このページの要点

ICUの評判は口コミではなく、大学が公表している学費・合否・進路の実数で確かめられます。

  • 学費は4年分が年度別に公表されている:2026年度入学生の授業料+施設費は年額で1,521,000円→1,557,000円→1,578,000円→1,599,000円。4年で6,255,000円、入学金300,000円を足すと6,555,000円です(金額は各年度の公表値。合計は当サイトによる合算)。
  • 一般選抜は合格者の約36%にすぎない:2026年度入学者選抜の合格者1,044名のうち、一般選抜4区分は372名。9月入学は合わせて245名=約23%を占めます(ELBA September Entry 239名+同推薦6名。ほかにEJU利用〈9月入学〉が志願4名・合格0名)。人数はICU公表値、構成比は当サイトの計算です。
  • 「就職率90%超」の分母は卒業者ではない:ICUは「就職率(就職希望者数に占める就職者数)」と自ら定義しています。2025年度は90.4%、進学率は20.0%です。

「ICU 評判」で検索して出てくるのは、口コミサイトの投稿と、それを引用した記事です。ただ、その口コミを誰が、在学生として書いたのか卒業生として書いたのか、いつ書いたのかは、たいていの場合分かりません。当サイトは受験指導も相談も行っておらず、体験談を持っていません。そこで本記事は、ICUが自分で公表している数字だけを使って「評判」の中身を確かめます。結論から言うと、学費・入口・進路の3点については、噂よりもはるかに具体的な事実が公表されています。国際系学部全体の見分け方は国際系学部とはをご覧ください。

本記事の出典と、扱わないことについて: 本文の数値・引用は、国際基督教大学(ICU)の公式サイト(「学費(学部)」「入学者選抜結果」「進路実績」「リベラルアーツ英語プログラム(ELA)」「入学から卒業までの流れ」「メジャー」「留学」「数字で見るICU」)および「国際基督教大学概況 2026年5月1日現在」(同大学の情報公開ページ掲載のPDF)を、当サイトが2026年8月28日に取得して確認したものです。合計・構成比・倍率の計算は、公表値をもとにした当サイトの計算であることを本文中に明記しています。次のものは本記事では扱いません。偏差値(予備校各社の推計値であり大学の公表値ではないため。代わりに公表値から計算できる倍率を示します)②卒業生の平均年収(ICUは公表しておらず、ネット上の金額はいずれも二次情報です)③帰国生の在籍比率(公表されていません)④入学者数(選抜結果として公表されているのは志願者数と合格者数です)⑤個別の口コミの引用学費・入試制度・進路データは毎年改定されます。出願前に必ず最新の募集要項と大学公式ページでご確認ください。

結論:評判は「学費・入口・進路」の3つの公表値で確かめる

POINT

ネット上で語られる論点の多くは、ICU自身が公表している数字に置き換えられます。置き換えると、評価が変わるというより、判断に使える形になります

保護者の方がICUについて知りたいことは、煎じ詰めると「いくらかかるのか」「うちの子はどの入口なら現実的か」「出たあとどうなるのか」の3つだと思います。この3つは、いずれも大学の公表資料で確かめられます。下の表は、よく見かける言われ方と、公表値で分かることを並べたものです。

「ICUの評判」でよく見る論点と、大学の公表値で確かめられること(合計・構成比は公表値をもとにした当サイトの計算)

論点よく見かける言われ方大学の公表値で分かること出典(ICU公式)
学費「私立文系のなかでは高い」4年分が年度別に公表されている。授業料+施設費の合計は年額1,521,000円→1,557,000円→1,578,000円→1,599,000円。入学金は本科生300,000円学費(学部)
入りやすさ「偏差値が高い」「一般選抜が難関」2026年度は志願者3,462名・合格者1,044名。うち一般選抜4区分は合格372名で、残りは総合型選抜と学校推薦型選抜入学者選抜結果
入学時期(ほとんど語られない)9月入学がある。ELBA(September Entry)の合格者239名+同推薦6名で、合格者全体の約23%入学者選抜結果
英語の負荷「課題が多くてついていけない」大学自身が「課題は全て英語で、量もかなり多い」「1年次はELAが大半を占めることになります。」と明記。最も多い層で週9コマリベラルアーツ英語プログラム(ELA)
就職「就職率90%超で強い」その数字は「就職希望者数に占める就職者数」とICUが定義。2025年度90.4%。卒業者を分母にした数字ではない進路実績
大学院進学「進学する人が多い」進学率(学部卒業生)は2025年度20.0%。ICUは全国平均12.7%(文部科学省 令和7年度学校基本調査)を併記している進路実績

以降の章で、この表の各行を根拠までさかのぼって見ていきます。先に申し上げておくと、公表値を見てもICUが「良い大学かどうか」は決まりません。決まるのは、お子さんとご家庭にとって条件が合うかどうかです。そこを判断できる材料をそろえることが、この記事の目的です。

なぜ口コミでは判断できないのか

POINT

口コミが役に立たないのではなく、母数と書き手の属性が分からないまま平均点だけが提示されるのが問題です。上位に並ぶ記事は、その口コミをさらに引用しています。

「ICU 評判」で上位に表示されるページを実際に開くと、大きく2種類に分かれます。ひとつは口コミサイトで、投稿を集計した点数が出ています。もうひとつは、その口コミやSNSの投稿を引用してまとめた記事です。当サイトが2026年8月28日に上位7件を1本ずつ確認したところ、大学の公表データを出典付きで示していたのは2件でした。そして、口コミの母数や書き手の偏りについて注意を促していたページは1件もありませんでした。

これは口コミサイトの問題というより、引用する側の問題です。投稿は「その大学に強い感情を持った人」が書きやすく、満足した人と不満を持った人の両端に寄りがちです。さらに、投稿された時点のカリキュラムや入試制度が現在と同じとは限りません。ICUは2026年度の入学者選抜だけで18の区分を設けており、入学した入口が違えば、入学後に見える景色も違います。同じ大学について書かれた口コミでも、書き手がどの入口から入ったのかが分からなければ、比較のしようがありません。

避けたい

口コミサイトの総合点(たとえば5点満点で4.4)を、他大学の点数と並べて比べる

こうすればOK

点数は投稿者の属性も母数の内訳も分からないものとして扱い、大学が公表している実数(学費・志願者数・合格者数・就職率・進学率)で比べる

避けたい

「課題が多くて大変らしい」という評判を、真偽不明の噂として受け止める(あるいは誇張だと切り捨てる)

こうすればOK

大学自身の記述にあたる。ICUはELAについて「課題は全て英語で、量もかなり多い」と公式に書いており、噂ではなく前提条件として計算に入れられる

避けたい

「偏差値◯◯だからうちの子には無理」と、一般選抜だけを見て候補から外す

こうすればOK

入口の一覧と、区分ごとの志願者数・合格者数を見る。2026年度は合格者1,044名のうち一般選抜が372名で、総合型選抜と学校推薦型選抜のほうが多い

避けたい

「就職率91.8%」を他大学の就職率とそのまま比較する

こうすればOK

分母の定義を確認する。ICUのこの数字は就職希望者ベース。卒業者ベースの数字と並べると、比較にならない

①学費:ICUは4年分を年度別に公表している

POINT

多くの大学のパンフレットに載るのは初年度納付金だけです。ICUは入学時点で卒業までの4年分の授業料と施設費を年度別に公表しており、総額を推測ではなく合算で出せます。

大学の学費でご家庭が困るのは、金額の高さそのものよりも「4年でいくらになるのか分からない」という点です。初年度納付金は公表されていても、2年目以降は改定されるため、多くの大学は先の金額を示しません。国際系学部の見分け方でも触れたとおり、「初年度納付金×4」で計算すると総額を読み違えます。ICUはこの点で例外的で、入学年度の学費ページに卒業年度までの金額が載っています。

ICU 教養学部の授業料・施設費(2026年度入学生・大学公表値。2029年度の施設費のみ公式表の表記が不整合のため下記の確認ポイント参照)

年度授業料(年額)施設費(年額)合計(年額)各学期
2026年度1,167,000円354,000円1,521,000円507,000円
2027年度1,203,000円354,000円1,557,000円519,000円
2028年度1,224,000円354,000円1,578,000円526,000円
2029年度1,245,000円(下記の確認ポイント参照)1,599,000円533,000円

ICUは3学期制なので、各学期の金額を3倍すると年額になります(施設費は各学期118,000円×3学期=354,000円)。この4年分に入学金を足したものが、学納金の総額です。

4年間の学納金の積み上げ(金額は各年度の公表値。合計は当サイトによる合算)

費目金額根拠
入学金(本科生)300,000円学費ページの「入学金」欄の「本科生」の額
授業料+施設費 2026年度1,521,000円年額の公表値
授業料+施設費 2027年度1,557,000円年額の公表値
授業料+施設費 2028年度1,578,000円年額の公表値
授業料+施設費 2029年度1,599,000円年額の公表値
4年間の合計6,555,000円当サイトによる合算(授業料+施設費の4年分6,255,000円+入学金300,000円)

約656万円という水準は、国際系学部とはで並べた各校の4年間の学費(上智大学 国際教養学部 約603万円、立命館アジア太平洋大学 約600万円、早稲田大学 国際教養学部 約676万円など)のなかに収まります。ここに含まれていないものが重要で、住居費・食費・教科書代・保険料は別です。ICUには学生寮があり、寮費は学費ページとは別のページで公表されています。自宅から通えるかどうかで、4年間の実際の負担は大きく変わります。

在籍料——休学と、交換留学以外の留学でかかる

見落としやすいのが在籍料です。ICUは「学期毎に30,000円、年間90,000円」と定めたうえで、「*学生が休学する場合や、本学の交換留学制度によらずに海外へ留学する場合は、当該学期について在籍料の納付が必要です。」と注記しています。つまり、大学の交換留学制度を使わずに自分で手配して留学した場合、その学期は在籍料がかかります。留学を視野に入れているご家庭は、「どの制度を使う留学なのか」で費用の扱いが変わる点を押さえておいてください。なお本記事では、ICUで留学が卒業要件として必修かどうかは断定しません(公式ページで確認できませんでした。参加実績については後述します)。

公式の表に、施設費の表記が1か所だけ食い違っている

確認ポイント:当サイトが2026年8月28日に取得した学費ページでは、2029年度の施設費(年額)が「345,000円」と表記されています。ただし同じ行の合計は1,599,000円で、授業料1,245,000円との差は354,000円です。各学期の施設費も118,000円(×3学期=354,000円)と記載されています。つまり年額欄の数字だけが他と整合しません。当サイトでは大学の公表値を書き換えることはしないため、上の表では年額の施設費欄を空け、整合が取れている合計額(1,599,000円)を使っています。4年間の総額を自分で計算される場合は、年額の合計欄を足すのが安全です。表記は修正される可能性がありますので、出願前に最新のページでご確認ください。

②入口:合格者の約64%は一般選抜以外の区分

POINT

ICUは2026年度だけで18区分の選抜を行っています。合格者1,044名のうち一般選抜4区分は372名で、約36%。「偏差値と一般選抜」だけを見ると、入口の3分の2を見落とすことになります。

ここが、上位に並ぶ記事がまったく触れていない部分です。ICUは入学者選抜の結果を区分ごとに公表しており、志願者数と合格者数がすべて分かります。保護者の方にとっては「うちの子はどの入口が現実的か」を考えるための、いちばん具体的な材料です。以下は2026年度の公表値をそのまま転記したものです(かっこ内は転編入本科学生で内数)。

ICU 2026年度入学者選抜結果(ICU公表値をそのまま転記)

入試方法区分志願者合格者
一般選抜人文・社会科学選択907(40)267(9)
一般選抜数理・自然科学選択239(6)85(2)
一般選抜日英バイリンガル面接利用146(11)15(0)
一般選抜英語外部試験利用95(10)5(1)
総合型選抜英語外部試験利用36574
総合型選抜理数探究利用60
総合型選抜IBDP利用357
総合型選抜帰国生44582
総合型選抜社会人71
総合型選抜EJU(日本留学試験)利用(4月入学)434
総合型選抜EJU(日本留学試験)利用(9月入学)40
総合型選抜English Language Based Admissions (April Entry)225(17)33(2)
総合型選抜English Language Based Admissions (September Entry)697(14)239(5)
学校推薦型選抜国際基督教大学高等学校8585
学校推薦型選抜本学が指定する高等学校9487
学校推薦型選抜キリスト教学校教育同盟加盟校6152
学校推薦型選抜ELBA Recommendees (April Entry)22
学校推薦型選抜ELBA Recommendees (September Entry)66

この表を選抜方法ごとに合計すると、入口の構成が見えます。以下の合計と割合は、上の公表値をもとにした当サイトの計算です(ICUがこの集計を掲げているわけではありません)。

選抜方法別の規模(当サイトが上表を合計したもの)

入試方法志願者合格者合格者に占める割合
一般選抜(4区分)1,387372約36%
総合型選抜(9区分)1,827440約42%
学校推薦型選抜(5区分)248232約22%
合計3,4621,044100%

一般選抜の志願倍率(志願者数÷合格者数)は、4区分の合計で1,387÷372=約3.7倍、最も募集規模の大きい人文・社会科学選択で907÷267=約3.4倍です(いずれも当サイトの計算)。なお、これは「実質倍率」ではありません。ICUが公表しているのは志願者数と合格者数で、実際に受験した人の数(受験者数)は公表されていません。実質倍率は、志願者数のかわりに「実際に受験した人の数」を使って計算します。出願したが受験しなかった人がいる分、志願倍率よりも低い数字になります。他大学が公表する実質倍率とそのまま比べないでください。「難関」という評判自体は否定されませんが、倍率としては極端な数字ではありません。むしろ注目すべきなのは、日英バイリンガル面接利用(146名志願・15名合格)や英語外部試験利用(95名志願・5名合格)のように、区分によって合格のしやすさが大きく違う**ことです。区分ごとに評価される力が違うので、「ICUの難易度」とひとくくりにできません。

9月入学だけで合格者の約23%を占める

見落とされがちですが、ICUには9月入学があります。English Language Based Admissions(ELBA)の September Entry は、2026年度に志願者697名・合格者239名。学校推薦型選抜の ELBA Recommendees (September Entry) の6名を合わせると245名で、これは合格者全体の約23%にあたります(当サイトの計算)。なお9月入学の区分はこの2つだけではなく、総合型選抜に「EJU(日本留学試験)利用(9月入学)」もあります(2026年度は志願者4名・合格者0名。上の表に転記したとおりです)。単一の入学時期としては、合格者の4人に1人近くが9月入学という規模です。日本の高校を3月に卒業してから9月まで待つ期間が生まれるため、誰にでも向く選択肢ではありませんが、海外の学校に在籍していて卒業時期が日本とずれているお子さんには、むしろ自然な入口になります。

海外で学んだ経験がある子には、複数の入口がある

高校で留学したお子さんや、海外の学校に在籍しているお子さんの場合、ICUには帰国生を対象とする総合型選抜(2026年度=志願者445名・合格者82名)、IBDP利用(35名・7名)、英語外部試験利用(365名・74名)、そしてELBAがあります。どの区分に出願できるかは、海外で教育を受けた期間などの要件で決まりますので、必ず募集要項で確認してください。高校留学の経験を大学入試でどう扱うかという論点は、帰国子女枠と高校留学総合型選抜と留学経験で扱っています。また、日本の大学と海外大学を併願する考え方は海外大学と日本の大学の併願をご覧ください。

合格者と入学者は別の数字——ここを混ぜない

ひとつ注意点があります。ICUが公表しているのは志願者数と合格者数で、入学者数ではありません。合格しても他大学へ進む人がいるため、実際に入学した人の構成比は上の表とは異なります。本記事が「約36%」「約23%」と書いているのは、いずれも合格者に占める割合です。ネット上には合格者数を入学者数のように扱った記述も見かけますが、この2つは別の数字です。なお、在学生の規模は別の資料で公表されており、2026年5月1日現在で教養学部アーツ・サイエンス学科の学生数は2,836名(収容定員2,480名・充足率114.4%)です。

③進路:「就職率90%超」の分母は卒業者ではない

POINT

ICUは就職率を「就職希望者数に占める就職者数」と自ら定義しています。この定義を確認せずに他大学の数字と並べると、比較が成立しません。分母の定義を書いているのは大学側で、書いていないのは引用する側です。

ICUの進路実績ページには「就職率(就職希望者数に占める就職者数)は、例年90%を超え」と明記されています。つまり、就職を希望しなかった人(大学院に進む人、留学する人、進路を決めていない人)は分母に入りません。これはICU固有の操作ではなく、多くの大学が採る一般的な表記方法ですが、卒業者を分母にした「卒業者に占める就職者の割合」とは別の数字です。国際系学部とはでも、就職率の分母をそろえないと比較にならないことを扱っています。

ICU 学部卒業生の進路(ICU公表値)

年度学部卒業生数就職率(就職希望者数に占める就職者数)進学率(学部卒業生)
2025年度686人90.4%20.0%
2024年度642人91.1%17.9%
2023年度610人91.8%22.4%

ICUは全体の傾向についても「学生の進路の傾向は、例年就職70%、進学20%程となっています。」と書いています。就職率90%台という数字と、卒業生全体のうち就職する人が約70%という数字は、矛盾していません。分母が違うだけです。「就職率」の分母は就職希望者、「70%」の分母は卒業生で、卒業生のうち就職を希望した人の約90%が就職している、という構造になります(ICUは「70%」の分母を明示していませんが、同じ文に並ぶ「進学20%」が公表値の進学率〈学部卒業生が分母〉と一致することから、当サイトでは卒業生を分母と解しています)。ここを理解しておくと、他大学のパンフレットの数字も読み解けるようになります。逆に言えば、分母を書いていない「就職率◯%」は、この2つのどちらなのか分からないということです。

進学20.0%は、全国平均12.7%の1.5倍以上

進学率については、ICU自身が比較対象を併記している点が親切です。進路実績ページには「*全国平均の進学率12.7% (文部科学省 令和7年度学校基本調査)」という注記があります。2025年度のICUの進学率20.0%は、この全国平均の1.5倍以上にあたります。さらにICUは「理系分野を学ぶ学生においては約70%が国内・海外の大学院に進学しています。」とも書いています。リベラルアーツの大学というイメージから文系を連想しがちですが、教養学部のなかに自然科学の分野があり、そこからの大学院進学が多いという構造です。大学院進学を視野に入れるかどうかは4年間の費用計画にも直結しますので、進路の見通しとして押さえておく価値があります。

「課題が多い」という評判は、公式の記述で裏が取れる

POINT

これはネット上で最もよく見る評判ですが、噂を確かめる必要がありません。ICU自身が英語プログラムの負荷を具体的に書いています。否定も誇張もせず、そのまま前提条件として計算に入れられます。

ICUのリベラルアーツ英語プログラム(ELA)について、大学は次のように説明しています。「主に日本語を母語とする学生が、1年次の大半を費やして集中的に学びます。習熟度に応じて課程(Stream 1~4)が決まり、各課程では約20人ずつの「セクション」と呼ばれる少人数のクラスに分かれ、週4コマから11コマの授業を履修します。」。さらに「ELAの授業はすべて英語で行われます。」と明記し、学生向けの説明では「課題は全て英語で、量もかなり多いので、リズムを掴むまでは時間がかかるかもしれません。」と書いています。

ELA(リベラルアーツ英語プログラム)の負荷に関するICUの記述

項目ICUの記述
履修時期主に日本語を母語とする学生が、1年次の大半を費やして集中的に学びます」(=ELAは主に日本語を母語とする学生向けの課程です)
クラス分け習熟度に応じてStream 1〜4。各課程は約20人ずつの「セクション」
週あたりのコマ数1週間のコマ数は、4~11コマです。
最も多い層の実態最も多くの学生が属するStream 3の場合、ELAの科目が1週間に9コマ入り、それ以外に一般教育科目や体育、基礎科目を履修します」
1年次の位置づけ1年次はELAが大半を占めることになります。
授業言語ELAの授業はすべて英語で行われます。
課題課題は全て英語で、量もかなり多い

つまり「課題が多い」という評判は、ICUが設計としてそう作っているということです。ここから読み取るべきなのは「大変だからやめたほうがいい」ではなく、「1年目は英語に相当な時間を取られる前提で、他のことを詰め込まない」という計画上の含意です。入学時点の英語力が高ければStreamが上がり、コマ数の負担は軽くなります。高校段階でどこまで英語力を伸ばしておくかという話は、高校留学と英語力で扱っています。

2年次の終わりに専攻を決める——高3で決めきれない子に効く

POINT

ICUの構造上いちばん特徴的なのはここです。学部・学科を選んで入学するのではなく、入学後2年かけて専攻を決めます。これは「高3の時点で文理や専攻を決めきれない」という状況に、そのまま効きます。

ICUは「入学時に専門とする分野を決めるのではなく、2年次の終わりに専門とする分野(メジャー)を決定するカリキュラムです。」と説明し、これをリベラルアーツ教育の "Later Specialization"(専門化を急がず、自分にあった専門を見きわめるべく幅広く学ぶための時間を重視する)という考え方によるものだとしています。専修分野は「本学には、31のメジャー(専修分野)があり、その選択方法は3通りです。」とされ、次の3通りから選びます。

  1. 1SINGLE MAJOR(1つのメジャーを専攻する)
  2. 2DOUBLE MAJOR(2つのメジャーを並行して専攻する)
  3. 3MAJOR + MINOR(主専攻に加えて副専攻を持つ)

保護者の方にとっての実際的な意味は「進路選択の締切が2年後ろにずれる」ということです。日本の大学の多くは、出願の時点で学部・学科を選ばせます。学びたいことが定まっていないお子さんにとって、これは実質的に「18歳で決めきる」ことを求める仕組みです。ICUの場合、31のメジャーには人文・社会科学の分野も自然科学の分野も含まれており、文系・理系の選択自体を入学後に持ち越せます。ただし裏を返せば、明確にやりたい専門があり、1年次から専門科目を積み上げたいお子さんには、この構造は遠回りになります。どちらが良いという話ではなく、お子さんの現在地によって評価が反転する部分です。

規模と国際性を数字で見る

POINT

「国際的」という評判も、公表値に置き換えられます。ただし公表されている数字と、されていない数字があるので、そこも合わせて示します。

ICUの規模・国際性に関する公表値

項目公表値出典
学生総数(聴講生を除く)3,220名(男1,070/女2,150)国際基督教大学概況 2026年5月1日現在
教養学部アーツ・サイエンス学科2,836名(収容定員2,480名・充足率114.4%)同上
国・地域別日本2,708名=84.1% / 海外512名=15.9%(上位=アメリカ137、中国98、韓国54、イギリス32)同上
海外へ留学する学生年間450名(全学生の15%程度)を超える学生が海外で学び、単位を修得しています」留学
海外からの受入約30ヵ国、80を超える協定校から、年間を通して約180名留学
交換留学の協定「世界31カ国・地域にある87大学(2026年3月)と協定」数字で見るICU
外国籍教員の比率38.6%数字で見るICU
教員数と学生数の比率1:16数字で見るICU

確認ポイント:公表されていない数字もあります。帰国生の在籍比率は公表されていません(公表されているのは入試の志願者数・合格者数と、上表の国・地域別学生数です)。ネット上には「帰国生が◯割」といった記述も見られますが、当サイトでは出典を確認できませんでした。②「国・地域別の海外15.9%」と「留学生数」は定義が違う数字です。概況PDFは留学生数について「上記留学生数は、在留資格「留学」を保持する学生の数。その他の在留資格「家族滞在」「永住者の配偶者等」など有する外国籍学生の数は含まない。」と注記しています。この2つを混ぜて「外国籍学生◯%」と言うことはできません。留学が卒業要件として必修かどうかは、当サイトでは公式ページで確認できませんでした。上表の年間450名は参加の実績であり、必修であることを示すものではありません。留学の扱いは入学年度やプログラムで異なりますので、必ず募集要項でご確認ください。

向いているご家庭、向かないご家庭

POINT

中立の立場なので、正直に線を引きます。公表値から見て、ICUが噛み合わない状況は確実にあります。

公表値から見た向き・不向き

状況評価根拠
高3の時点で専攻を決めきれていない噛み合う専攻の決定は2年次の終わり。31のメジャーに文系・理系の双方が含まれる
海外の学校に在籍していて、卒業時期が日本とずれている噛み合う9月入学がある。ELBA September Entry 239名+同推薦6名で合格者245名=約23%(EJU利用〈9月入学〉は志願4名・合格0名)
高校留学や海外経験を入試で使いたい噛み合う帰国生・IBDP利用・英語外部試験利用・ELBAなど複数の区分がある
英語を「学ぶ」より、英語で他の分野を学びたい噛み合いやすいELAは英語運用を伸ばす導入教育で、その先に31のメジャーがある
1年次から専門科目を積み上げたい(学びたい専門が明確)遠回りになりうる1年次はELAが大半を占め、専攻決定は2年次の終わり
入学時点で英語の負荷を抑えたい噛み合わない大学自身が「課題は全て英語で、量もかなり多い」と明記。Stream 3で週9コマ
4年間の学納金を私立文科系の平均程度に抑えたい噛み合わない4年間の学納金は約656万円。別途、住居費・食費等が必要

海外大学そのものと比べたい場合は、金額に何が含まれているかをそろえてから並べてください。ICUの約656万円は学納金であって生活費を含みません。海外大学の「年間◯◯万円」は生活費を含む表記であることが多く、そのまま比べると判断を誤ります。国内か海外かの考え方は海外大学と国内大学のどっち、海外側の費用の構造は海外大学の学費をご覧ください。

高校のうちに留学する場合の費用を試算する

このツールが試算するのは**高校留学**(公立・私立・ボーディング・交換・短期語学)の1年間の概算費用で、**海外大学と国内大学の学費は試算できません**。大学の費用を比べる場合は、ICUの学納金(約656万円・生活費を含まない)と、[海外大学の学費](/university/kaigai-daigaku-gakuhi)の考え方をあわせてご覧ください。

出願前に確認する5項目

POINT

ここまでの内容を、そのまま確認作業に落とします。志望校が複数あるなら、この5項目を並べた表を作るのが最短です。1校あたり30分ほどで埋まります。

  1. 14年間の学納金の総額を、初年度納付金ではなく年度別の公表値の合算で出す。ICUのように4年分を公表している大学は多くないので、公表がない場合は「2年目以降は改定される前提」と注記して概算する
  2. 2住居費を別枠で見積もる。自宅から通えるか、寮に入るか、下宿かで4年間の総額は大きく変わる。ICUの寮費は学費ページとは別のページで公表されている
  3. 3出願できる入試区分をすべて洗い出す。一般選抜だけを見ない。海外経験・英語外部試験のスコア・在籍校の推薦枠のうち、お子さんが該当するものがあるかを募集要項で確認する
  4. 4区分ごとの志願者数と合格者数を選抜結果のページで確認する。区分によって倍率が大きく違うため、「その大学の難易度」ではなく「その区分の難易度」で考える
  5. 5進路データの分母の定義を確認する。「就職率」が就職希望者ベースか卒業者ベースかで意味が変わる。進学率は全国平均と比べる

まとめ

「評判」という言葉で検索したときに本当に知りたいのは、他人の満足度ではなく、自分の家の条件と噛み合うかどうかだと思います。ICUについては、その判断に必要な材料の多くが大学自身から公表されていました。学費は4年分が年度別に出ていて合計約656万円と計算でき、入口は18区分あって一般選抜は合格者の約36%にとどまり、9月入学が約23%を占めます。就職率は就職希望者を分母にした数字で、進学率20.0%は全国平均12.7%を上回ります。英語の負荷は大学自身が「課題は全て英語で、量もかなり多い」と書いています。これらはいずれも、口コミを読まなくても分かることでした。一方で、帰国生の在籍比率や入学者数、卒業生の平均年収は公表されておらず、当サイトでは扱っていません。公表されていない数字を推測で埋めないことも、判断材料の質を保つうえでは同じくらい大切です。国際系学部全体をどう見分けるかは国際系学部とはへ、海外大学という選択肢と並べて考える場合は海外大学進学へお進みください。

Q.ICUの学費は4年間でいくらですか。

大学の公表値を合算すると6,555,000円です。内訳は入学金300,000円と、授業料+施設費の年額(2026年度1,521,000円/2027年度1,557,000円/2028年度1,578,000円/2029年度1,599,000円=計6,255,000円)です。ICUは珍しく卒業年度までの4年分を年度別に公表しているため、推測ではなく合算で出せます(合計額の計算は当サイトによるものです)。ただしこれは学納金のみで、住居費・食費・教科書代・保険料は別です。また、休学する場合や大学の交換留学制度によらずに留学する場合は、在籍料(学期毎30,000円)がかかります。

Q.一般選抜以外の入口のほうが多いというのは本当ですか。

2026年度の公表値では本当です。合格者1,044名のうち、一般選抜4区分は372名(約36%)、総合型選抜9区分が440名(約42%)、学校推薦型選抜5区分が232名(約22%)でした(人数はICU公表値、割合は当サイトの計算)。ただし注意点があり、ICUが公表しているのは合格者数であって入学者数ではありません。合格しても他大学へ進む人がいるため、実際に入学した人の構成比はこれとは異なります。出願区分を検討する際は、必ず最新年度の募集要項をご確認ください。

Q.「就職率91.8%」は他の大学の就職率とそのまま比べられますか。

比べられません。ICUはこの数字を「就職率(就職希望者数に占める就職者数)」と自ら定義しています。つまり分母は卒業者ではなく、就職を希望した人です。大学院に進む人や進路を決めていない人は分母に入りません。ICUは別途「学生の進路の傾向は、例年就職70%、進学20%程」とも書いており、この2つは矛盾しません(分母が違うだけです)。他大学と比較するときは、まず分母の定義がそろっているかを確認してください。分母を明示していない数字は比較に使えません。

Q.英語が得意でなくてもICUでやっていけますか。

当サイトは合否や適性を判定する立場にないので断定はできませんが、大学が公表している負荷の実態はお伝えできます。ICUは英語プログラム(ELA)について「主に日本語を母語とする学生が、1年次の大半を費やして集中的に学びます」「ELAの授業はすべて英語で行われます」「課題は全て英語で、量もかなり多い」と明記しています。週のコマ数は4〜11コマで、「最も多くの学生が属するStream 3の場合、ELAの科目が1週間に9コマ入り」ます。入学時の習熟度でStreamが決まるため、入学時点の英語力が高いほど1年次の負担は軽くなります。逆に言えば、1年目は英語に相当な時間を取られる前提で計画を立てる必要があります。

Q.ICUの偏差値はどれくらいですか。

本記事では偏差値を扱っていません。偏差値は予備校各社が模試の結果から算出した推計値であり、大学の公表値ではないためです。社によって数字が異なり、算出のもとになった模試の年度や母集団も記事側に書かれていないことが多く、比較の基準として使いにくいのが理由です。代わりに、公表値から計算できる志願倍率(志願者数÷合格者数)をご覧ください。2026年度の一般選抜は4区分合計で志願者1,387名・合格者372名=約3.7倍、人文・社会科学選択は907名・267名=約3.4倍です(当サイトの計算)。区分によって倍率は大きく異なります。

Q.9月入学は、日本の高校に通っている子でも使えますか。

この点は、当サイトでは公表資料から確認できていません。9月入学の主な枠は English Language Based Admissions(ELBA)ですが、その出願要件や対象者を述べた記述は、当サイトが確認したICUの公開ページ(入学者選抜結果・カリキュラム・進路・学費など)には見当たりませんでした。名称から英語による選抜と読めますが、当サイトはそれを裏づける公式の記述を確認していません。必ず募集要項で対象と要件をご確認ください。確実に言えるのは規模だけです。規模としては、2026年度のELBA(September Entry)が志願者697名・合格者239名、学校推薦型のELBA Recommendees (September Entry) が6名で、合わせて合格者全体の約23%を占めます。なお9月入学はELBAだけではなく、「EJU(日本留学試験)利用(9月入学)」もあります(2026年度は志願者4名・合格者0名)。なお、日本の高校を3月に卒業してから9月入学までは半年ほど空きますので、その期間をどう過ごすかは別途ご検討ください。

高校のうちの留学も選択肢に入れているなら

お子さんが高校生で、大学進学の前に留学することも検討されている場合は、卒業・交換・認定・短期のどの形が目的に合うかを簡単な質問で整理できます。大学入試での扱いは留学の形によって変わります。