯を書く欄です。記入例では、音楽が好きな経験とプログラミングの授業での関心、周囲の反応への疑問が並べられ、最後に問いを設定した理由へつながっています。ここが本人の体験から出ていると、応募理由や自由記述と自然につながります。探究のテーマ探しに迷う場合は、コースの選び方(STEAM・スポーツ芸術・マイ好奇心・社会課題)から逆に考える方法もあります。

応募理由と計画の概要——最後にまとめて書く欄

POINT

応募理由500字は「なぜトビタテなのか」を問う欄です。概要250字は自分を知らない人に1分で伝える要約で、探究活動を書き終えてからのほうがまとまります。

応募理由について、記入例は「自分の留学はトビタテでなければ実現できない」という理由を書くよう注意しています。「費用が足りないから」だけでは、他の奨学金でもよいことになってしまいます。トビタテには事前・事後研修や採用者のネットワーク、アンバサダー・エヴァンジェリスト活動という仕組みがあり、自分の計画がそれとどう結びつくかを書けると、制度を選んだ理由がはっきりします。審査の観点(計画)にも「応募理由が明確であるか」が挙げられています。

計画の概要(250字)は、記入例の言葉では、自分のことを知らない人に1分間で分かりやすく伝えることをイメージして書く欄です。タイトル(40字)は計画全体のテーマ、キーワードは留学の特徴を表す語を3つ(各10〜20字)。実現のための取り組み(250字)には、受入先機関との交渉状況など、すでに動いていることを書きます。この4つは探究活動の欄から要約して作るほうが、内容と食い違いにくくなります。

アンバサダー活動・エヴァンジェリスト活動の書き方

POINT

どちらも400字(第二日程は350字)で、記入例は「いつ・どこで・誰に対して・何を・どのように」を具体的に書くよう求めています。両方を含むことが留学計画の要件で、採用されれば実際に行う活動なので、実行できる規模で書きます。

アンバサダー活動は、留学先で日本や日本の地域の良さを発信する活動、エヴァンジェリスト活動は、留学中・帰国後に留学の魅力や体験を周りに伝える活動です。記入例は、エヴァンジェリスト活動について「自分の学校から留学にチャレンジする人が、毎年必ずいる状況を作るために何ができるのか」を考えるよう促しています。両方の活動を含むことは留学計画の要件で、さらに募集要項は採用後の義務の章で、帰国後もトビタテ生として継続的にエヴァンジェリスト活動に取り組むよう求めています。計画書に書いた内容は選考の材料であると同時に、留学中・帰国後の約束にもなります。

2つの活動の違いと記入例に挙がっている例

アンバサダー活動エヴァンジェリスト活動
時期留学中留学中・帰国後
相手留学先の人(ホストファミリー、クラスメイトなど)日本の人(自分の学校、地元の中学校など)
目的日本や地域の良さを発信し、日本のファンを増やす留学の魅力を伝え、次に留学する人を増やす
記入例に挙がっている例郷土料理を作って振る舞う/日本に関する質問を集めてプレゼンする/好きな言葉を筆ペンで書いて贈る学校で報告発表する/地元の中学校や児童館で発表する/準備から帰国後までをSNSで発信する

ここでよくある失敗は、例をそのまま写して「和食を振る舞う」「SNSで発信する」と書くことです。記入例は、なぜその活動を行いたいのかも書くよう求めています。自分の地域や探究テーマと結びつけた理由がある活動にすると、同じ「発表する」でも他の応募者と区別できます。

自由記述と自己PR——人物と「成果の活かし方」を伝える欄

POINT

審査は人物と計画の2観点で、募集要項は人物をより重視すると明記しています。過去の経験とA4の自己PRは主に人物を伝える欄、進路・10年後・社会への還元は計画の観点のうち、成果を将来と社会にどう活かすかにも関わる欄です。

募集要項の審査の観点は、「人物」(求める人材であるか)と「計画」(目的や応募理由の明確さ、留学先・期間・探究活動の適切さ、成果を将来と社会にどう活かすか)の2つです。そのうえで「「人物」の観点をより重視します」と書かれています。「人物」の中身は、募集要項の「4.求める人材像」に挙がる素養です。多様な価値観を柔軟に取り入れる意欲、社会に貢献しようとする志、好奇心を原動力に新たな価値を創造する力、探究心を持ち視野を広げる姿勢、失敗を恐れず挑戦し続ける気持ち、周囲を巻き込むリーダーシップ、多様な人々と対話し協働する姿勢の7つが並んでいます。

審査の観点と、それが表れやすい記述欄(当サイトの整理)

審査の観点(募集要項)表れやすい記述欄
人物:失敗を恐れず挑戦し続ける気持ち/探究心を持ち視野を広げる姿勢過去の経験(450字)・問いの設定理由(350字)
人物:好奇心を原動力に新たな価値を創造する力問い(65字)・自己PR(A4)
計画:目的と応募理由が明確か応募理由(500字)・計画の概要(250字)
計画:留学先・期間・探究活動内容が適切か留学先・日数の欄・活動内容詳細(850字)
計画:成果を将来と社会にどう活かすか卒業後の進路(150字)・10年後(250字)・社会への還元(300字)・留学後の活動(450字)

上の表の右列は、募集要項が示す審査の観点と準備シートの設問を当サイトが対応づけたもので、機構が欄ごとの審査観点を公表しているわけではありません。選考・審査の内容や採否の理由について、機構は一切回答しないとしています。

過去の経験(450字)は、学校の内外で困難を克服した経験や挑戦したことと、そこから学んだことを具体的に書く欄です。大きな実績である必要はなく、何に困り、どう試し、何を学んだかの筋道が見えることが大切です。自己PRはA4 1枚のPDFで、文章・イラスト・写真など表現方法は自由とされています。ファイル名の形式(「学校コード_自己PR_氏名」)まで準備シートで指定されているので、そのとおりに保存します。卒業後の進路は、留学経験を総合型選抜でどう活かすかとも関わるので、家族で話しておくと書きやすくなります。

保護者ができること・しないほうがよいこと

POINT

準備シートは、留学計画書は応募者本人が作成する必要があると明記しています。保護者の役割は書くことではなく、書類の外側——お金・安全・期限・受入先の確認——を固めることです。

準備シートの冒頭には「留学計画書は、応募者本人(みなさん)が作成する必要があります」とあり、先生と募集要項を読み、相談しながら作成するよう書かれています。人物を重視する審査で、大人が整えた文章は本人の言葉と面接での受け答えがずれる原因にもなります。一方で、高校生だけでは手が届きにくい準備もあります。保護者が担うと効果が大きいのは次の領域です。

保護者が担う準備と、本人に任せる部分

領域保護者が担うこと本人に任せること
お金生計維持者の課税証明書を用意する/支給までの立替え資金を確保する課税証明書を学校に出し、家計基準の判定を先生に依頼する
日数と国活動日数と地域区分で支給額がどう変わるかを一緒に計算する活動の中身から期間と国を決める
受入先機関法人・団体か、受入許可と修了証明を出せるかを一緒に確認する問い合わせ・交渉(実現のための取り組み欄に書く)
安全外務省の危険情報レベルと現地の安全体制を確認する—
期限校内締切から逆算した予定を家庭のカレンダーに入れる下書きの進行
文章質問して考えを言葉にする手伝いをするすべての記述欄と自己PRを書く

避けたい

子どもの下書きを親が書き直して「通りやすい文章」に整える

こうすればOK

「なぜそう思ったの?」「現地で誰に聞くの?」と質問し、本人の言葉で書き直してもらう

避けたい

受入先機関の確認を子ども任せにし、滞在先やエージェントを受入先として書いてしまう

こうすればOK

募集要項の「受入先機関として認められない例」を親子で読み、候補が法人・団体かを確認する

避けたい

奨学金が出る前提で、航空券やプログラム費の支払い計画を立てない

こうすればOK

採用されなかった場合と、採用されて帰国後に一括で受け取る場合(活動124日以下)の両方で資金繰りを確認する

子どもが留学したいと言い出した段階の関わり方は子どもが留学したいと言い出したらでも整理しています。トビタテは生徒・保護者から事務局への直接の問い合わせを受け付けておらず、質問は在籍高校を通じて行います。

提出前チェック——入力の仕様と取り返しのつかない点

POINT

オンラインシステムでは改行も1文字に数えられ、太字や下線は反映されません。申請期限後は差替えも訂正もできないため、入力の仕様を知ったうえで見直します。

  1. 1日本語で書く:応募書類は日本語で作成し、氏名などの旧字体は常用漢字に置き換える
  2. 2改行も1文字:オンラインシステムでは改行も字数に数えられる。上限ぎりぎりの欄は改行を減らして調整する
  3. 3書式は反映されない:太字・斜体・下線・文字色は反映されないため、強調は言葉で行う
  4. 4日付は活動日:留学開始日・終了日は受入先機関での活動日。渡航日・帰国日を書かない
  5. 5要件の確認欄:家計基準の判定依頼(課税証明書の提出)など、チェックする項目を実際に済ませたか確認する
  6. 6不備は審査対象外になりうる:募集要項は、応募書類に不足や記入漏れがあると審査の対象とならない場合があるとしている
  7. 7期限後は変更できない:申請期限後の差替えや訂正は一切認められない。面接で変更を申し出ても受理されたことにはならず、採用後の変更申請が必要

第11期の公式FAQでは、在籍高校が留学中の探究活動や学修を単位認定しない場合でも応募できるとされています。一方で、長期の留学では単位や進級の扱いが家庭の大きな関心になるので、高校留学の単位認定の仕組みも合わせて学校に確認しておくと、計画書の期間を決めやすくなります。

書類のあとに面接がある——書いた内容は自分の言葉で話せるか

POINT

第一日程は書面審査の通過者が、第二日程は全員が対面の個人面接を受けます。面接は日本語で行われ、書類を書いた本人が臨みます。

第11期の面接は対面で、日時と会場は機構が指定し、原則として変更できません。交通費は応募者の自己負担です。面接を受けるのは書類を書いた本人なので、計画書の内容を自分の言葉で説明できる状態にしておくのが自然な準備です。書類を大人が整えすぎると、本人の言葉とのずれが出やすくなります。選考の流れと倍率の構造はトビタテ高校生の倍率と採用の実態で扱っています。採否の理由は公表されず、結果から計画のどこを直せばよいかは分かりません。それでも探究の計画そのものは他の奨学金や短期留学の計画に転用できるよう、下書きを保存しておくことをおすすめします。

どの留学の形なら探究計画が立つか整理する

期間・国・目的の組み合わせで、向いている留学の形は変わります。トビタテの計画を立てる前に、子どもに合う留学のタイプを確認してみてください。

まとめ

トビタテ!留学JAPAN(高校生等対象)の応募書類は、設問ごとに字数が決まったオンライン入力の留学計画書と、A4 1枚の自己PRです。第11期の準備シートでは留学計画から自由記述までの記述欄が16あり、上限の合計は約5,200字(当サイトの計算)。中心は65字の疑問形で書く探究活動の「問い」で、設定理由・活動内容・留学前後の活動を1本の線でつなげて書くと、募集要項の計画の観点(留学先・期間・探究活動内容が適切か)に答えやすくなります(当サイトの考え方)。審査は人物をより重視するため、自由記述や自己PRも本人の言葉で書くことが前提です。

書き方の前に確認したいのは要件です。滞在先やエージェントは原則として受入先機関になれず、語学学習だけの計画は対象外で、支援される留学は1回だけ。さらに計画書に書く国と活動日数が支給額の上限を決め、採用後に増えることはありません。第12期の募集要項と準備シートは2026年10月公開予定です。保護者は書類を書く側ではなく、課税証明書の用意・資金計画・受入先機関の確認・校内締切の管理という外側を固める役割を担うと、子どもが計画書に集中できます。

Q.受入先機関が決まっていなくても応募できますか?

第11期のFAQでは応募できるとされています。ただし受入先機関のない計画は認められず、計画書には予定の機関名か機関の種類(語学学校・現地高校・ボランティア団体など)と、留学先の国・地域を記入します。支給には受入許可と修了証明が必要で、採用後に計画書にない機関へ変えると再審査になる場合があります。

Q.留学エージェントのプログラムを使って応募してもいいですか?

在籍高校が教育上有益と認めるプログラムなら利用できます。ただしエージェントは原則として受入先機関になれず(その業者の業務自体を探究する場合を除く)、既存プログラムの内容をそのまま計画にするのではなく、自分で立案した活動を加えて独自性のある計画にするよう公式FAQで求められています。計画書にはエージェントの利用有無と目的を記入する欄があり、準備シートには利用の有無は合否に影響しないと注記されています。

Q.英語の資格がなくても応募できますか?

できます。準備シートの語学力の欄は〔任意〕で、選考は人物と計画の2観点で行われます。ただし現地でインタビューや調査を行う計画なら、その語学力で活動内容が実行できるかは計画の適切さとして問われうるので、語学学校を準備段階として組み込むなどの設計が考えられます。

Q.親が計画書を添削してもいいですか?

準備シートは、留学計画書は応募者本人が作成する必要があるとし、先生と相談しながら作るよう書いています。保護者は書き直すのではなく、質問して考えを言葉にする手伝いや、受入先機関・日数・資金の確認に回るのがおすすめです。面接では本人が計画を説明することになります。

Q.準備シートに書いたものをそのまま提出できますか?

できません。正式な申請はオンラインシステムへの直接入力で、準備シートを添付して申請することはできないと明記されています。システムでは改行も1文字に数えられ、太字などの書式は反映されないため、転記したあとに字数と見え方を確認してください。

Q.探究活動は週に何時間くらい必要ですか?

第11期のFAQでは、探究活動の時間数の指定はないとされています。探究活動とその他の学修の割合も自由で、探究活動のみの計画も対象です。ただし語学学習だけの計画は対象外なので、語学学校に通う場合も「問い」に沿った活動を組み込む必要があります。

出典:トビタテ!留学JAPAN公式サイト「【高校生等対象】2026年度(第11期)応募への準備お役立ち情報」掲載の留学計画書事前準備シート・記入例、「官民協働海外留学支援制度 ~トビタテ!留学JAPAN 新・日本代表プログラム~【高校生等対象】2026年度(第11期)派遣留学生募集要項」、「【高校生等対象】よくあるご質問(FAQ)第11期募集」、「【高校生等対象】2027年度(第12期)応募への準備お役立ち情報」(2026年9月14日掲載)。字数の合計と、審査観点と記述欄の対応表は当サイトの整理です。第12期の内容は必ず最新の公式資料で確認してください(2026年9月時点)。