このページの要点
最も多いトラブルは解約と返金です。クーリング・オフは原則なく、法外な解約料は超える部分が無効になります。
- 相談先は決まっている:消費者ホットライン188(いやや)に電話すると、お住まいの地域の消費生活センターにつながります。相談は無料です(通話料は自己負担)。施設点検日や年末年始を除いて原則毎日利用できます。
- 法律の後ろ盾がある:消費者契約法第9条第1項第1号により、解約に伴う違約金のうち事業者に生じる「平均的な損害の額」を超える部分は無効です。さらに同条第2項で、事業者は消費者から求められれば算定根拠の概要を説明するよう努める義務があります。
- クーリング・オフは原則なし:日本学生支援機構(JASSO)は「業者が規定を自主的に設けて契約書に明記している場合を除いて、基本的にはクーリングオフが適用されません」と説明しています。契約書の解約条項を先に読むしかありません。
留学あっせんをめぐる相談は、いまも各地の消費生活センターに寄せられています。日本学生支援機構(JASSO)によれば、2021〜2024年度の間に寄せられた「留学等あっせんサービス」に関する相談は約1,300件。消費者庁が公表した資料でも、相談の中心は一貫して解約と返金です。この記事は、すでに困っているご家庭がすぐ動けるように相談先と手順を先に示し、そのうえでトラブルの型、法律の後ろ盾、事業者の経営が行き詰まった場合の対処、契約前の予防を順に扱います。
本記事は、消費者庁「留学等あっせんサービスをめぐるトラブルと消費者へのアドバイス」(平成22年7月15日)、日本学生支援機構(JASSO)海外留学情報サイト、消費者契約法(e-Gov法令データ)、消費者庁 消費者ホットラインの公開情報にもとづきます(2026年8月時点)。個別の事業者を批判・推奨する意図はありません。本記事は一般的な情報提供であり、個別の法律相談ではありません。実際の対応は契約書の内容によって変わるため、必ず契約書面を手元に置いて相談窓口にご相談ください。
まず結論:困ったら188。動く順番は4段階
POINT
JASSOは、トラブルが起きたときの順序を①業者と直接話し合う ②消費生活センターに相談する ③業者が業界団体に加盟していれば団体に相談する ④解決しなければ民事調停または訴訟と示しています。②の入口が消費者ホットライン188です。
相談は早いほど選択肢が残ります。とくに解約は日数の区分で金額が変わる契約が多いため、迷っている間に区分をまたいでしまうことがあります。次の順序で動いてください。
トラブルが起きたときの動き方(JASSOが示す順序)
| 段階 | やること | 準備しておくもの |
|---|---|---|
| ①事業者と直接話す | 何が契約と違うのかを、契約書の該当箇所を示して伝える。やり取りはメールなど記録に残る手段で | 契約書、見積書、申込書の写し、やり取りの記録 |
| ②消費生活センターに相談 | 消費者ホットライン188に電話し、地域の窓口につないでもらう。相談は無料 | 上記一式と、支払った金額・日付が分かるもの |
| ③業界団体・専門窓口に相談 | 事業者が業界団体に加盟していればその団体に。加えて消費者庁は相談窓口として「特定非営利活動法人留学協会でも受け付けています」を挙げており、事業者の加盟を条件としていない(同協会はウェブの相談フォームで受け付けている)。旅行契約として引き受けられたものは旅行業の団体が窓口 | 加盟の有無(事業者サイトや契約書で確認) |
| ④民事調停・訴訟 | 解決しない場合の最終手段。②の相談の中で見通しを聞ける | ①〜③の経緯の記録 |
消費者ホットライン188について、消費者庁は「相談窓口につながった時点から、通話料金のご負担が発生します。(相談は無料です)」と説明しています。施設点検日や年末年始を除いて原則毎日、土日祝日も利用できます(一部のIP電話やプリペイド式携帯電話からは直接窓口へ電話する必要があります)。「まだ大きな被害ではないから」と待つ必要はありません。相談の記録が残ること自体が、同種の被害の把握につながります。
契約相手が海外の事業者だった場合は、窓口が変わる
現地のエージェントや海外法人と直接契約した場合、日本の消費生活センターでは扱いが難しくなることがあります。この場合の窓口が、国民生活センターが運営する越境消費者センター(CCJ/Cross-border Consumer center Japan)です。CCJは「海外ショッピング(インターネット・店頭取引を含む)に関するトラブル相談を受け付けています」としており、逆に「日本の消費者と日本の事業者との間で生じたトラブル」は対象外で、消費者ホットライン188を案内しています。電話相談は受け付けておらず、ウェブからの相談受付になります。
つまり、契約書に書かれている事業者の所在地がどこかによって、相談先が変わります。契約前に「契約の相手方はどの法人か(日本法人か、海外法人か)」を確認しておくと、いざというときに迷いません。日本学生支援機構(JASSO)も業者選びの確認項目として、現地委託業者について「現地における法的地位(個人、会社、公的団体など)および登録・認可の有無」「業者と現地委託業者の関係(別団体/同団体)」を挙げています。
契約者が18歳未満の本人だった場合
高校留学の契約は保護者が当事者になるのが通常ですが、まれに生徒本人が申込書に署名しているケースがあります。民法第5条第1項本文は「未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない」と定め(ただし書は単に権利を得る等の行為に関するもので、費用を負担する留学契約には当たりません)、同条第2項で「前項の規定に反する法律行為は、取り消すことができる」としています。18歳未満の本人が保護者の同意なく単独で契約した場合には、取り消せる可能性があるということです。ただし成年年齢は18歳(民法第4条)のため、18歳以上の生徒はこの規定の対象外です。また民法第21条により、行為能力者であることを信じさせるため詐術を用いたときは取り消せません(年齢を偽った場合など)。該当しそうな場合は、契約書の署名欄を確認したうえで消費生活センターに相談してください。
トラブルは5つの型に分かれる
POINT
消費者庁は2009年度の相談内容を①解約に伴う相談 ②業者の信用性 ③契約が履行されない ④契約内容 ⑤契約の申込みの5つに整理しています。自分のケースがどれかを見極めると、相談時の説明が速くなります。
以下は消費者庁が公表した資料に挙げられている事例です。留学あっせん全般(語学研修・ホームステイ・インターンシップを含む)の事例ですが、型としては高校留学にもそのまま当てはまります。
トラブルの5類型と、公表資料に挙げられている事例
| 型 | 公表資料に挙げられている事例 | 契約前に効く予防 |
|---|---|---|
| ①解約・キャンセル料 | 契約の翌日なのにキャンセル料を請求された。違約金として90%を請求された。書類には「解約料実費」とあるが全額を解約料として請求された | 日数区分ごとの解約料表を契約前に受け取る |
| ②事業者の信用性 | 渡航は1年先なのに残金を急かされ、事業者の信用を知りたいという相談 | 支払時期の妥当性を確認する(後述) |
| ③契約の不履行 | 大学への授業料を事業者に払ったのに、大学は受け取っていないと言う。入学許可書が届かない | 学校への直接送金が可能か確認する。送金を示す書面をその都度もらう |
| ④契約内容の相違 | 当初説明されていたサポートがなかった。滞在先の場所・衛生状況・治安が事前の説明と違う | 重要な事項を書面でもらう。滞在先の詳細情報を事前に求める |
| ⑤勧誘・申込み | 説明を聞くだけのつもりが長時間の説明で契約を急かされた。資料請求をしたら呼び出されて強引に申込書を書かされた | その場で申込書に署名しないで持ち帰る(払っていなくても署名だけで契約が成立する) |
⑤で見落とされやすいのが、契約が成立するタイミングです。JASSOは「旅行会社と契約する『旅行契約』はお金を払わないと契約が成立しないのが原則ですが、それ以外の場合は、申込書にサインするだけで契約が成立します。『とりあえず名前を』と催促されても、焦るのは禁物です」と注意しています。「まだお金を払っていないから大丈夫」とは限りません。
④は高校留学でとくに起きやすい型です。滞在先(ホームステイ・寮)は出発してから初めて実物を見ることになるためです。滞在先が合わなかった場合の具体的な動き方はホームステイが合わないときに、本人が「帰りたい」と言い出したときの判断の順序は「帰りたい」と言われたらにまとめています。
解約料に納得できないとき、法律は何と言っているか
POINT
消費者契約法第9条第1項第1号は、解約に伴う違約金のうち「平均的な損害の額」を超える部分を無効としています。さらに同条第2項で、事業者は請求時に消費者から求められたら算定根拠の概要を説明するよう努めなければなりません。まず説明を求めてください。
条文はこう定めています。解除に伴う損害賠償・違約金の条項のうち、「当該消費者契約と同種の消費者契約の解除に伴い当該事業者に生ずべき平均的な損害の額を超えるもの」については、「当該超える部分」が無効になります(消費者契約法第9条第1項第1号)。つまり、契約書に書いてあるからといって、その金額がそのまま有効とは限りません。
消費者庁も「キャンセル料が法外な場合は、消費者契約法により、合理的な金額を超える部分について、その契約は無効となります。消費生活センター等に相談しましょう」と明記しています。実際、留学あっせん事業者の契約約款について、適格消費者団体が申込金の不返還条項などの是正を申し入れ、2012年11月5日に裁判上の和解で決着した事例もあります。制度は動いています。
実務的にまず使えるのが第9条第2項です。事業者は「当該消費者から説明を求められたときは、損害賠償の額の予定又は違約金の算定の根拠…の概要を説明するよう努めなければならない」とされています。「この解約料の算定根拠を教えてください」と書面で求めることができ、その回答(あるいは回答がないこと)自体が、消費生活センターに相談する際の材料になります。
では「平均的な損害」とはどのくらいなのでしょうか。金額の正解はありませんが、第三者の検証が入ったときにどこに線が引かれたかの公表例が2つあります。ひとつは、適格消費者団体の差止請求を受けたある留学あっせん事業者の約款改定です。「契約成立日から31日目で留学業務取扱料金の30%」だった取消料が「61日目で30%」に改められ、結果として契約成立日から60日目までは取消料が10%以内になりました(2012年11月5日、裁判上の和解)。もうひとつは留学サービス審査機構(J-CROSS)の認証基準で、契約締結日から8日以内の解除は違約金なし、さらに出発日の90日前までは学費等の支払いを請求しないことが認証の条件に含まれています。いずれも「この金額なら正しい」という基準ではありませんが、提示された解約料が妥当かを考える手がかりになります。
避けたい
「契約書に書いてあるから仕方ない」と諦めて支払う。
こうすればOK
算定根拠の説明を求め、そのうえで消費者ホットライン188に相談する。平均的な損害を超える部分は無効になり得る。
避けたい
電話だけで交渉し、言った・言わないになる。
こうすればOK
メールなど記録に残る手段でやり取りする。契約書・見積書・申込書の写し・支払記録をそろえてから相談する。
避けたい
解約するか迷ったまま日数が過ぎる。
こうすればOK
解約料は日数区分で上がる契約が多い。迷っている段階で188に相談し、区分と期限を確認する。
事業者の経営が行き詰まったとき
POINT
留学あっせんは前払いが大きい取引です。だからこそ、事業者の破綻は家庭に直接の損害を生みます。JASSOは、破綻したときあるいはその前兆(数店舗の支社の一斉閉鎖など)があった段階で、まず消費生活センターなどに相談するよう助言しています。
これは仮定の話ではありません。消費者庁の資料は、相談件数の注記で、2008年に破産手続廃止が決定した留学あっせん事業者に係る相談が含まれていることを明記しています(2010年公表の資料であり、事案そのものは16年以上前のものです)。また同じ資料の別の項には「大学への授業料をあっせん業者には支払っているのに、大学からは、受け取っていないと言われた事例」も挙げられています。支払ったお金が学校に届いていなかったという型の被害は、公的な記録として残っています。
そして、回収の見通しについてJASSOは率直に書いています。「破産の場合は、債権者説明会や、裁判所からの文書などで状況を知ることができます。しかし預けたお金が戻ってくることは多くありません。」ここは期待をせずに、先に払わない・直接払うという予防に重心を置くべき領域です。
JASSOが示す順序は次のとおりです。①まず消費生活センターなどに相談する(破綻の前兆の段階でも構いません)。②学費・ホームステイ代金・寮費などを預けていた場合は、すぐに留学先の学校に連絡し、経費が支払われていたか否かを確認する。未払いがある場合は「いつまでの在学・居住が認められるのか」まで確認します。③破産の場合は、債権者説明会や裁判所からの文書で状況を知る。そして最後に、JASSOは「焦って新たな業者と契約をしないようにしましょう」と名指しで注意しています。破綻の直後は代替手段を急ぎたくなりますが、そこでもう一度同じ失敗を重ねないための一文です。
予防としては、支払いの時期と支払い先の2点に尽きます。消費者庁は「受入先が不確定の場合には、支払いを保留することが必要です」とし、また「費用の中には、直接、自分で海外の学校等の口座に入金することが可能な場合もあります」と助言しています。学費を学校へ直接送金できれば、事業者の経営状況から切り離せます。支払時期の考え方は留学エージェントはなぜ無料なのかでも扱っています。
相談件数のデータをどう読むか
POINT
相談は減ってはいますが、なくなってはいません。JASSOは2021〜2024年度で約1,300件としています。件数の大小より、相談の中身が20年近く変わっていないことのほうが重要です。
消費者庁が公表した資料には、PIO-NET(全国消費生活情報ネットワーク・システム)による「留学等あっせんサービス」の相談件数が載っています。参考として2005年度532件・2006年度509件・2007年度612件・2008年度1,021件、そして2009年度443件・2010年度129件です。ただし同資料は、件数が「2010年7月11日までの登録分」であること、2009年度以降に検索条件が変更されたため、2008年度以前の数字は原典自身が「参考扱い」としていること、2008年度には破産手続廃止が決定した事業者に係る相談が含まれることを注記しています。
数字を並べるときは注記まで読む必要があります。年度によって集計方法が違う統計は、単純な増減の比較に使えません。ここで確かなのは「毎年、一定数の相談が寄せられ続けている」ことと、「相談の中心が解約・返金である構図が変わっていない」ことです。
実際、2010年の消費者庁資料で挙げられた相談内容(解約料の説明を受けていない、解約料が高額、返金されない、申込金は返金しないと言われた)と、2025年更新のJASSOのページが挙げる確認項目(申し込みの取り消し、中途解約、サービス内容の変更に関する規約)は、同じ場所を指しています。15年たっても同じ論点が残っているということは、契約前に自分で確認するしかない領域だということです。
高校留学で起きやすいトラブルと、家庭にできる手当て
POINT
高校留学では、未成年であることと日本の高校に在籍していることから、語学留学にはないトラブルが加わります。出発後に起きるものが多く、日本にいる保護者が動きにくいのが特徴です。
高校留学に固有のトラブルと、事前にできる手当て
| 起きること | 背景 | 事前にできる手当て |
|---|---|---|
| 滞在先が合わず、変更を求めても進まない | 変更の手順・期間・費用が契約に書かれていないことがある | 契約前に「変更は可能か、手順と費用はどうなるか」を書面で確認する |
| 現地の連絡先が機能しない | 現地業務を委託しており、責任の所在が不明確な場合がある | JASSOのチェックポイントにある「現地委託業者の法的地位・登録の有無」「業者と現地委託業者の関係」を確認する |
| 後見人と連絡が取れない | ガーディアン/カストディアンが名義だけになっている場合がある | 誰が務めるか、連絡方法、代替の有無を契約前に確認する |
| 帰国後、単位認定に必要な証明が出てこない | 現地校の成績・履修時間の証明の取得が契約範囲外だった | 証明の取得が契約に含まれるか、書式・和訳の対応はどうかを確認する |
| 追加費用が次々に発生する | 契約範囲外の作業が都度課金になっている | 「契約に含まれない作業と料金表」を契約前にもらう |
最後の行は特に重要です。日本にいる保護者は、現地で起きたことに対して「お金を払って解決する」以外の手段を取りにくくなります。契約前に料金表を持っておくことが、出発後の交渉力になります。単位認定の手続きは留学の単位認定を確実に受ける方法、エージェント選びの全体像は高校生の留学エージェントの選び方をご覧ください。
契約前にできる予防(6つ)
POINT
トラブルの多くは、契約前の6つの確認で回避または軽減できます。いずれも消費者庁とJASSOの助言に対応しています。
- 1申込金を払う前に、返金の取り決めが書かれた書面を受け取る — 消費者庁は「申込金等の取扱いが記載された申込書の写しなどの書面を求めるようにしましょう」としています。
- 2解約料の日数区分表をもらう — いつ解約するといくら戻るのか。区分が「契約日から」だけでなく「出発日から」も組み合わされているかを見ます。
- 3クーリング・オフ/無条件解除の規定があるかを確認する — 法律上は原則適用されません。自主的に設けている事業者もあります。参考として、留学サービス審査機構(J-CROSS)の認証基準は、契約締結日から起算して8日を経過する日(渡航日の30日前、ピーク時は40日前以降の日を除く)までは違約金なしで解除できることを条件のひとつにしています。
- 4支払いの時期と支払い先を確認する — 受け入れ先が確定する前の高額な前払いは避ける。学費を学校へ直接送金できるかを聞く。
- 5重要な事項を書面でもらう — 滞在先の詳細、現地サポートの範囲、責任の所在。消費者庁は「後々の『言った、言わない』のトラブルを回避するために」書面を取り付けるよう助言しています。
- 6為替レートの取扱いを確認する — 海外へ外貨で支払う際、消費者庁は「為替レートに一定のパーセントを上乗せして請求されることがありますが、そのパーセントは事業者によって様々です」と指摘しています。高校留学は送金額が大きく、率の差が実額に効きます。換算レートの決め方と上乗せ率を、契約前に確認してください。
この6つは、面談の場で相手を試す質問にもなります。答えを渋る、口頭で済ませようとする、書面化を嫌がる——そうした反応自体が判断材料です。JASSOも業者選びの観点として「留学のよい点だけでなく、困難な点、苦労する点などの説明があるか」を挙げています。困難な点を先に話す事業者のほうが、あとで揉めにくいというのが、公的機関の示す見方です。
契約の前に、留学の型そのものを確認する
交換留学・私費留学・短期のどれを選ぶかで、必要なサポートも契約の重さも変わります。
まとめ
留学エージェントとのトラブルで最も多いのは、解約と返金です。クーリング・オフは原則として適用されませんが(JASSO)、法外な解約料は消費者契約法第9条第1項第1号により「平均的な損害の額」を超える部分が無効になります。まず算定根拠の説明を求め(同条第2項)、消費者ホットライン188で消費生活センターに相談してください。事業者の経営が行き詰まった場合は、まず消費生活センターに相談し、次に留学先の学校へ連絡して納入状況を確認します(JASSOが示す順序です)。そして最大の予防は、申込金を払う前に書面を受け取り、解約料の区分表と支払時期を確認しておくことです。料金の仕組みはなぜ無料で成り立つのか、選び方の全体像は高校生の留学エージェントの選び方で続けて確認できます。
Q.留学エージェントとの契約にクーリング・オフはありますか?
原則としてありません。日本学生支援機構(JASSO)は「業者が規定を自主的に設けて契約書に明記している場合を除いて、基本的にはクーリングオフが適用されません」と説明しています。消費者庁も、クーリング・オフは事業者の自主的な取組みとして契約書に規定を設けている場合等に限られるとして、契約書面に規定があるかどうかを確認するよう助言しています。契約前に必ず解約条項を読んでください。
Q.高額な解約料を請求されました。払うしかないのでしょうか?
そうとは限りません。消費者契約法第9条第1項第1号により、解約に伴う違約金のうち、事業者に生じる「平均的な損害の額」を超える部分は無効です。まず同条第2項にもとづき「算定根拠の概要を説明してください」と求め、そのうえで消費者ホットライン188から消費生活センターに相談してください。契約書・見積書・支払記録・やり取りの記録をそろえておくと相談が進みます。
Q.どこに相談すればよいですか?
消費者ホットライン188(いやや)に電話すると、お住まいの地域の消費生活センターにつながります。相談は無料です(通話料は自己負担)。施設点検日や年末年始を除いて原則毎日、土日祝日も利用できます。事業者が業界団体に加盟している場合は団体にも相談でき、海外留学全般については日本学生支援機構(JASSO)の窓口もあります。旅行契約として引き受けられたものは、旅行業の団体が窓口になります。なお消費者庁は相談窓口として特定非営利活動法人留学協会も挙げており、事業者の加盟は条件になっていません(同協会はウェブの相談フォームで受け付けています)。相談する前に実際の事例を読んでおきたい場合は、国民生活センターの消費生活相談データベースで、大分類「教養・娯楽サービス」→中分類「他の教養・娯楽」→小分類「留学等斡旋サービス」と辿ると閲覧できます(JASSOが参考情報として案内しているルートです)。
Q.事業者が倒産したら、払ったお金はどうなりますか?
全額が戻る保証はありません。JASSOは「預けたお金が戻ってくることは多くありません」と率直に書いています。順序としては、まず消費生活センターなどに相談し(破綻の前兆の段階でも構いません)、次に学費や寮費を預けていた場合は留学先の学校に連絡して納入状況と「いつまでの在学・居住が認められるのか」を確認します。破産の場合は債権者説明会や裁判所からの文書で状況を知ることになります。JASSOは「焦って新たな業者と契約をしないように」とも注意しています。予防としては、受け入れ先が確定する前の高額な前払いを避けること、学費を学校へ直接送金できるかを確認しておくことが有効です。
Q.出発後に滞在先が合わなかった場合、エージェントは対応してくれますか?
契約の範囲によります。変更の可否・手順・所要期間・費用が契約書に書かれていないことも多く、出発後に初めて調べると選択肢が狭まります。契約前に「滞在先の変更は可能か」「その場合の手続きと費用はどうなるか」を書面で確認しておいてください。実際の動き方はホームステイが合わないときにまとめています。
Q.契約前に、その事業者が信頼できるかを確かめる方法はありますか?
日本学生支援機構(JASSO)が業者選びのチェックポイントを公表しており、情報公開度(所在地・代表者名・財務状況・業務実績)、留学先の学校との関係(提携をうたう場合はそれを説明する学校発行の公文書)、現地委託業者の法的地位と登録の有無、契約内容と料金体系などが挙げられています。これらを質問して、答えの精度を比べてください。受け入れ国側の公的な登録簿での照合方法は高校生の留学エージェントの選び方に整理しました。
総額を把握しておくと、見積書の異常に気づける
国と留学タイプから概算を出しておけば、提示額との差を根拠を持って質問できます。






