このページの要点
APUの就職の数字が低く見えるのは、分母に帰国を含む区分の国際学生がいるためです。
- 2025年度は卒業1,286名中820名が就職。国内学生に限ると669名中520名(当サイトの計算で約78%)
- 国内学生の入学720名のうち一般選抜経由は97名だけ。総合型312名・特別選抜311名が主な入口
- 学生6,699名のうち国際学生3,274名(2026年5月1日現在)。国内で就職した人の55.2%は関東
立命館アジア太平洋大学(APU)の評判を調べると、口コミサイトの点数と「就職がやばい」「Fランでは」といった書き込みが並びます。この記事では口コミを引用せず、大学が公表している数字だけで確かめます。結論を先に言うと、就職の数字が低く見えるのは分母の問題です。卒業・修了者1,286名のうち617名が国際学生で、そのうち257名(約42%)が帰国を含む「帰国・その他」に計上されます。国内学生だけで見れば669名中520名が就職しています。さらに入試方式別に見ると、国内学生の入学者720名のうち一般選抜で入った人は97名しかいません。偏差値の話が実態を表さない理由がここにあります。
結論早見表:評判の論点と、公表データの答え
POINT
よく見かける不安のうち、大学の公表資料で確かめられるものと、確かめられないものがあります。まず切り分けます。
よくある評判と、大学の公表データで言えること
| よくある評判・不安 | 公表データで言えること |
|---|---|
| 就職率が低いらしい | 大学は卒業者や就職希望者を分母にした就職率を出していない。進路内訳では卒業・修了1,286名中820名が就職。国内学生669名中520名(約78%・当サイトの計算) |
| 別府だから地元就職しかできないのでは | 国内で就職した人のうち関東が55.2%で最多。大分は8.4%(大学公表値・学生からの報告ベース) |
| 偏差値が低い/Fランでは | 当サイトは偏差値を扱わない。ただし国内学生の入学720名のうち一般選抜経由は97名で、偏差値が表す層は入学者の一部にすぎない |
| 留学生が多すぎて日本人が浮くのでは | 2026年5月1日現在で学生総計6,699名中、国際学生3,274名・国内学生3,425名(大学公表値) |
| 学費が高い | 2027年度以降の入学者は授業料が年1,455,000円(1回生)・1,655,000円(2〜4回生)。4年間の授業料6,420,000円+入学金200,000円(当サイトの計算) |
| 寮はいくらかかるのか | 2027年度入学者は入寮時243,600円。月額はAPハウス1・2で54,800円、APハウス5で56,800円(2027年4月寮費より) |
| 英語ができないと入れない/授業についていけない | 当サイトは入学時の言語要件を公式で確認できなかった。確認ポイントとして扱う |
この記事では口コミサイトの点数を引用していません。母数と書き手の属性(在学生か卒業生か、いつの在籍か)が確認できず、比較の基準として使えないためです。APUに関する以下の数字はすべて、当サイトが2026年9月3日に大学および学校法人立命館の公開ページ・PDFから直接取得したものです(比較のために挙げる他大学の数値には別途出典を付けます)。
「就職がやばい」は分母の話:進路内訳を分解する
POINT
APUが公表しているのは進路の内訳(人数)で、卒業者や就職希望者を分母にした就職率ではありません。卒業生のほぼ半分が国際学生で、その4割超が「帰国・その他」に計上されるため、全体の数字だけを見ると就職が少なく見えます。
まず大事な前提から。APUが公開しているのは進路の内訳(人数)であって、卒業者や就職希望者を分母にした就職率ではありません。同じページには「2025年度国内地域別就職率」という表もありますが、これは就職先がどの地域に分布しているかの構成比であって、就職の成功率を示すものではありません(次章で扱います)。他サイトが載せている「就職率92%」「96%」といった数字は分母を就職希望者にとったものとみられますが、当サイトはその分母の定義を大学の公開資料で確認できませんでした。ですので以下では、卒業者・修了者を分母にした場合の割合を当サイトが計算して示します。
2025年度 卒業者・修了者の進路内訳(人数は大学公表値、割合は当サイトの計算)
| 区分 | 卒業者・修了者 | 就職決定者 | 進学者 | 帰国・その他 | 就職決定者の割合 |
|---|---|---|---|---|---|
| 国内学生 | 669 | 520 | 23 | 126 | 約77.7% |
| 国際学生 | 617 | 300 | 60 | 257 | 約48.6% |
| 合計 | 1,286 | 820 | 83 | 383 | 約63.8% |
出典:立命館アジア太平洋大学「進路・就職状況」2025年度進路状況(https://www.apu.ac.jp/home/career/content9/ /当サイトが2026年9月3日に取得)。大学の注記は「卒業者・修了者…2025年9月、2026年3月学部卒業者・大学院修了者(国際学生含む)」「帰国・その他…帰国、進学・資格試験の受験準備、就職活動継続、留学、専門学校、家事従事など」。割合は当サイトが就職決定者÷卒業者・修了者で計算したもので、大学の公表値ではありません。大学はこのページで、卒業者や就職希望者を分母にした就職率を示していないため、他サイトの「就職率◯%」とは分母が異なる可能性があります。
表を見れば構造は一目瞭然です。国際学生617名のうち257名(約42%)が「帰国・その他」に入っています。大学の定義どおり、ここには帰国が含まれます。日本で就職せずに母国へ戻る人が相当数いるのは、留学生が半数近くを占める大学として自然なことです。ところが全体を一括りにすると、この257名が「就職していない人」として数えられ、全体の割合が63.8%まで下がります。
日本国内で就職する前提のご家庭が見るべきなのは、国内学生の行です。669名中520名が就職し、23名が進学、126名が「帰国・その他」でした。就職決定者の割合は約77.7%(当サイトの計算)。なお「帰国・その他」には就職活動継続や資格試験の準備も含まれるため、この126名全員が進路未定というわけではありません。
避けたい
「APUの就職率は◯%」という数字を、分母を確かめずに他大学と比べる
こうすればOK
分母が卒業者か就職希望者かを確認する。APU自身が出しているのは進路内訳の人数で、卒業者を分母にした就職率は公表していない
避けたい
全体の数字だけを見て「就職に弱い大学」と判断する
こうすればOK
国際学生と国内学生を分けて見る。国際学生の「帰国」が全体の数字を押し下げている
避けたい
「帰国・その他」=進路未定と読む
こうすればOK
大学の定義では帰国・進学準備・就職活動継続・留学・専門学校・家事従事などが含まれる
別府の大学だと地元就職しかできないのか
POINT
国内で就職した人の内訳では、関東が55.2%で最も多く、大分は8.4%でした。立地と就職先の地域は直結していません。
「別府は遠い」「九州から出られないのでは」という不安は、保護者からよく出る論点です。これも大学が地域別のデータを出しています。
2025年度 国内地域別就職率(大学公表値)
| 地域 | 割合 |
|---|---|
| 関東 | 55.2% |
| 中部・近畿 | 17.9% |
| 九州・沖縄(大分を除く) | 13.9% |
| 大分 | 8.4% |
| その他 | 2.8% |
| 中国・四国 | 1.8% |
出典:立命館アジア太平洋大学「進路・就職状況」2025年度国内地域別就職率。大学の注記は「本情報は学生から報告があったもので、2026年4月1日現在のもの」。したがって全就職者を網羅した数字ではありません。また表題のとおり「国内」地域別の構成比で、6区分の合計は100.0%です。海外で就職した人はこの表に含まれていないとみられます(同じページの業種別の注記に「公務には、海外の行政機関勤務を含む」とあり、海外で勤務する卒業生の存在がうかがえます)。就職者820名のうち300名は国際学生である点もあわせてご確認ください。
国内で就職した人の半数以上が関東です。大分県内は8.4%で、九州・沖縄(大分を除く)を足しても22.3%にとどまります。就職先の業種はサービス35.5%、製造業16.7%、情報通信業13.8%、卸売・小売11.3%、金融・保険5.6%、公務3.8%、その他13.3%でした(いずれも大学公表値)。
ただし、これは就職活動そのものが楽だという意味ではありません。関東の企業を受けるなら、別府から首都圏への移動費と時間がかかります。この費用は大学の学費表には出てこないので、ご家庭で別途見込んでおく必要があります。オンライン面接が一般化したとはいえ、最終面接やインターンで現地に行く場面は残ります。
入口の構造:一般選抜で入る人は約7人に1人しかいない
POINT
2026年度に国内学生入試で入学した720名のうち、一般選抜経由は97名。総合型選抜312名、特別選抜311名が主な入口です。偏差値が表しているのは入学者の一部だけです。
APUの「難易度」を語るとき、ほとんどの記事が偏差値を持ち出します。しかし大学の公表データを見ると、偏差値が対象にしている一般選抜は、実際の入学者のごく一部であることが分かります。
2026年度 学部の志願者・合格者・入学者数(国内学生入試・全学部合計。人数は大学公表値、右2列は当サイトの計算)
| 選抜方式 | 志願者 | 合格者 | 入学者 | 志願者÷合格者 | 入学者が全入学者に占める割合 |
|---|---|---|---|---|---|
| 一般選抜 | 2,711 | 444 | 97 | 約6.1倍 | 約13% |
| 総合型選抜 | 1,365 | 504 | 312 | 約2.7倍 | 約43% |
| 特別選抜 | 387 | 334 | 311 | 約1.2倍 | 約43% |
| 合計 | 4,463 | 1,282 | 720 | 約3.5倍 | 100% |
2026年度 国際学生入試(学部・全学部合計。人数は大学公表値、右列は当サイトの計算)
| 区分 | 志願者 | 合格者 | 入学者 | 志願者÷合格者 |
|---|---|---|---|---|
| 国際学生入試 | 855 | 577 | 257 | 約1.5倍 |
出典:学校法人立命館「立命館アジア太平洋大学 志願者・合格者・入学者数」2026年度(2026年5月1日現在)のPDF(https://www.ritsumeikan-trust.jp/publicinfo/disclosure/apu/ /当サイトが2026年9月3日に取得)。「志願者÷合格者」と「割合」は当サイトの計算です。なお当サイトが取得したこの資料には受験者数の記載がないため、実質倍率(受験者÷合格者)は計算できません。ここでの倍率は志願者を分子、合格者を分母にしたものです。また当サイトは学部別の内訳は引用していません。同PDFでは学部ごとの合計欄と、その行の一般・総合型・特別を足した値が一致しない箇所があり、どちらが正しいか当サイトでは判定できなかったためです。選抜方式別の合計と全体の総計は検算して整合を確認しています。
読み取れることは3つあります。
- 1一般選抜は合格444名に対して入学97名。約78%が他大学へ進んでいる(当サイトの計算)。つまり一般選抜のAPUは、多くの受験生にとって併願先として機能している
- 2入学者の主な入口は総合型選抜と特別選抜で、合わせて623名。国内学生入学者720名の約86%を占める
- 3特別選抜は志願387名に対し合格334名で、志願者÷合格者は約1.2倍。ここには附属校や指定校などが含まれるとみられるが、内訳は当サイトが確認した資料には示されていない
保護者にとっての実務的な意味はこうです。「APUの偏差値」を見て検討するのは、入学者の13%しか通らない入口だけを見ていることになります。お子さんが総合型選抜を考えているなら、偏差値の議論はいったん脇に置き、出願要件と選考内容を募集要項で直接確認するほうが的確です。この構造はICUの入試区分や国際教養大学の選抜区分にも共通しており、国際系学部を見るときの基本的な注意点と言えます。
学生の約半分が国際学生:数字の基準日をそろえる
POINT
2026年5月1日現在で学生総計6,699名、うち国際学生3,274名。比率は基準日と分母(全体か学部だけか)で変わるので、必ず日付とセットで見てください。
「留学生が半分」という言い方はよく見かけますが、サイトによって44%・48%・50.2%とバラバラです。大学の最新の公表値で確認します。
学生数(2026年5月1日付・大学公表値。比率は当サイトの計算)
| 区分 | 学部学生数 | 大学院学生数 | 科目等履修生等 | 合計 | 全体に占める割合 |
|---|---|---|---|---|---|
| 国際学生(留学生) | 2,938 | 239 | 97 | 3,274 | 約48.9% |
| 国内学生 | 3,397 | 5 | 23 | 3,425 | 約51.1% |
| APU学生総計 | 6,335 | 244 | 120 | 6,699 | 100% |
出典:立命館アジア太平洋大学「学生数等データ」1.国・地域別学生数(2026年5月1日付/当サイトが2026年9月3日に取得)。大学の注記は「国際学生とは、在留資格が『留学』である学生をいう。国内学生には、在留資格が『留学』ではない在日外国人を含む。」割合は当サイトの計算です。学部だけに絞ると国際学生2,938名÷学部6,335名で約46.4%となり、全体の48.9%とは数字が変わります。他サイトの比率と食い違う場合、基準日か分母のどちらかが違うと考えてください。
出身国・地域別で人数が多いのはミャンマー540名、インドネシア441名、バングラデシュ324名、中国298名です(いずれも学部・大学院・科目等履修生等を合わせた合計欄の値・大学公表値)。「留学生が多い=英語圏の学生が多い」ではないという点は、環境をイメージするうえで押さえておく価値があります。アジア各国からの学生が中心という構成です(学内で実際にどの言語が使われるかについて、当サイトは公式の記述を確認していません)。
なお、入学時に日本語で学ぶのか英語で学ぶのかという言語の区分については、当サイトが取得した公式ページからは制度の説明を確認できませんでした。TOEFLやIELTSの具体的なスコア要件も同様です。この点は入試要項またはオープンキャンパスで直接ご確認ください。当サイトが確認していないことを、確認したかのようには書けません。
4年間でいくらかかるか:授業料と寮費を積み上げる
POINT
学費は入学年度で2本立てです。2027年度以降に入学する場合、授業料は1回生で年1,455,000円、2〜4回生で年1,655,000円、4年間で6,420,000円になります。今の高校生が対象になるのはこちらです。
APUの学費は、セメスター(半期)単位で「授業料A+授業料B」という形で公表されています。3つの学部で金額は変わりません。注意すべきは、入学年度によって表が分かれていることです。大学は「2027年度以降入学者」と「2020年度–2026年度入学者」で別のPDFを出しています。2026年9月時点の高校生が入学するのは2027年度以降なので、見るべきは前者です。
授業料はセメスター単位で決まる
学部の授業料(大学公表値。年額は当サイトがセメスター額を2倍したもの)
| 入学年度 | 回生 | セメスターあたり | 年額 | 内訳(授業料A+授業料B) |
|---|---|---|---|---|
| 2027年度以降入学者 | 1回生 | 727,500円 | 1,455,000円 | 420,000円+307,500円 |
| 2027年度以降入学者 | 2〜4回生 | 827,500円 | 1,655,000円 | 420,000円+407,500円 |
| 2020〜2026年度入学者 | 1回生 | 650,000円 | 1,300,000円 | 380,000円+270,000円 |
| 2020〜2026年度入学者 | 2〜4回生 | 750,000円 | 1,500,000円 | 380,000円+370,000円 |
4年間の概算(セメスター額と入学金は大学公表値、合計は当サイトの計算)
| 項目 | 2027年度以降入学者 | 2020〜2026年度入学者 |
|---|---|---|
| 入学金 | 200,000円 | 200,000円 |
| 授業料 1回生 | 1,455,000円 | 1,300,000円 |
| 授業料 2〜4回生(3年分) | 4,965,000円 | 4,500,000円 |
| 授業料 4年間の小計 | 6,420,000円 | 5,800,000円 |
| 入学金を含めた合計 | 6,620,000円 | 6,000,000円 |
出典:立命館アジア太平洋大学「学費(学部)」(https://www.apu.ac.jp/home/life/content9/ )からリンクされている「学費について(ご案内)(2027年度以降入学者)」および「(2020年度–2026年度入学者)」の各PDF(当サイトが2026年9月3日に取得)。前者には「入学金(※初年度のみ)200,000円」「授業料 A ・・・ 1 回生~4 回生まで共通の固定学費。」「授業料 B ・・・ 在学するセメスターによって決定される学費。」と記載され、合計(年間)として1回生1,455,000円・2〜4回生1,655,000円が示されています。4年間の小計と総額は当サイトが標準修業年限(8セメスター)で足したものです。別途、大学は第9セメスター以上に在学する場合の扱い(授業料Aは半額、授業料Bは単位料を乗じる方式)を公表しており、4年で卒業しなかった場合の計算は別建てになります。上の金額に諸会費・保険料・教材費・留学関連費用は含みません。
AP House(学生寮)の費用は2027年度から上がる
寮費は他サイトで「約5万円」と紹介されていることが多いのですが、大学の公表表では2027年4月の寮費から改定されています。
APハウスの費用(大学公表値)
| 項目 | 2026年度入学者まで/2027年3月寮費まで | 2027年度入学者より/2027年4月寮費より |
|---|---|---|
| 入寮時に必要な額(合計) | 234,000円 | 243,600円 |
| うち入寮費 | 32,000円 | 32,000円 |
| うち敷金 | 98,000円 | 98,000円 |
| うち寮費(2か月分・APハウス5基準) | 104,000円 | 113,600円 |
| 月額(APハウス1・2) | 50,000円 | 54,800円 |
| 月額(APハウス5) | 52,000円 | 56,800円 |
出典:立命館アジア太平洋大学「APハウス1・2・5の寮生が負担すべき経費」(https://www.apu.ac.jp/home/life/content5/ /当サイトが2026年9月3日に取得)。月額の内訳は住居費・共益費・水光熱費・寝具レンタル料の合計です(2027年4月寮費よりAPハウス1・2は39,000+5,800+8,000+2,000)。敷金について大学は「寮に住むための保証金です。寮費の未納がある場合、または入寮者の過失によって発生した居室の修繕については敷金より精算し、残額については返金します。」と説明しています。また「半月のみ居住する場合の費用は、1ヶ月に必要な費用の半分です。日割りでの寮費計算は行いません。」との注記があります。なお、入寮が必須かどうか、何回生まで入れるかについては、当サイトが取得した公式ページから確認できませんでした。必ず大学にご確認ください。
月額54,800円で12か月なら年657,600円です。2027年度以降に入学した2回生が1年間そのまま寮にいた場合、授業料1,655,000円と合わせて約231万円という計算になります(当サイトの計算)。ただし2回生以降も入寮できるかは、当サイトが確認した公式ページからは分かりませんでした(次のとおり寮の収容には限りがあります)。寮を出て別府市内で暮らす場合の家賃は大学の公表資料に出てこないため、この記事では触れません。総額で他の進路と比べたい場合は、海外大学の学費や国際系学部の見分け方と並べてご覧ください。
APUと海外大学、4年間の総額を同じ条件で並べる
授業料・寮費・渡航費・生活費を入れて試算すると、国内の国際系と海外大学の順番が入れ替わることがあります。ご家庭の条件で総額を比べてみてください。
向いているご家庭・慎重に考えたいご家庭
POINT
公表データから読み取れる特徴に照らして、相性を整理します。合否や適性を判定するものではありません。
公表データから見た相性の整理
| 観点 | 向いている | 慎重に考えたい |
|---|---|---|
| 入試ルート | 総合型選抜や特別選抜で、書類・面接を含む選考に時間をかけられる | 一般選抜一本で考えている(入学者の約13%にあたる入口) |
| 就職の見通し | 関東での就職を視野に入れている(国内で就職した人の55.2%が関東) | 大分・九州での就職を前提にしている(大分は8.4%) |
| 環境 | アジア各国からの学生が半数近い環境を積極的に選びたい | 日本語中心の環境で落ち着いて学びたい |
| 費用 | 4年間で授業料580万円+寮費という水準を許容できる | 国立大学の授業料の標準額(年535,800円)を基準に考えている |
| 移動 | 別府から首都圏への往復(帰省・就職活動)の費用と時間を織り込める | 自宅から通える範囲で進学先を探している |
最後にひとつ補足します。APUは大分県別府市にありますが、在学生の出身も就職先も全国に散っています。「地方の大学だから地元志向」という前提は、公表データとは合いません。一方で、移動コストは確実に発生します。どちらも事実なので、両方をご家庭の家計に当てはめて判断してください。
よくある質問
Q.APUの就職率は結局何%ですか。
大学は、卒業者や就職希望者を分母にした就職率を公表していません。公開されているのは進路の内訳(人数)で、2025年度は卒業・修了1,286名のうち就職決定者820名、進学者83名、帰国・その他383名でした。卒業者を分母にすると就職決定者は約63.8%になります(当サイトの計算)。ただし卒業生の617名は国際学生で、そのうち257名が「帰国・その他」に入っています。国内学生だけで見ると669名中520名が就職しており、約77.7%です(当サイトの計算)。他サイトが載せている「92%」「96%」といった数字は分母を就職希望者にとったものとみられますが、当サイトはその定義を大学の公開資料で確認できませんでした。比較するときは、必ず分母をそろえてください。
Q.APUは入りやすいのですか。偏差値が低いと聞きました。
当サイトは偏差値を扱っていませんが、入口の構造はお伝えできます。2026年度の国内学生入試では、一般選抜の志願者2,711名に対して合格444名(志願者÷合格者で約6.1倍・当サイトの計算)でしたが、実際に入学したのは97名です。約78%が他大学へ進んでいます。一方で総合型選抜は志願1,365名・合格504名・入学312名、特別選抜は志願387名・合格334名・入学311名でした。国内学生の入学者720名のうち、一般選抜経由は約13%にすぎません。つまり偏差値が対象にしている入口は、実際の入学者の一部です。「入りやすいか」は志望する選抜方式ごとに考える必要があります。
Q.留学生が半分と聞きましたが、日本人が浮くことはありませんか。
人数の事実だけをお伝えします。2026年5月1日現在で学生総計6,699名、うち国際学生3,274名・国内学生3,425名です(大学公表値)。国内学生のほうがわずかに多い構成で、比率は当サイトの計算で国際学生が約48.9%です。学部だけに絞ると国際学生2,938名÷学部生6,335名で約46.4%になります。出身国はミャンマー540名、インドネシア441名、バングラデシュ324名、中国298名が上位です(合計欄の値)。なお、実際に学生生活の中で居心地がどうかは公表データでは分かりません。オープンキャンパスや在学生との対話でご確認いただくのが確実です。
Q.4年間でいくらかかりますか。
入学年度によって違います。2027年度以降に入学する場合、授業料だけで6,420,000円、入学金を含めると6,620,000円です(大学公表の金額をもとにした当サイトの計算)。内訳は入学金200,000円、1回生の授業料1,455,000円(727,500円×2セメスター)、2〜4回生の授業料4,965,000円(827,500円×6セメスター)です。2020〜2026年度に入学した学生は別の表が適用され、4年間の授業料は5,800,000円です。金額は3学部とも同じです。他サイトで見かける「4年で約550万円」「約580万円」といった数字は、2026年度までに入学した人向けの表にもとづくものと考えられます。これに寮費が加わり、APハウスは2027年度入学者で入寮時243,600円、月額はAPハウス1・2で54,800円、APハウス5で56,800円(2027年4月寮費より)となります。この合計には諸会費・保険料・教材費・帰省の交通費・就職活動の移動費は含まれていません。また、標準の8セメスターを超えて在学した場合は授業料の計算方法が変わります(第9セメスター以上は授業料Aが半額、授業料Bは単位料22,500円×履修単位数)。
Q.英語ができなくても入学して大丈夫ですか。
この点は、当サイトでは公式資料から確認できていません。入学時に日本語で学ぶのか英語で学ぶのかという言語の区分や、TOEFL・IELTSのスコア要件について述べた記述を、当サイトが取得した大学の公開ページ(学生数データ・進路・学費・寮費・志願者数PDF)および国内学生向け入試サイトの中に見つけられませんでした。他サイトには「TOEFL iBT 61」「IELTS 5.5」といった数字が出ていますが、当サイトはその出典を確認していないため、この記事では採用しません。入試要項で直接ご確認ください。確実に言えるのは、学生の約半数が国際学生である環境だという点だけです。
Q.別府だと就職活動が不利になりませんか。
国内で就職した人の分布を見るかぎり、首都圏が主流です。2025年度の国内地域別就職率は関東55.2%、中部・近畿17.9%、九州・沖縄(大分を除く)13.9%、大分8.4%、中国・四国1.8%、その他2.8%でした(大学公表値。学生からの報告にもとづく2026年4月1日現在の集計)。国内で就職した人の半数以上が関東なので、地理的な理由で首都圏就職ができないということはありません。なお、この表は「国内」地域別の構成比で、海外就職者は含まれていないとみられます。ただし、面接やインターンで現地に行く際の交通費と移動時間はご家庭の負担になります。学費表には出てこない費目なので、4年間の予算に別途見込んでおいてください。
高校のうちの留学も検討しているなら
国際系の大学を目指すご家庭では、高校在学中の留学をどう位置づけるかで準備の順番が変わります。目的に合う形(交換・認定・短期)を質問で整理できます。




